日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

明かり煌めく仙台へ 2019 - おのちゃん

2019-12-30 23:59:02 | 居酒屋
正月の奈良を振り出しに、全国各地を飲み歩いてきましたが、これがおそらく年内最後の一軒となります。大トリを飾るのは「おのちゃん」です。
十年世話になった店長が「なみなみ」へ移り、創業者の跡取りとなる現店長に引き継がれてからというもの、酒が代わり映えしなくなったことについては既に述べました。代わり映えしないのは肴についても同様です。品書きとともに客層も変わり、今では店長と同年代の若い面々がほとんどです。中年の一人客にはいささか入りづらい店になったともいえます。
それでも比較的気兼ねがないのは、愛想のよい店長の人柄によるところが一つです。加えて今回気付いたのは、酒の品書きこそ代わり映えしないものの、それぞれに個性があるということでした。売れ線をあえて避け、一癖あるものを厳選しているのであれば、むしろ天晴れともいえます。そして何より、定禅寺通の欅並木を一望するカウンターは何物にも代えられません。最後をここで飾れたことを幸いに思います。

居酒屋おのちゃん
仙台市青葉区国分町2-14-25 ホテル定禅寺2F
022-267-1909
1800PM-300AM

水鳥記・小左衛門
お通し(塩キャベツ)
明太チーズ玉子焼き
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明かり煌めく仙台へ 2019 - かん

2019-12-30 22:54:55 | 東北
牛タンをいただき、ページェントも観賞して、あとは軽く一杯やれれば十分です。しかしさらなるはしごも可能な時間帯ではあります。あと二軒欲張る前提で「かん」を訪ねました。
あと一軒で終えるなら「おのちゃん」にするつもりでした。定禅寺通りの欅並木を眺めつつ酒を酌むひとときは、年内最後の夜を飾るにふさわしいものだからです。しかし、現店長に代わってからというもの、かつてほど酒に力を入れておらず、選り好みまではできません。最後はあちらへ行くとしても、その前にしみじみ酒を味わっておきたかったというのが真相です。
今や酒一合を千円以上で売る店も少なくありません。その点こちらは良心的です。半合と一合で単価が変わらないのも助かります。三点出るお通しが充実しているため、二軒目ならそれだけでも不足はありません。酒を四杯いただいたにもかかわらず、三千円でお釣りがくるのもその恩恵によるものです。ならばその恩恵を還元するのも一興でしょう。甚だささやかではありますが、備え付けの募金箱に投じて辞去しました。

かん
仙台市青葉区国分町2-13-11 ベルサイユビル2F
022-225-8148
1800PM-2330PM(LO)
日曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)

乾坤一
栗駒山
かん
墨廼江
平目刺
真鱈子煮
舞茸吸物
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 光のページェント

2019-12-30 22:26:42 | 東北
十分な時間は作れなかったものの、見方によっては丁度よかったともいえます。本活動の主題でもある光のページェントを観賞し、10時の消灯を見届けて切り上げました。
「一隆」出た時点で消灯が小一時間後に迫っていました。心ゆくまで観賞するには足りないものの、さりとて全く足りないというわけでもありません。人出が適度な定禅寺通の西側を中心に観賞したところで消灯を迎えました。勾当台公園には全く近寄れなかったものの、あちらは無駄に人が多くて雰囲気では一歩譲ります。肝だけは押さえられたこともあり、物足りなさは特に感じませんでした。
ふと思い出したのは十年前の出来事です。自分の車で冬の北海道へ渡るという、空前絶後の活動の帰り道でした。那覇を含め、全都道府県の県都を車で訪ねるという、一世一代の道楽に明け暮れた年の、集大成になるべき活動でもありました。最後に残った仙台市で牛タンをいただき、光のページェントを観賞して締めくくるつもりが、度重なる寄り道がたたり、秋田で早々と日が暮れてしまい、盛岡を出て仙台へ向かうや疲労が噴出。途中で何度も仮眠をとりつつ、やっとの思いでたどり着いたのは、草木も眠る丑三つ時でした。当然ながら、欅並木の明かりはとうに消えています。人っ子一人いない定禅寺通で記念撮影だけ済ませ、再び東北道に乗って帰ったのでした。今では到底できないであろう、若かりし頃ならではの思い出です。
あのときに比べれば、仙台に一泊して翌日帰ればよい今回は気が楽です。最後まで満喫して締めくくります。
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 一隆

2019-12-30 20:35:16 | 居酒屋
予報通りに雨は上がってくれましたが、気温は5度を超えることすらありませんでした。仙台市街も3.5度しかありません。厚手の雨合羽とダウンのインナー組み合わせた耐寒装備で国分町へ出てきました。
仙台にもう一泊していくにあたって、未知数だったのが飲食店の正月休みです。大晦日は多くの店が休むとしても、その前日ならそこそこ開いてはいないかという期待がありました。しかし「雅」に電話を入れるも繋がりません。八時過ぎでは「太助」も終わっている頃です。次なる候補として浮上したのは「一隆」の分店でした。開いている可能性は決して高くないものの、来年限りでの閉店は決まっており、行ける機会はあとわずかです。万が一でも開いていればと、一縷の望みをかけて雑居ビルの階段を昇りました。その思いが通じたか、行灯がついており救われるという顛末です。
今生の別れのつもりで訪ねたところ、あと一年延びたと聞いて、拍子抜けするとともに安堵したのが先月のことでした。短い間隔での再訪ならば、趣向を変える余裕が出ます。注文したのはハーフタンです。前からそうだったかどうか、当店には四種類の牛タンがあります。柔らかい部位を中心に使った牛タン焼を基本にして、さらに柔らかい部分を使ったソフトタン、硬い代わりにお手頃なハードタン、中間的なハーフタンという品書きです。前回いただいた牛タン焼は上々だったものの、歯応えのある部分も一度試してみたいという考えは残りました。それを早速実行に移す機会が訪れたことになります。
こうして出てきたハーフタン、一目見て切り分けが全く違います。分厚く、なおかつ一口大に切り分けた牛タンは、「一隆」本来の牛タンとも、「太助」「雅」などなじみの深いところとも全く違う独自の味です。もっと早く出会えていればと仮想させられました。

その一方で淋しさを感じさせる場面もありました。閉店までの日数に代わって掲げられていたのは、年明け以降の営業に関する告知です。文面にはセミセルフなる聞きなれない文字があります。よくよく見ると、手伝いのお姉さんを入れずに親方一人で営業し、酒については自己申告制にして、おしぼりも各自で用意してもらうという内容です。それでもいいという御常連だけに来てもらい、最後の一年を締めくくろうということでしょうか。
それに加えて気付いたのは、壁一面を埋め尽くしていた色紙が片付けられていることです。玄関の前の段ボール箱にそれらが収められていて、お譲りするとの貼り紙がありました。来るべき店仕舞いに備え、現代風にいうなら「終活」を始めたということでしょうか。
この店の牛タンを、あと何度もいただけるわけではありません。貴重な機会がもう一回増えたという点で、帰りを延ばしたのは正解だったといえそうです。

一隆 国分町店
仙台市青葉区一番町4-4-11
022-261-1007
1800PM-2100PM(LO)
日祝日定休

浦霞
お通し(温奴)
牛タン焼定食
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 迷ったら買え

2019-12-30 20:17:50 | 東北
寄り道を繰り返すうちに時間が切迫してきました。高速料金が割高な平日とはいえ、もはや四の五の言っていられる場合ではありません。不本意ながらも白石から東北道を飛ばして仙台に到着。出発から700km弱走ったところで本日の走行は終了です。走行を終えるということは、このまま泊まるということに他なりません。昨日あたりから温めていた秘策でもあります。
会津から走り、ページェントだけ観賞して帰ったという経験は何度もあります。昨晩会津に泊まった時点では、そうすることが暗黙の前提でした。しかし今回に限り、明日の朝までに必ず帰らなければならないという制約はありません。暗い中を延々飛ばし、深夜に帰着したところで、明日の昼まで寝ているのが関の山です。ならば仙台にも泊まっていき、明るくなってから走ればよかろうと考えたのでした。
さすがにきりがないとは思ったものの、この局面においても「迷ったら買え」の原則に従ったということです。会津と同様、一泊してよかったと思える結果につながれば幸いに思います。
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 桑折駅

2019-12-30 19:08:36 | 東北
続いては桑折駅を定点観察していきます。旧伊達郡役所に続き、ここでも思わぬ光景に出くわしました。駅前が煌びやかな電飾で彩られていたのです。しかもその仕掛けが秀逸です。駅舎の象徴でもある大きな三角形のファサードの頂点から放射状に何本もの電飾が伸び、駅舎に向かって左側に建つ街灯にも同様の電飾が施され、あたかもツリーが対になっているかのように見えるという仕掛けです。おそらく年末に限ってこうしているのでしょう。今回ならではの収穫です。
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 旧伊達郡役所

2019-12-30 18:43:08 | 東北
飯坂から走ってきた県道が、国道4号線と合流する手前にあるのが旧伊達郡役所です。和洋折衷の洋館が照明に浮かび上がっているのを見て、咄嗟に車を止めました。桑折の駅から走っていくと、正面に見えてくるのがこの建物です。しかるに前回気付かず通り過ぎたのは、時間が遅くて消灯されていたためでしょうか。夜の姿もよいものです。
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 天王寺穴原湯

2019-12-30 18:08:32 | 温泉
猪苗代から国道115号線で土湯峠を越え、下山後はフルーツラインこと県道5号線で福島市街を迂回。飯坂温泉にも寄れて一石二鳥という寸法です。今回は天王寺穴原湯を訪ねます。
駅から徒歩圏外ということもあり、飯坂に九つある共同浴場の中で、唯一未踏だったのがこちらです。車で訪ねた前回も閉館時刻が迫っていたため、手早く入れることを重視し八幡の湯に入りました。その借りをようやく返せたことになります。
飯坂の浴場で最も典型的なのは、コンクリート平屋建ての一軒家ですが、こちらは全くの別物です。川沿いの道から一段上がったところに鎮座する三角屋根の建物は、一見すると公民館のようでもあります。板の間の休憩室も、よそではお目にかかれません。ツーリングマップルにも載っているのは、湯上がりに一息つける休憩室が、ライダーにお誂え向きだからなのかもしれません。

★天王寺穴原湯
福島市飯坂町湯野湯尻25-5
024-542-0400
600AM-2140PM(最終受付)
入浴料200円
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 龍ヶ沢湧水

2019-12-30 15:11:44 | 東北
会津盆地を後にして、車を東へ走らせてきました。最後に立ち寄るのは龍ヶ沢湧水です。
坂下と喜多方にも寄りたいところではあったのです。しかし、若松に長居しすぎたのが響いて、喜多方にまで寄った場合、あちらを出るのが早くとも五時頃になると予想されました。そのまま帰るなら頃合いの時刻とはいえ、今回は仙台まで足を延ばすという特殊事情があります。しかも、今日はあいにく高速料金の休日割引もありません。一般道で向かうということになると、あちらへ着くのが相当遅くなる可能性もあります。その結果、未練はありながらも先を急ぐことにした次第です。とはいえ、秋に訪ねる機会を逃し、今年はこのまま終わりかねないところだっただけに、土壇場で再訪の機会を作れたことについては満足しています。
例年ならば雪に埋もれるこの一帯にも、今回は全く雪がありません。寒さについてはそれなりでも、雪については例年になく少ないのが今季の特徴といえそうです。次に戻ってくるとすれば早春の頃でしょうか。この眺めがどう変わっているかを楽しみにしておきましょう。また来年…
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 柏屋

2019-12-30 14:29:13 | B級グルメ
続いては柏屋で薄皮饅頭を土産に買います。試食用と称して、毎回おまけをくれるのが当店の特徴です。店内の一角に設えられたテーブルで、温かいお茶とともにいただくのがささやかな楽しみの一つでもあります。本日のおまけは前回と同様、職人手作りという触れ込みの薄皮饅頭でした。

★会津柏屋
会津若松市一箕町亀賀字藤原171-1
0242-25-0424
900AM-2000PM
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 渡辺宗太商店

2019-12-30 12:47:31 | 酒屋
昨日は国道252号線を経由して市街に入ったため、今回の道中で駅前に寄るのは初めてです。続いては渡辺宗太商店を訪ねます。
会津の地酒がもてはやされるようになってからというもの、この店がますます繁盛していることは以前も述べた通りです。年末という条件が拍車をかけたか、今日に至っては駐車場で警備員が誘導をしています。店内に入るや、10名にはなろうかという先客が、支払いのため列をなしている光景に面食らいました。このようなことが頻繁に起こっているとすれば、いずれ駐車場を拡張する必要が出てくるかもしれません。

渡辺宗太商店
会津若松市白虎町1番地
0242-22-1076
900AM-1900PM
火曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 会津若松郵便局

2019-12-30 12:14:25 | 東北
蒔絵の年賀葉書をいただいて思ったのは、風景印を入れて持ち帰ればなおよかろうということでした。幸いにも郵便局は目と鼻の先です。ついでに寄っていくことにします。
世間は正月気分でも、暦の上では平日です。窓口は郵便、貯金のいずれについても開いています。ただし、圧倒的に混んでいるのは郵便の方です。年の瀬を実感する光景でした。
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 関漆器店

2019-12-30 11:53:35 | 東北
続いては関漆器店を訪ねます。この店に寄るというと贈答品を買う場合がほとんどで、手元に残っているものはわずかです。その中で最も愛用してきたものの一つに「忖度」の盃があります。物をなかなか捨てられない性分だけに、無闇に酒器を集めるつもりはないものの、もう一つならよかろうと思い立ち、年末の挨拶がてら立ち寄った次第です。
過分なおまけをしてくれるのは相変わらずです。正月用の祝い箸とともに頂戴したのは蒔絵の年賀状でした。毎年細々と作ってきたものが、TVで取り上げられた途端に売れ出して、今年は残りわずかだというのが店主の弁です。貴重な残りの一枚をいただくのが恐縮ではありますが、新元号下で初となる年賀状でもあります。よい記念の品ができました。

関漆器店
会津若松市中央1-4-12
0242-25-0151
900AM-1800PM
不定休
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明かり煌めく仙台へ 2019 - 植木屋商店

2019-12-30 10:48:44 | 酒屋
続いてはおなじみの植木屋商店を訪ねます。うめや商店では「豊圀」の荒走りを選びましたが、こちらには初しぼりなるものがありました。どちらも令和初の新酒です。いかなる違いがあるのかに興味を引かれ、「國権」のカップ酒とともに買い求めました。

植木屋商店
会津若松市馬場町1番35号
0242-22-0215
930AM-1930PM
日曜定休
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明かり煌めく仙台へ 2019 - うめや商店

2019-12-30 10:30:37 | 酒屋
何度も訪ねた街であっても、盲点というべき場所が出てきます。ふと見かけた酒屋に閃くものを感じ、一旦通り過ぎながらも引き返してきました。立ち寄るのは「うめや商店」です。
噂はかねがね聞いていました。どこかの情報誌だったか情報サイトだったか、ともかくその手の媒体に、会津若松の地酒専門店として、渡辺宗太商店、植木屋商店などとともに紹介されていたと記憶します。しかるに今まで素通りを続けてきたのは、大町通りからわずかとはいえ外れているのに加えて、遠くからでも見分けられるような看板が店先にないからでしょう。今日に限ってたまたま違う路地に入った結果、今更ながら存在に気付くという顛末です。
小洒落た店舗は近年改装されたものと見受けられます。しかし、蔵と隣り合った建物自体は明らかに昔からあったものです。植木屋商店と同様、昔からの酒販店が面目を一新したのかもしれません。店内を一人で仕切る青年は若主人でしょうか。酒瓶を古新聞で包むのが会津流です。

うめや商店
会津若松市大町1-2-39
0242-22-1547
900AM-1900PM(祝日 -1800PM)
日曜定休
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