世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

どこへ

2015-10-21 04:02:09 | 詩集・空の切り絵

馬鹿が偉いという
世界を創りたかったんです
勉強したって
あいつらには追いつけないから
そんなのは馬鹿にして
馬鹿の方が偉い世界を創ろうとして
あらゆることをやったんです

人からいいもん盗みまくって
馬鹿ばかりえらくいいもんにして
本当にいいやつには糞ばかり食わして
ぜんぶだめにしてやったんです

そしたら 突然世の中ひっくり返って
今までやってきたこと
すべてがだめになったんです
なんでって 俺たちが創ってきたものみんな
馬鹿が好きになるおもちゃみたいなもんばかりで
本当の人間はそんなもんいらないっていうんですよ

地位も名誉も金も大きな家も美人の妻も
馬鹿かおまえはって言われるだけで
うらやましいなんて誰も思ってくれない
おれのもんみんな
何でもない馬鹿になってしまったんです

みんな みんな行ってしまう
新しい世の中に
星みたいな光を持って
行ってしまう
おれはどうすればいいんだ

馬鹿ばかりになった
おれのガラクタを引きずって
どこへいけばいいんだ

(もうやめろ)
どこからかだれかの声が聞こえる




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