近所の空き地に、大根と菜の花が固まって群落を作っている茂みがあるので、その写真を撮ってみました。白いのと黄色いのがよりそって、とてもきれいなのです。
菜の花と大根が並んでいると、なぜか大根がひときわ白く美しく見えますね。なぜかしら。それはたぶん、菜の花が、大根のよさを知っているからだと思うんです。
大根は地味で、あまりものは言わないけれど、大切なところで、ちゃんと大切なことをしている。でもそれを人にいうのは恥ずかしいので、いつもは難しい顔で黙っている。大根のいいところは、人の心の、激しく痛いところを、黙って直してくれるところ。なぜなら、その痛いところは、決して人には言えないところだから。
だから大根はずっと黙っている。
でも人は、大根にはそんなには関心を払わない。だって大根は、スーパーに普通に売ってる野菜だし、菜の花ほどには、かわいくないから。
でも大根は、特に何でもないという感じで、いつも自分の花で、静かに咲いている。
菜の花は、その大根の心の、本当の美しさを知っている。そしていつも、本当にあなたは、いい花ねいい花ねって、喜んでくれる。大根はそれがうれしい。
自分を本当にわかってくれる友達がいて、ほんとうにいいねって言ってくれる。それだけで、大根は何倍も美しくなれるのです。
この茂みは、いつも本当にうれしそうですよ。友達はいいなって思います。