goo blog サービス終了のお知らせ 

世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

リリス

2013-12-09 08:51:24 | 詩集・空の切り絵

いやだ いやだ
こんな おんな
あたしより きれい
あたしより すてき

きらい きらい
こんな おんな
しあわせになんか なるな
ふこうに なれ
ばかに なってしまえ

のろってやる
つぶしてやる
ばかにしてやる
いやなこと
ぜんぶしてやる

いやだ
きらいだ
こんな
おんな



    ***

フェミニズムが、とん挫しがちなのは、
嫉妬を原理にしているからだ。

ブスの平等主義というものだ。

真の女性の救済は、女性自身が女性の美に目覚めることから始まる。



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベルゼブブ

2013-12-08 09:11:29 | 詩集・空の切り絵

にんげんよ
やばいことは
もうやめろ
やりすぎだ

金と権力で
馬鹿のようにこき使ったやつらに
屁のように馬鹿にされるぞ

こんなものは豚だと
あざ笑ったやつらに
本気で仕返しをされるぞ

やばいぞ
権力を捨てて
逃げろ
見栄えのいいものはみな捨てて
尻をまくって逃げろ

当然のように
水を飲んでいた
愛の流れが もうない

神が
水源を
せきとめたのだ



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アグネス

2013-12-07 08:25:44 | 詩集・空の切り絵

あたしひとりが
叱られた。
女のくせにって
しかられた。

兄さんばっかし
ほんの子で、
あたしはどっかの
親なし子。

ほんのおうちは
どこかしら。

    (「小さなうたがい」金子みすず)

    ***

女には三界に家がない。
どんなに才能がある娘でも、
その才能をどこにも持っていきようがない。

素直に表現しようとすれば、
みすずのように殺される。

みすずは、
純真な魂と清冽な表現力をもった魂だったが、
かわいらしい女だという理由だけで、
男に殺された女である。

かのじょはこのみすずにまなんだ。
みすずと同じ失敗はするまいと心がけていた。
ゆえにかのじょは、
男に逆らわなかった。
従順な羊になり、ひたすら男に尽くした。
賢い女性だよ。

忍耐などというものではない忍耐をせねばならなかったがね。



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子路

2013-12-06 08:58:26 | 詩集・空の切り絵

由、なんじにこれを知るをおしえんか。これを知るをこれを知るとなし、知らざるを知らざるとなせ。これ知るなり。
     (論語・為政)

    ***

いいか、がちがちの固定観念を捨てろ。
自分=正しい
というその数式を捨てろ。

鉄板に正しいと思っている、それそのものが間違っている。
そういうことが、世の中には蔓延しているのだ。

自分の土台、そのものが間違っている。
そういう発想をしてみろ。
それができないと、
いつまでも苦しいばかりだぞ。



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イザナミ

2013-12-05 08:58:44 | 詩集・空の切り絵

伊耶那美の命まづ「あなにやし、えをとこを」とのりたまひ、後に伊耶那岐の命「あなにやし、えをとめを」とのりたまひき。おのもおのものりたまひ竟へて後に、その妹に告りたまひしく、「をみな先立ち言へるはふさはず」とのりたまひき。
    (「古事記」より)

イザナミの命がまず、「ああ、なんてすばらしいお方」とおっしゃり、後でイザナギの命が、「おお、なんと美しいひとだ」とおっしゃいました。それぞれがおっしゃったあとに、おっとが妻に「女が先に言うのはよくない」とおっしゃいました。

    ***

結局は
人間は
いちばん好きな女が
いちばんいやで
いちばん好きな女を
いちばんいじめて

いちばん好きな
女ばっかり
追いかけてきたんだよ



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イエス

2013-12-04 08:50:29 | 詩集・空の切り絵

野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。
     (ルカによる福音書12,27)

    ***

保険がどうの年金がどうのと悩んでばかりで何になるね。
明日のことは明日やればよい。
神と自分を信じていれば、難しいこともなんとかなるものなのだ。

明日のことばかりに思い悩んで、今やるべきことをさぼるほうが害というものだ。

自分を信じよ。神の愛を信じよ。

見てみなさい、野の花を。
働きもしないのに、あれほどの美を神はくださっている。
あなたがたは、この野の花よりも、神に愛されているのだよ。



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ローレライ

2013-12-03 08:57:02 | 詩集・空の切り絵

なじかはしらねど こころわびて
むかしのつたえは そぞろ身にしむ
わびしくくれゆく ラインの流れ
入日に山々 あかくはゆる
   (「ローレライ」ハインリヒ・ハイネ、近藤朔風訳)

どうしてだろう 心が寒いのは
忘れた記憶の中に 何かがあるのが苦しいのだ
ライン川の流れは さびしく暮れてゆく
夕陽に赤く映える山々は 何をわたしに言おうとしているのか

  ***


現実問題
遊んで殺した女は
何人いるね?

神話の中に塗りこめて
忘れ去ろうとしても
罪は罪だ

死んだ女は再び戻ってくる
ローレライのように
岩根に立ち
美しい声で歌い
しなやかに踊り

男を凌辱しにくる

馬鹿にした女も同じだ



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アダム

2013-12-02 09:09:03 | 詩集・空の切り絵

なんてとこなんだ ここは

エデンなんて 最低だ

蜂みたいに
ぶんぶん騒ぐやつばっかりだ
ちくちく刺してばかりで
痛い 痛い 痛い
みんな
人から盗んでばかりいる
何もわかってない

苦しいよ
おれだけなのか
わかっているのは




おや
気づいたやつが
いるぞ




コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オンディーヌ

2013-12-01 08:53:49 | 詩集・空の切り絵

貝の殻を脱いだ
白い鼠が
空に帰ってゆく

あんなものなど
いらないと
人間が言ったので
神さまが鼠を帰したのだ

知らなかった
知らなかった
何にも
知らなかった

あんなものが
いたから
楽しかったなんて
知らなかった

オ ン ディ ー ー ー ヌ … !

かえってこい



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神の子

2013-11-30 09:08:53 | 詩集・空の切り絵

マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」
       (ルカによる福音書1,34)

さて、イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のために近づくことができなかった。
       (ルカによる福音書8,19)

     ***

素朴な疑問なのだがね、
イエスに兄弟がいるとしたら、それはだれの子なのかね?
イエスに兄はいたのかね?

そこんところの解釈はどうなってるの?

     ***

「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」
        (マルコによる福音書9,35)

     ***

優れたものほど、人のために尽くさねばならない。

イエスは、地に足の着いた職人だ。
馬鹿なことは言わない。



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする