シャルル・エドゥアール・シャイーズ
テセウスはアテナイ王アイギウスと愛人アイトラーの間に生まれた。成長してたくましい青年になったテセウスは父の元を訪れ、当時アテナイを悩ませていたクレタ島の怪物ミノタウロスを退治しにいくと自ら言った。彼はクレタ島に向かい、迷宮にとじこめられているミノタウロスを、クレタ王ミノスの娘アリアドネの助けを得て退治した。
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ラビリンスに閉じ込めた牛頭人身の怪物とは、人間の心に封じ込めた獣性を隠喩します。それを英雄がその知恵と力で退治しにいくということは、獣性の闇を、理性の光が凌駕するということを意味するでしょう。人間の成長過程で、こういう経験は必ずせねばなりません。いつまでもミノタウロスに好きなようにさせていてはいけないのです。