
真実の天使よ 話をしませんか
(これは あなたからお誘いをくださるとは
めずらしい)
少々疲れを覚えることが
ありましてね
(苦しそうですね
何かあったのですか
聞いても教えてはくださらないでしょうが)
ふ
(なにか わたしがあなたを
助けられることがあるのなら
させてはくださいませんか)
おろかにも 愛する君よ
あなたはもう 何もしないでください
苦しまず 傷つかずにいられる
岩戸にこもっていてください
あなたに何かをされると
わたしのほうが苦しい
(ああ そうですね
わたしは 苦しみすぎた
もはやこれ以上 苦しむことができないほどに
幸せなもの以外には
なれないものに なるほどに)
もはや 人類の道はひとつ
たった一つ残った あなたという愛のともしびを
なんとかして守らねばならない
だのに
人間のすることは ただ
自分の幸せをもとめることだけだ
(人間はみな 生きることは
なぜこんなに苦しいのだろうと
思っています
その答えは ただ
生き方を間違えていると言うだけなのですが
それを わたしは何度も教えたのですが
誰も聞いてはくれなかった)
ほ 今さら
ああ ここまできても
人間は動かぬか 何もしないのか
(あなたを悩ませているのは
たぶん 事態が深刻などというものではないと
いうことですね)
ええ どんなに頭を巡らせても
それに反論する言葉は見つかりませんね
まことに そのとおり
ああ
人類よ
(ええ 人類よ)
わたしたちは 来る
はるか かなたより
あなたたちのために
(わたしたちは 天使存在
どのように 傷つこうとも
何度 倒れようとも
わたしたちは 来る)
すべてを ありのままの
あなたたちに 教えるために
(愛している あなたたちを)
ええ 愛している
(かなしみを 雪にたとえむ 目をとぢて)
あふるるものは 春の高波