ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年6月28日付 パティ・ラベル Patti LaBelle & Michael McDonald - On My Own

2022-06-26 20:45:18 | 1986年ビルボードTop40
1986年6月28日付ビルボード All American Top40、3週目の1位はPatti LaBelle & Michael McDonaldの"On My Own"。Patti LaBelle と Michael McDonald、大物二人の競演です。Patti LaBelleですが、女性コーラスグループLaBelleのボーカリストとして、そしてソロとして60年代から活躍、75年のNo.1ヒット"Lady Marmalade"を含め、この曲で6曲目のTop40ヒットで、2曲目のNo.1となりました。そしてMichael McDonald、The Doobie Brothersのメンバーからソロになり、これまでに、ソロでは2曲のTop40ヒット。さらにゲストミュージシャンとして活躍しています、Kenny Logginsとの"This Is It" などこれまでゲストとして3曲のTop40ヒットがあり、この曲で4曲目のTop40ヒット、初めてのNo.1。The Doobie Brothers時代を入れると"What a Fool Believes"以来2曲目のNo.1獲得です。

2位は前週と変わらず2週目の2位、Billy Oceanの"There'll Be Sad Songs"。Billy Oceanですが、初めてのTop40ヒットが1976年の"Love Really Hurts Without You"、そこから8年後に突然"Caribbean Queen"がNo.1ヒット、それから大ヒットを連発、この曲で7曲目のTop40ヒットで4曲目のTop3ヒットです。
3位も前週と変わらず2週目の3位、The Jetsの"Crush on You"。The Jetsですが、アメリカのWolfgramm家の兄弟姉妹バンド。この曲が初めてのTop40ヒットで、3位まで上がってきました。
4位は8位からアップ、Simply Redの"Holding Back The Years"。Simply Redですが、85年にデビューアルバムを発表、そのアルバムから"Money's Too Tight (To Mention)"が最高位28位、この曲で2曲目のTop40ヒットで、もちろん初めてのTop5ヒットとなりました。
5位は6位からアップ、Howard Jonesの"No One Is To Blame"。Howard Jonesですが、初ヒットが83年の"New Song"で最高位27位、この曲で6曲目のTop40ヒットで、最高位5位の"Things Can Only Get Better"に続く2曲目のTop5ヒットになりました。

この週3週目の1位はPatti LaBelle & Michael McDonaldの"On My Own"。最終的にはこの3週間の1位。年間チャートは第4位。年度を代表する大ヒットになりました。

さて、この曲、前述したように、Patti LaBelle と Michael McDonaldの大物二人の異色の競演です。
まずは、Patti LaBelleですが、アメリカフィラデルフィア出身の女性ソウルシンガー。デビューは60年代の初めころにまでさかのぼります。
まずは、 Patti LaBelle and the Bluebellesとしてシングルを発表、62年に "I Sold My Heart to the Junkman"という曲が始めてのTop40ヒットとなり、最高位15位となります。

その後、70年代に入り、グループ名をLaBelleに改名、75年に"Lady Marmalade"が全米No.1の大ヒットとなります。
70年代後半からは、グループを離れ、ソロ活動を開始、ソロとしては85年に"New Attitude"が最高位17位を記録、この曲がソロ2曲目のヒット、デビューからは通算で6曲目のTop40ヒットです。こちらをご覧ください→→→

一方、Michael McDonaldですが、アメリカミズーリ州出身のシンガーソングライター。
デビューは70年代中頃、まずはスティーリー・ダンのツアーメンバーとしての活動を始め、75年からはご存知The Doobie Brothersに加入して活躍します。

Michael McDonaldが参加したのは76年に発表されたアルバム『Takin' It to the Streets』から、その前のアルバム『Stampede』と、このアルバム『Takin' It to the Streets』とはだいぶ感じが変わりました。このアルバムからのファーストシングルが"Takin' It to the Streets"で、Michael McDonaldが作った曲だったのですが、それまでのDoobie Brothersとは全く違う、おしゃれなシティ派の曲でした。驚きましたし、それまでのDoobie Brothersの大ファンだった私にとっては、大ショックでした。今になってみれば、いい曲だったとは思いますが、当時は「なんでこんな曲、Doobie じゃない!」と、ドゥービーファン止めようかと思った曲でありました。

79年には "What a Fool Believes"がNo.1ヒットになるなど、Doobie Brothersでは大活躍でした。
そのThe Doobie Brothersは82年には活動を停止、Michael McDonaldもソロ活動を開始し、"I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)"が最高位4位を記録するヒットとなります。

また、その多彩な才能を生かして、他のミュージシャンとも共演、Kenny Logginsとの"This Is It"が最高位11位、さらに、Nicolette Larson、James Ingramとのシングルをヒットさせ、そしてこの曲Patti LaBelleとの共演"On My Own"がNo.1を記録する特大のヒットとなりました。

"On My Own"ですが、曲の作者はBurt BacharachとCarole Bayer Sagerの黄金コンビの作。Patti LaBelleの8枚目のアルバム『Winner in You』に収録されました。
この曲は、もちろん二人のボーカルも素晴らしいですが、曲が良かったですよね。心にしみる名曲でした。


今週 先週 song / artist
1 1 ON MY OWN / PATTI LABELLE & MICHAEL MCDONALD
2 2 THERE'LL BE SAD SONGS(TO MAKE YOU CRY) / BILLY OCEAN
3 3 CRUSH ON YOU / JETS
4 8 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED
5 6 NO ONE IS TO BLAME / HOWARD JONES
6 9 WHO'S JOHNNY("SHORT CIRCUIT" THEME) / EL DEBARGE
7 7 A DIFFERENT CORNER / GEORGE MICHAEL
8 17 INVISIBLE TOUCH / GENESIS
9 14 NASTY / JANET JACKSON
10 15 SLEDGEHAMMER / PETER GABRIEL
11 4 LIVE TO TELL / MADONNA
12 5 I CAN'T WAIT / NU SHOOZ
13 12 I WANNA BE A COWBOY / BOYS DON'T CRY
14 22 DANGER ZONE / KENNY LOGGINS
15 16 TUFF ENUFF / THE FABULOUS THUNDERBIRDS
16 10 NOTHIN' AT ALL / HEART
17 20 LIKE A ROCK / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
18 21 YOUR WILDEST DREAMS / MOODY BLUES
19 23 LIKE NO OTHER NIGHT / 38 SPECIAL
20 18 VIENNA CALLING / FALCO
21 25 WHEN THE HEART RULES THE MIND / GTR
22 11 GREATEST LOVE OF ALL / WHITNEY HOUSTON
23 33 OPPORTUNITIES(LET'S MAKE LOTS OF MONEY) / PET SHOP BOYS
24 27 MOUNTAINS / PRINCE & THE REVOLUTION
25 31 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
26 30 DREAMS / VAN HALEN
27 32 LOVE TOUCH(THEME FROM "LEGAL EAGLES") / ROD STEWART
28 29 ONE HIT(TO THE BODY) / ROLLING STONES
29 13 SOMETHING ABOUT YOU / LEVEL 42
30 38 MODERN WOMAN(FROM "RUTHLESS PEOPLE") / BILLY JOEL
31 35 DIGGING YOUR SCENE / BLOW MONKEYS
32 40 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
33 34 IF SHE KNEW WHAT SHE WANTS / BANGLES
34 19 ALL I NEED IS A MIRACLE / MIKE + THE MECHANICS
35 42 WE DON'T HAVE TO / JERMAINE STEWART
36 41 SECRET SEPARATION / FIXX
37 24 IF YOU LEAVE / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
38 37 OUT OF MIND OUT OF SIGHT / MODELS
39 50 YOU SHOULD BE MINE / JEFFREY OSBORNE
40 51 HYPERACTIVE / ROBERT PALMER

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35 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一流揃い (hannah)
2022-06-26 21:52:19
星船さん、こんばんは。
P.LaBelle、M.McDonaldとかつて一世を風靡したヴォーカリストの共演+ソングライターがB.Bachrach&C.Bayer Sagerの黄金コンビとくれば大ヒット間違いなしですね。
スローテンポな楽曲には
M.McDonaldのもわっとしたヴォーカルがよく合います。
大物コラボの♪That's What Friends Are For♪もよかったですが、こっちもいいですね。
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Unknown (太ったボンジョビ ( `□´)⚡)
2022-06-26 22:54:11
いやー、過去にも問い合わせしましたが、⭐⛴️さんと私めのマイケルⓂ️🍔🍟への評価が正反対であるのが何ともイイですね?
80年秋、リアルラブ、何てメロウなキュンキュンする曲なんだ!友達に黙ってシングル買いました。
82年秋、フォゲッティン、またまた秋のセンチメンタリズムを助長する涙シングル、素敵過ぎますなです。
83年春、アイガタトライ、ケネーロギンズと共作で競作?サビが素敵です、売れないのは市場が悪い!
84年春、ヤモビゼ!なんて寒さフィーチャしたこれまた涙シングル!毎回泣かせられてボク大変。
てなかんじであり、遡行すればイトキープスユーランニンや愚か者もサビは抜群でした。
なのにこのオンマオーン!けしからん!ラベルさんはともかく、マクドナルドⓂ️🍔🍟!日和ったなこのヤロウ!
とこの時点では魂を売ったマイケルⓂ️🍔🍟に憤ったものでしたよホント…つづく。
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沢山の裏はなしエピソードのある曲です (音時)
2022-06-26 22:55:00
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/33259992.html
星船さん、この曲は想定内でしたが、あのへんの曲取り上げないのかあ…と外した?曲も何曲か…(^_^;)。このあとも結構チャートの入れ替わりが激しくなりますよね。
この曲は僕の持っているネタ本「ビルボード・ナンバー1・ヒット Ⅲ 1985ー1988」(音楽之友社)でもエピソードがいっぱいです。星船さんもこのシリーズお持ちですか?「上(1955-1970)」「下(1971-1985)」「Ⅲ(1985-1988)」の三冊があります。こちらの著者はフレッド・ブロンソンさん(監修はかまち潤さん)ですが、先日「ビルボード・トップ10ヒッツ」などの著者ジョエル・ホイットバーンさんが82歳にてお亡くなりになりました。https://amass.jp/158403/
インターネットでかつての洋楽ヒットの最高位を探したりするのに今ではインターネットで検索できますが、そんなことができない時代に、紀伊国屋書店などのでっかい本屋さんの洋書コーナーでお小遣いを叩いて高価なチャート本を買ったことが懐かしいです。デュエルさん、R.I.P…。世界のチャート本編集者の方に感謝です。(曲と関係ない話題でごめんなさい)
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名曲ですね (240)
2022-06-27 06:38:05
おはようございます。
「ON MY OWN」、1位取っていたんですね。こうした派手ではない曲が1位って、なんだか嬉しい。
またこの曲、バカラックとセイガーのおしどりコンビの作品だったんですね。コレも知らなかった。
パティ・ラベルとマイケルの組み合わせもかなり異色。どういう接点だったんですかね。マイケルのソウル好きは有名なので、パティとの共演はマイケルにとっても嬉しいことだったと思いますが。
いや~、改めて聴くとやっぱりマイケルの名唄が光る名曲ですね。
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Unknown (blackmore1207)
2022-06-27 07:15:43
おはようございます。
アルバムは1986年にリリースされ、彼女初の全米1位に(全米R&Bアルバムチャートでも1位に)輝きましたね。
「オン・マイ・オウン」はバカラックとキャロルとの共作。
最初はリチャード・ペリーがプロデュースを始めたのですが、どうしても上手くいかず、最終的にバカラックに助けを求めて一から作り直すことになったんだそうです。マクドナルドのヴォーカルも当初はバック・ヴォーカル的な扱いだったのが、その後、録り直して完全なデュエットという形になったんだそうですね。名曲ですね!
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Unknown (かんた)
2022-06-27 20:18:12
マイケル・マクドナルドといえば、朝潮関(のちの高砂親方)の奥さんが、ドゥービー・ブラザーズ時代から彼のファンだったらしいです。
一度、新婚ホヤホヤの朝潮夫妻が『夜のヒットスタジオ』に出演されていたことがありました。
その回に、外タレ・ゲストとして呼ばれていたのが、マイケル・マクドナルド。
「奥さんは、あなたんファンだったらしいですよ」と司会者がマイケルに告げると、彼は「僕らの出会いが、もう少し早ければよかったのにね」なんて返答していました。
「あんなこと言ってますよ、朝潮さん」などと司会者が言い寄るも、マイケルのコメントにほとんど動じなかった朝潮関が、とても印象的でした。
マイケルにしてみれば、「あんな美人な横に、あの顔が…」なんて、我慢できなかったんでしょうかね。

ちなみに、元タレントの島田紳助さんによると、朝潮関は、何を言っても怒らなかったそうです。
「うわっ! お尻が歩いている!」なんて、あの顔のことを弄られても、平気だったとか。
ですから、あのマイケルのコメントにも、堂々としていたんでしょうね。
いや、これは裏を返せば、ただの無神経なだけかも…。
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違う種類のボーカルの (星船)
2022-06-27 21:52:47
Hannahさんこんばんは。
「Michael McDonaldのもわっとしたボーカル」、って、うふふ、なかなかそんな感じもしますね。まあ、この曲では結構聞かせてくれていますが。そんなもわっとしたボーカルと、パティ。ラベルの張りのあるボーカルの、違う種類のボーカルのコラボが、この曲の一番の魅力です。黄金コンビの曲も素晴らしかったです。
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二人の声が合った (星船)
2022-06-27 21:53:49
太ったボンジョビさんこんばんは。
まあねえ、「Michael McDonaldのしっとり系ボーカル」をソロで聞いたらまた違ったかもしれないですが、でもドゥビーの、あの疾走感あるサザンロックとは、まったくの別物ですね。
とは言え、別物として聞くと、"Takin' It to the Streets"や"It Keeps You Runnin'"は、なかなか魅力的な曲でしたよ。
で、"On My Own"ですが、そうですか、気にいらんですか。この曲はデュエットでもあり、二人の声が合ったいい曲じゃあないですか。
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ジョエル・ホイットバーンさん (星船)
2022-06-27 22:06:58
音時さんこんばんは。
"On My Own"のレアなネタ、ありがとうございます。私はこのネタ本、持っていないのですよね。音時さんのブログから、欲しいと思ったのですが、検索したら、中古を売っているようですね。買おうかなぁ。
一方で、ジョエル・ホイットバーンさんの本、厚いの薄いの併せて5冊ありまして、私のブログもこれらの本がなければ成り立たないものです。やたらと高い洋書で、買うのには勇気がいるような本だったですが、これだけ何度も読んでらえれば、元は取っています^^なんと、亡くなったんですね。大変お世話になりました。
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全米ヒットチャートの良いところ (星船)
2022-06-27 22:07:58
240さんこんばんは。
そうなんですよ、1位になって、それも3週間も続いて年間チャートも4位、特大のヒットになりました。
歌の上手い二人がしみじみと歌い上げたこの曲、こういう曲も1位になるのが全米ヒットチャートの良いところでした。
音時さんのブログによると、この曲、初めはパティ一人で歌う予定だったが、それでは物足りず、マイケルの声がかかったようですよ。さすがマイケルのボーカル、たくさんの方々から評価高いです。
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