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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

サタン

2013-11-29 09:00:15 | 詩集・空の切り絵

馬鹿なこと やっちまって
馬鹿になったのが
いやだったんです

あいつらは まだやってねえ
いいことばかりやって
いいことんなってる
ちきしょう 馬鹿にしてやるって
痛いこと 全部やっちまって
それが全部 返ってくる
そんなのいやなんですよ

痛いのは いやなんです
苦しいのは いやなんです
馬鹿みたいなことになるのは
いやなんです
そんなのは
あいつらだけでいい

無理にでも 法則を曲げて
おれたちが正しいことにしねえと
払わなきゃいけねえ借金が
多すぎる
多すぎますよお こんなの
払えるわけねえ
だからって なにもかもやっちまったら
とんでもないことになった

逃げるんです
永遠に 逃げるんです
いやなんですよ つらいのは
こんな いやな自分を
生きるのは

ほかのやつが いいんです

やったのはおれじゃねえよ
馬鹿だよ
馬鹿がやったんだよ

おれじゃねえ
ほかのやつだ



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スフィンクス

2013-11-28 09:33:02 | 詩集・空の切り絵

朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足、なあに?

   ***

人間には、四本足の獣のように、何もわからないで生きていた時代がある。
食うことと殺すことしか考えてはいない。
ただ獣性のみにて生きている。

もう少し賢くなると、知恵をもって、二本足で歩きはじめる。
たいそう賢いが、まだ何もわかってはいない。
自分の得ばかり考えている。

もっと賢くなると、今度は愛の杖を持って、三本足で歩きはじめる。
そこからが、すべての始まりだ。



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バラモン

2013-11-27 10:09:36 | 詩集・空の切り絵

愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生じる。愛するものを離れたならば、憂いは存在しない。どうして恐れることがあろうか。
「ダンマパダ(法句経)、第16章212」


    ***

これはひどい。仏典は人間によって、暴力的に浸食されている。釈尊の言葉が残っていないわけではないが、嘘の暴虐の中で瀕死の声をあげている、枯死寸前の花のようだ。

釈尊は人間に、愛してはいけないなどと言ってはいない。こういうことを言うのは、人間が、人間の域を超えるものを考える時、あんまりに突飛で馬鹿な所に飛びすぎるからだ。

もし、愛することが間違いなどということが、真実になったなら、釈尊はもうとっくに人類を見捨てている。ほかのすべての存在もだ。



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ガイア

2013-11-26 09:00:03 | 詩集・空の切り絵

男は
裏返らないけれど
女は
裏返るときがあるの

だから
みょうなところに
さわってはだめよ

苦しいことを
してはだめ
できるがまんは
すべてするけど
がまんができなくなったら
女はひっくり返るのよ

こわいのよ
何もかもが
無茶苦茶になる
馬鹿なことをしてはだめ

美しすぎる女は
こわいのよ
生と 死が
繁栄と 死滅が
同じ器の中に
入っているの

馬鹿なことをしてはだめ
わたしは
すべてを生んでいるから
すべてを滅ぼしても
いいのよ?





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君子

2013-11-25 08:19:03 | 詩集・空の切り絵

人知らずしてうらみず、また君子ならずや。(論語・学而)

  ***

孔子の言葉には諦観がある。
どんなに努力しても、人はみんな、決して自分を認めないだろう。
だが結局はみんな、自分に頼ってくるだろう。

  ***

ゆくものはかくのごときか、昼夜をおかず。(論語・子罕)

  ***

それでも、わたしはやっていくのだろうな。
ほんとうに馬鹿だなあ。


孔子はこういうやつだ。



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ミカエル

2013-11-24 09:16:31 | 詩集・空の切り絵

悪い子は いないか
悪い子は いないか
馬鹿なことを すると
痛い目に あうぞ

地獄というを
甘く見るな
落ちたものが
どんなことになるか
わかってはいまい

馬鹿を教育するに
ひつようなものは
たんと ある

悪いやつは どこだ
悪いやつは どこだ
あぶってやる
腐っているやつは だれだ
きつい目に あわせてやる

地獄というを
甘くみるでないぞ



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アフロディテ

2013-11-23 09:01:54 | 詩集・空の切り絵

わたしを
動かさないで
わたしは 今
ひとりで
産んでいるの

ほら
不思議でしょう
おかしいでしょう
でも
大切なことなのよ
これは

かわいい
すきとおった泡の中で
踊る 小さな夢
いくつも いくつも

わたしを
動かさないで
わたしは 今
ひとりで
産んでいるの



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夕陽

2013-11-22 08:40:12 | 詩集・空の切り絵

夕陽は落涙なる乎
腹に蔵す業虫の夢
惜恨歌朗たりと雖も
青藍の男子は石す

夜半柱廊の会
険しく騒ぐ泣女の怪
月神の嘆は重く垂れて
老祖の丘に横臥す

魂魄を痛するは愛失
喪心を補ふに足らず
鬼神に請ふ蜜薬
美玉悉く灰と化す



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絶声

2013-11-21 08:29:16 | 詩集・空の切り絵

花顔の友は声を絶ち
野に起こる蒼風に帰す
氷夜の散星は塵なりて
鬼人の想は石に硬し

玲瓏の松山は轟き
玉水の湖鳥は沈す
願はくは飛魚の訴の盛んなることを
天狼の白き呪を望む

森塊の相は奇怪なり
樹乱の宴は志を叫ぶ
葉片の恨みは刃に似て
土中の愚を聖に掲ぐる



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暗夜人落神

2013-11-20 08:58:28 | 詩集・空の切り絵

暗夜に人は神を落とす
紅玉に秘す永しへなる思ひを
一粒の水に海を湛へ
一簣の土に国を治す

珠貝に秘せし女子の
弾琴の美歌を舞ふ
絹衣白虹に散り
玉髪は暗夜に等しむ



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