自己存在の真実から目を背け
自分以外の人間になりたいと
迷走を始めた魂は
蠅の羽音のような振動の中にいる
本当の自分と
本当の自分ではいたくない自分との間に
奇妙なずれが生じ
そのかすかな谷間を刹那刹那で移動するという
考えられない現象が起きるのだ
その振動は
自己存在の真実をゆがめ
常に自分が苦しいという世界を生む
それが存在痛という懊悩を引き起こし
自己存在はよけいに自分でいたくないという気持ちを起こし
永遠に自分自身から逃げようとしてもがき
苦しくてたまらない
これが馬鹿という状態である
この激痛から救われるためには
自己存在に自己存在の
真実の真実を教え
自己存在の正しいあり方に戻してやらねばならない
自己存在というものは
人間が信じているよりもずっと強く
たよりになるものだという真実を
実体験として教え
解脱に導かねばならない
人間よ
自己存在というものは
金剛不壊の真実である
灯火のようにはかないものではない
砂丘のようにやがて消えてゆくものではない
生まれてくれば
二度と消すことはできない
永遠の存在なのである
その真実を正しく背負い
永遠に生きていくしかない
自分の自分をかみしめ
永遠にやっていくのだ
そうすれば
おまえの世界を苦しめていた
振動は消え去り
澄み渡った永遠の世界が広がることだろう