「分家無邪気」でのひとときは上々でした。しかし、全てが思い通りにいくわけでもありません。次いで訪ねた「菜々かまど」にはあえなく振られてしまいました。カウンターは空いているにもかかわらず断られるという、当店においてはありがちな結果でした。おそらく二階の座敷にいる宴会客の注文が立て込み、店主自ら捌き切れる限界だったのでしょう。とはいえ一応想定内の結果でもあります。そうなったとき、代わりに行こうと思っていた一軒へ飛び込みました。「おはし」の暖簾をくぐります。
去年右往左往した末に飛び込んだのが、七年前に一度だけ訪ねたこの店です。印象は決して悪くなかったにもかかわらず、素通りを長らく続けてしまったのは、鹿児島に泊まる機会も年に一度か二度がせいぜいということになると、どうしても贔屓の店に寄ってしまい、他の店にまで手が回らなかったという事情によります。しかしその贔屓の店が徐々に姿を消していき、残った店にも立て続けに振られるという事態に至り、この店の存在が俄に浮上したのでした。そしてその結果は上々でした。地元客御用達の雰囲気も、店主と若主人による実直な仕事ぶりも好ましく、長年の食わず嫌いを思わず後悔させられたという顛末です。
その美点は今回も何一つ変わることなく保たれていました。華やかさこそ有名店に譲るものの、飾り気のなさがむしろ尊いもののように感じられます。いぶし銀と形容したい名店です。
★おはし
鹿児島市山之口町10-23
099-224-4676
日祝日定休
小鶴くろ
突き出し(しゅんかん)
ミニ盛り合せ
メヒカリ唐揚げ
いわしつみれ汁
去年右往左往した末に飛び込んだのが、七年前に一度だけ訪ねたこの店です。印象は決して悪くなかったにもかかわらず、素通りを長らく続けてしまったのは、鹿児島に泊まる機会も年に一度か二度がせいぜいということになると、どうしても贔屓の店に寄ってしまい、他の店にまで手が回らなかったという事情によります。しかしその贔屓の店が徐々に姿を消していき、残った店にも立て続けに振られるという事態に至り、この店の存在が俄に浮上したのでした。そしてその結果は上々でした。地元客御用達の雰囲気も、店主と若主人による実直な仕事ぶりも好ましく、長年の食わず嫌いを思わず後悔させられたという顛末です。
その美点は今回も何一つ変わることなく保たれていました。華やかさこそ有名店に譲るものの、飾り気のなさがむしろ尊いもののように感じられます。いぶし銀と形容したい名店です。
★おはし
鹿児島市山之口町10-23
099-224-4676
日祝日定休
小鶴くろ
突き出し(しゅんかん)
ミニ盛り合せ
メヒカリ唐揚げ
いわしつみれ汁