世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

春の異変

2008-04-05 08:50:23 | 花や木

サクラも咲き乱れ、蝶々も天道虫もうれしそうにでてきている。もうすっかり春ですね。

でも、いつもの春と比べると、なんだかおとなしい気がする。にぎやかな春という感じが、少し弱い。なぜかというと、黄色いタンポポを見かけないからです。いつもなら今頃、道端やのっぱらに、お日様のようなタンポポが、ぽんぽんたくさん咲いているのに、今年はどうしたことか、ちっとも見かけないのです。

これはここらへんだけのことかな? ちょっとさみしいです。

写真は、おとといにも紹介しましたが、シロバナタンポポです。今年見かけるタンポポは、この白いのばかりです。シロバナタンポポは、黄色いタンポポと比べると、ちょっと性格がきつくて、人間に、痛いということもします。要するに、悪い子にはきちんとおしおきをしてくれる、きついお姉さんという感じなのです。なんとなくそんな感じでしょ?

黄色いタンポポは、種類によっても微妙に違いますが、白いのと比べると、幾分やさしく、痛いことも少しは我慢してくれる、かわいいお姉さんという感じなのです。黄色いタンポポが咲いていると、人間は元気が出てくる。ちょっとしたことで落ち込んでいても、元気出してやりましょって、笑ってくれるような。

タンポポを見ると、元気が出てくるのは、タンポポが、人間の心に、とても大切なことをしてくれているからです。タンポポが咲いていない春は、人間はみんな元気がない。みんなとぼとぼ歩いてる。なぜ? それはね、タンポポが、いつも、君はすばらしいね、大好きだよって、言ってくれる、その声がぜんぜん聞こえないからです。

タンポポはいつも言ってるの。いいなあ、いいなあ、君はいいなあ。かわいいなあ。だからタンポポを見てると、人は元気が出てきて、自分はいいなって思えて、さあやるぞっていう気持ちになれるのです。

そんなタンポポが咲いていないせいか、今年の春は少し、白いタンポポが、いつもよりやさしい顔をしている。黄色いタンポポのいない寂しさを、補ってくれるかのように。

子供と一緒に散歩しながら、近所の空き地で見つけたこの花を、子供はノースボール、と呼びました。お勉強が好きな小学生の三男は、学校で習ったことをきちんと覚えている。

northball、かな。North Pole じゃないですよね。ノースボール、なんだか不思議な雪だまのようで、かわいい名前です。シロバナタンポポの、知らなかったやさしい側面を見たような気がする。

白いたんぽぽに、やさしくされてしまうと、少し困るな。あんまりにやさしくなりすぎて。白い花は、それが苦しくて、いつもは少し仏頂面をしてしまうのかな。

体調がよくなったら、少し遠出して、黄色いタンポポを探しにいこうかな。



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