
ドッソ・ドッシ
ゼウスとプリュギアの王女セメレとの間の子供だと言われる。ギリシャ神話ではディオニュソス。ぶどうと酒の神。彼は各地をさすらいながら人々にぶどうの栽培や葡萄酒の作り方を教え、人々の熱狂的な支持を得た。酒によって引き起こされた狂乱の世界に人々は陶酔し、彼を崇拝した。その没我的で幻惑的な自由の中で、人々は乱痴気騒ぎを起こし、血なまぐさい殺戮さえ行ったという。
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この絵は、ティツィアーノによるものですね。見ればわかる。ティツィアーノの原作では、人間の乱痴気騒ぎを指揮するバッカスが、海辺を歩いている女性を一目見て、その行列から飛び出そうとしている図が描かれている。ようするにこの絵は、理性と秩序の破壊者である酒神バッカスが、愛に触れて仰天したように忘我の闇から飛び出してきたところなのです。
どんな無明の闇に溶けていても、愛から逃げることはできないということでしょう。