トーマス・クーパー・ゴッチ
*
遊びであればよいが、こんなことを本気でやれば、犯罪よりもひどい馬鹿です。
世界をさかさまにしてしまう。
上から降って来る愛を、下にしてしまえば、愛が降って来なくなって、子供は生きられなくなるのですよ。
ポントルモ
*
時に、女性の霊魂が勉強のために男性に生まれてくることがあります。
そういう男性は、よくこんな感じになります。
オシャレや小物に気を使い、なんとなく、きれいな男性、という感じになるのです。
サンドロ・ボッティチェリ
*
ボッティチェリは二つ目です。
実はこのフローラのモデルになった女性も、本物の女性です。
知られていませんが、とてもよい人で、画家は好意を寄せていました。
ただフォルナリーナほど強い人ではなかったので、つらいことがあって、世の中についていけなくて、まるで溶けるように死んでしまったのです。
こんな人はたくさんいます。
ラファエロ・サンツィオ
*
ラファエロはずるい画家なので、わたしも好きではありませんが、このモデルになった女性は、人間本来の真実の姿のもっとも良い例なので、とりあげないわけにはいきません。
つよい瞳だ。自分を律している。
このかわいらしい美貌にふさわしい魂が、この奥にいるのです。人間は、本当は、みんなこんな感じなのです。
ウィノルド・レイス
*
これは、偽物の人の中で、最も悲しい例です。
違うものになりたくて、自分を作りすぎてしまった。
それでもう何もできなくなり、何もわからなくなった。
幻のような自分をかぶってただ生きているだけ。
こんな形では、ほとんど何もできないのです。
アレクセイ・アレクセイエヴィチ・ハルラモフ
*
ほかの女の子から顔を盗んだ女の子は、よくこんな感じになります。
かわいいけど、どこか何かが違う。
なぜなら、この顔の奥に、この顔とは全く違う女の子が住んでいるからです。
だから、かわいい姿が、全部嘘になってしまって、こんな人形みたいな姿になってしまうのです。
ジョゼフ・パーリンク
*
ヴィーナスは夫以外の男性と恋をしたりはしません。
これは嘘です。
愛と美の女神に、男を好きになってもらわないと、自由にセックスができないから、男が無理やりこんな伝説をつくるのです。
ヤン・フェルメール
*
フェルメールは偽物のきわどい画家だが、これはよいものです。
モデルが、特筆すべき女性だからです。
この人は、あらゆる妨害をされて自分を消されてしまったのに、なにもかもいいと言って許したのです。
悲しそうな瞳でしょう。すべてを見抜いているのに、復讐など何もしないで、消えていったのです。
真珠が闇に溶けるように。