ル・ナン兄弟、17世紀フランス、バロック。
これは虐げられた人間のひとつの姿である。人々は寒そうでみじめな服をまとい、テーブルには硬いパンがひとつあるだけだ。飲んでいる赤い液体や、ヴァイオリンが象徴する音楽は、つらい現実を忘れるのに必要なものである。奥からこちらを見つめている子供の目が、自分もいつかあの男たちのようになるのだという絶望感をにじませている。これは王が幸福を独占しようとするからこうなるのだ。人間をこんな目に合わせてはいけないのだ。本当の王は彼らを幸福にせねばならない。馬鹿がこんなことをするから、人民の憎悪がふくれあがり、革命が起きるのだよ。