日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

小春日和の山陰へ - サンライズ瀬戸

2019-12-15 22:57:12 | 中国
中華そばをすすって駅に戻り、預けた荷物を引き取ってホームに降りると、これから乗る「サンライズ瀬戸」は入線しており、併結相手の「サンライズ出雲」が着くのを待っているところでした。例によって伯備線内での遅れが波及し、岡山を5分遅れで発車したところです。
新山口へ足を延ばして山陽路を上って行き、「サンライズ」で帰るという妙案を閃いたのは出発の三日ほど前です。翌日東京駅へ出向いた時点で、シングルは一階しか残っていないとの回答でした。幸いソロの上段が空いていたため、そちらに滑り込むという結果です。今年だけでも相当乗ってきましたが、いずれも二階または上段の、進行方向に対して右側を手配しました。眺望が全く違ってくるからです。岡山城で眺めた月は次第に昇り、見上げるような高さにあります。上端が湾曲した個室の窓なら、それを眺められるという寸法です。今回も月を旅路の友としながら帰ります。

★岡山2234/サンライズ瀬戸(5032M)/708東京
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小春日和の山陰へ - 山富士

2019-12-15 22:02:25 | B級グルメ
城下の停留所から電車に乗って駅に戻ると、9時50分を回りました。中華そばをいただくには十分な時間です。その一方で、手早く呑むならやってやれないことはないと悪魔が囁き始めました。注文を入店時の一回限りで済ませ、出てきたものだけいただけば、30分でも一応足ります。それから駅まで歩いても、発車時刻には一応間に合うという寸法です。
しかし、以前高知の「葉牡丹」で同じことをしたときは、間に合うには間に合ったものの、相当慌ただしかったという記憶があります。ましてや、あちらほど通い慣れた店というわけでもありません。注文に迷ったり、出てくるまで思った以上にかかってしまえば、終盤に慌てる可能性も十分考えられます。そうまでして一杯やりたい気分でもありませんでした。結局安全策を採り、「山富士」の中華そばをいただくという顛末です。

山富士 本町店
岡山市北区本町5-13
086-225-6147
1130AM-200AM
水曜定休
チャーシュー中華850円
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小春日和の山陰へ - 岡山城

2019-12-15 21:01:54 | 中国
岡山城は銭湯から歩いて行ける範囲です。ならば寄らない手はありません。その程度のつもりで向かったところ、思わぬ眺めに刮目しました。東の空からやや欠けた赤い月が昇り、天守閣に重なっていたのです。
何はさておき、この眺めが絵になる場所を探すしかありません。こうしてたどり着いたのは、二の丸らしき西側の一角です。着いたときにはまだ低い位置にあった月が、ほどよい位置へと昇ってきました。さらに昇ればますます様になるでしょう。
思わぬ時間を消費して、駅前で一杯やる時間は残念ながらなくなりそうです。しかし、福山で既に一杯やっており、どうしても呑み直したいほどでもありません。これに対して、岡山城と重なる月を眺める機会は一生一度の可能性もあります。ならば今しかできない方を選ぶまでです。中華そばだけすすれればよいということにして、それまで粘れるだけ粘ります。
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小春日和の山陰へ - 宝泉相生湯

2019-12-15 20:01:06 | 温泉
駅に近い範囲なら、電車は100円ぽっきりです。その100円で行ける限度の県庁通りまで乗って下車。ただし乗車だけが目的というわけでもありません。電停の近くに銭湯があると聞いていました。立ち寄るのは「宝泉相生湯」です。
北海道、北陸、京都の銭湯を端緒として、旅先の銭湯に傾倒しつつある今日この頃です。岡山に四時間滞在できる見込みとなったとき、一杯やる以外の使い道はないだろうかと考えて、浮かんできたのも銭湯でした。早速調べてみたところ、大分減ってはいるものの、電車で行ける範囲だけでも二軒あることが分かりました。そのうち一つが日曜定休だったため、必然的に狙いは定まるという結果です。
電車通りに直交する道を東へ二筋進み、路地を左へ折れたところにあり、すぐ近くには大石内蔵助ゆかりの大銀杏なるものがぽつんと立っています。暗い中でも分かったのは、集合住宅の一階に同居しているということです。つまり、比較的近年に改築されたということで、古びた銭湯の味わいはありません。脱衣所から螺旋階段が続いており、それを上がった二階にはサウナとマッサージ室もあったようです。しかし今では閉鎖され、風呂だけを続けているのが実態なのでしょう。北陸、京都の銭湯ほど賑わっている様子もありません。しかしそれでも、正月を含め年中無休の営業は天晴れです。おかげで手早く温まれたのは助かりました。

★宝泉相生湯
岡山市北区丸の内1-14-7
086-223-0650
1500PM-2200PM
入浴料430円
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小春日和の山陰へ - 罪滅ぼし

2019-12-15 18:44:05 | 中国
岡山駅で列車を降り、ロッカーに荷物を預けて駅前に降り立つと、華々しい電飾が出迎えてくれました。先週千葉で眺めた万華鏡に比べれば、どこの街角にでもありそうな電飾です。しかし、年の瀬を実感させる眺めではあります。
賢明な読者の方は、相変わらずの物好きと思われたかもしれません。今日中に帰ることも十分可能な状況だからです。福山から一本前の「のぞみ」に乗れば、乗り換えなしで帰れました。岡山で一旦降りても、最終列車が出るまでに二時間が残ります。それだけあれば駅前で呑み直すにも十分です。それをむざむざ棒に振り、一晩かけて帰ろうとするのは、取りも直さず旅情を買ったということでもあります。全国のどこへ行っても、新幹線で直行直帰する以外の手段が次々と奪われていく中、奇跡的に残った夜行列車があるならば、それを活かさない手はありません。
岡山に対する罪滅ぼしという面もありました。今年に限ってみても、「サンライズ」に乗った回数だけ岡山には寄っています。しかし、それ以外の場面で寄ったのは、四国からの一時帰京を経て今治に戻る途中の一度だけです。それも同じく乗継の合間の小一時間程度でした。毎回素通り同然の岡山へ、年内に今一度寄っておこうという狙いがあります。
今回も乗継の合間のようなものではあります。しかし、四時間あるということは、三時間しかなかった鳥取よりも多少はましです。余すことなく使い切って締めくくります。
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小春日和の山陰へ - さくら564号

2019-12-15 18:15:21 | 中国
再び新幹線に乗って岡山へ向かいます。新山口から乗ってきた列車に続き、九州所属の編成による運用です。
新幹線をとりわけ割高に感じる、数十kmという距離です。普段なら普通列車で行くところでした。そうすれば、115系か117系のいずれかに乗れ、一石二鳥だったのです。しかるに料金を奢ったのは、乗継割引のからくりによります。新山口から新幹線に乗り継いだことにより、「スーパーおき」の料金は半額でした。福山から岡山へ新幹線で移動すると、今度は「サンライズ」の特急料金が半額になります。浮いた分を差し引くと、岡山までの新幹線は実質的にただ同然です。ならばその恩恵に与って、岡山での滞在時間を延ばそうと考えた次第です。

★福山1815/さくら564(564A)/1831岡山
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小春日和の山陰へ - 自由軒

2019-12-15 17:12:48 | 居酒屋
福山で下り、脇目も振らずに駅前通りを歩きました。目指した先はもちろん「自由軒」です。
前回ここを訪ねたとき、開店直後にもかかわらず、ほぼ満席の盛況に驚きました。県外から来たらしきお客も散見され、御多分に洩れず口コミサイトの影響が窺われました。日曜の夕方という条件も考えると、あのときと同じかそれ以上に混み合う可能性は十分です。しかしそれどころの問題ではありませんでした。
暖簾の奥をのぞいた時点で、カウンターは隙間なく埋まっているように見えました。とはいえ、しばらくやり過ごしたところで、状況が劇的に変わるとも思われません。ままよとばかりに飛び込むと、満席という無情の返答が。しかし、すぐにまた再訪できる店ならともかく、今回ばかりは引き下がれません。待ちたい旨を申し出て了承され、10分ほど経ってからようやく席に着くという顛末です。
席が空くのを待つ間に、ホワイトボードと短冊を一通り眺め、何をどの順番で頼むかにつき、おおよその見当をつけておきました。しかしそれは見直しを余儀なくされることになります。自分の後にも切れ間なくお客が訪れ、片付けが済むのを待って入るという場面が繰り返されました。それを見て、無闇に長居をするよりも、手早く済ませて席を譲るのがあるべき姿のように思えたとでも申しましょうか。おでんを肴に酒を一合空けたところで、もう一杯を見送って、真打に据えるつもりだったカツカレーを注文。味噌ダレをかけていただくおでんとともに、この店で是非ともいただきたかったのが、他ならぬこのカレーでした。記憶していたほどの辛さではない代わりに、上等なウスターソースを煮詰めたような、果物と野菜の旨味を凝縮した味わいが広がります。果物の風味を生かしたカレーというと、なじみの深いところでは籠太カレーです。しかし、無性にいただきたくなる中毒性という点では、むしろこちらの方が上かもしれません。酒については一杯限りで終わったものの、このカレーをいただけただけで十分です。待ちわびた味は格別でした。

自由軒
福山市元町6-3
084-925-0749
1100AM-2200PM
火曜定休

天寶一
豆腐
ロールキャベツ
カツカレー
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小春日和の山陰へ - さくら558号

2019-12-15 16:30:16 | 中国
鳥取以上のお粗末さではありましたが、小一時間の滞在を経て切り上げました。あとは山陽路を上って帰ります。ただしまっすぐ帰るわけではありません。福山と岡山に寄ってから「サンライズ」に乗り継ぎます。
もう一つの選択肢として、さらに下っていくというものがありました。下関の「三枡」で一献傾けた後、115系と500系を乗り継いで、岡山から先については同様です。しかし、それは九州からの帰り道に何度も採った行程でもあります。今しかできない方を選ぶという基準に照らし、福山の「自由軒」で久々に一杯やろうという寸法です。

★新山口1551/さくら558(558A)/1645福山
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小春日和の山陰へ - 新山口駅

2019-12-15 15:20:19 | 中国
一年のうちに全都道府県を巡るという道楽を、十数年来続けてきました。しかし、毎年悩ましいのが山口県山口市をどうするかです。足跡を残しただけで満足していた頃と違い、近年はむしろそれぞれの土地で何をするかに関心があります。試行錯誤を続けた結果、一見すると何もない街であっても、見所は必ず出てくるということに気付いてきました。しかるに唯一どうにもならなかったのが山口市です。まず、県庁所在地駅が支線にあるという、全国的にも珍しい立地により、汽車旅の途中に訪ねるという芸当が困難です。さりとて、本州の西の果てまで自走する機会は久しくありません。その結果、近年は一応市域に属している新山口駅にだけ寄り、せめてもの罪滅ぼしとする場合がほとんどです。
山口駅を経由した今回は、久々に市街を訪ねてみるよい機会でした。雨に降られた去年と違って天候は快晴、しかも旅程が詰まっているわけでもありません。駅前で自転車を借り、市街を走ってみるのも一興だったのです。それをむざむざ見送ったのは、日の入りまで二時間ほどしかなかったという事情によります。三時間以上あった鳥取でさえ、終わってみれば中途半端でした。ましてやほぼ初見に近い山口に、二時間ほどしかいられないなら、ますます半端になるだろうと考えました。こうして今年も新山口にだけ寄って終わりという、お粗末な結果となったわけなのですが、これでよかったのかもしれません。今ならではといえるものがあったからです。
先年の橋上駅舎化に伴い、この駅が面目を一新したことについては、このblogにも何度か綴った通りです。その中でも先行して完成した、市街の側と新幹線側を結ぶ自由通路に、来るべき聖夜にちなむ装飾が施されていました。絵を描いた透明のフィルムを窓に貼り付けるという、文字で綴ればごくささやかなものでした。しかしこれが上々です。大きな連続窓の向こうから西日が射し込み、直下にある線路の軌跡を描いた洗い出しの床に、フィルムの絵が影絵のように映し出されるのです。こうなることも見越した上での設計だとすれば、天晴れというほかありません。
もう一つ気付いたのは、後から完成した市街側の部分に、空中庭園とでも形容したいウッドデッキの一角があることです。橋上駅舎としては相当凝っている、しかし大分、熊本の両駅には及ばないと今まで思っていましたが、少なくとも互角という評価に修正する必要がありそうです。
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小春日和の山陰へ - スーパーおき3号

2019-12-15 12:50:00 | 中国
年に一度は訪ねている松江と違い、さらに西へと下っていく機会は激減します。去年の今頃、九州へ向かうべく山陰本線、山口線を下ったのは、自分にとってかなり貴重な経験でした。その時点では、翌年も同じ経路をたどるなどと、全く思っていなかったのが実情です。しかし、何分乗り慣れない区間だけに、依然として新鮮な経験には違いありません。去年に続いて乗車したのは鳥取から来た「スーパーおき」、松江から先の区間に限っても、新山口まで250km以上を五時間近くかけて走る、在来線では今や貴重な長距離列車です。1時間40分かけ、只今浜田に着きましたが、それでもまだ半分に満たないという事実が、旅路の長さを物語ります。
松江を出た頃から薄日が射し、先へ行けば行くほど晴れてきました。現在地では雲一つない快晴です。先へ行けば行くほど曇り、やがては雨が降り出した去年とは好対照の車窓が展開しています。この先の区間も楽しみです。

★松江1110/スーパーおき3(3003D)/1457新山口
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小春日和の山陰へ - 松江城

2019-12-15 11:00:17 | 中国
昼前に松江を出るなら、そう遠くへは行けません。今回は松江城だけ行ければよいと思っていました。一時間少々かけて周辺を巡ってから自転車を返却。荷物を引き取り宿を出るという顛末です。
結局日が射すことはありませんでした。ようやく薄日が射してはきたものの六日の菖蒲です。去年滞在したときに、短い間とはいえ晴れたことを考えると、格落ちだったといえなくもありません。それでも、石垣、櫓と紅葉が重なる、印象的な場面を切り取ることができました。去年観たのと全く同じ楓だったにもかかわらず、このような眺めもあるとは気付きませんでした。晴れると逆光、あるいは日陰になってしまい、撮りようがなかったのかもしれません。そうだとすれば、曇ったことがむしろよい方向に働いたということになります。一晩心ゆくまで呑めたことを含め、短いながらも満足できる滞在でした。もう一泊したかったというないものねだりは腹に収め、限られた時間を満喫できたことに感謝します。また来年…
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小春日和の山陰へ - 松江シティホテル

2019-12-15 08:58:19 | 中国
依然として晴れる気配はありません。しかし、これ以上引き延ばしても持ち時間が削られるだけです。見切りをつけて出発します。昨晩世話になったのは松江シティホテルです。
駅前と市街が離れた街に泊まる場合、どちらに宿をとるかという問題が出てきます。駅前にも繁華街がある富山のような例外を除けば、市街に宿をとった方が当然ながら便利です。今回のように、翌日しばらく滞在してから出る場合には、駅との間を一往復すれば済む市街の宿の優位性がより高まります。ただし、自分が日頃世話になる低料金のビジネスホテルについていえば、駅周辺で探した方が選択肢は広がるものです。昨晩の松江においても同様でした。駅前では大浴場付き、なおかつ朝食付きのところに格安で泊まれる一方、市街に同等の宿はなく、料金、風呂、朝食のうち少なくとも一つについては妥協が必要だったのです。松江の場合、駅と市街がそこまで離れているわけでもありません。利便性が若干落ちてもやむなしという方向に傾いていました。ところが、鳥取を出てから再度調べたところ、市街にあるこちらの宿に、駅前とほぼ同じ価格帯で空きが出たため、すかさず押さえるという顛末です。

松江大橋の北詰という、飲み歩きに好適なのはもちろんのこと、交通の便、雰囲気、景観どれをとっても申し分ない最高の立地です。何度も前を通っており、存在も当然認識していました。しかし、予約サイトで見る限り、不可解だったことがあります。温泉完備を謳っているにもかかわらず、大浴場がないのです。引湯をして各部屋に給湯しているらしいのですが、せっかくの温泉もユニットバスでは宝の持ち腐れです。風呂のことだけを考えれば、展望大浴場がある駅前の宿の方が上でした。それでもこちらを選んだのは、宿泊料がほぼ等しく、ただ同然で朝食もつく上に、利便性では上回ったからに他なりません。特に、翌日の行動を考えると、自転車を無料で借りられるという特典が非常に大きく、これが最終的な決め手となりました。
そのようなわけで、立地と料金と自転車が決め手だったということになります。言い換えると、その他については特に期待をしていなかったわけなのですが、幸いにもよい方向に外れました。まず館内の造りが意外に凝っています。特に変わっているのが、一階に古時計の展示室があり、各階の共用部にもいくつか展示があることです。おそらく館主が収集したものなのでしょう。タイルを使って描かれた案内表示、ステンドグラス風の照明を含め、無味乾燥なビジネスホテルとは一線を画す、さりげない遊び心を感じさせる造りです。
300円という値段にもつられ、朝弁当なるものもいただいてみました。値段なりのささやかなものではありましたが、スーパーで同じものを買ってもこの程度の値段はするでしょう。つまりほぼ実費ということです。大浴場も食堂も設けず、このような仕組みにしているのは、何もかも自室で済んだ方が便利という館主の方針の表れなのでしょうか。ユニットバスで浸かる温泉はともかく、弁当はあながち悪くありません。上層階の角部屋が割り当てられ、松江城と宍道湖を両方眺められたのも幸運でした。
あくまでビジネスホテルだけに、居心地は去年泊まった野津旅館に一歩譲ります。しかし、この値段でこの内容なら、総合点ではむしろ上かもしれません。宿泊事情が逼迫しやすい土地柄、いつでも泊まれる保証は全くないものの、今後のためにも覚えておきたい宿でした。
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小春日和の山陰へ - 二日目

2019-12-15 07:58:21 | 中国
おはようございます。今回の旅は看板倒れに終わるかもしれません。表題に小春日和と掲げたにもかかわらず、今のところ晴れる見込みがないからです。
出発前は、土日のいずれも晴れるかのような予報が出ており、表題もそれに由来します。ところがいざ蓋を開けると、土曜については曇か雨に変わりました。その時点では翌日、つまり今日から晴れるとされたものの、目覚めたときには曇り空が広がっていたという顛末です。
昼頃から晴れるというのが最新の予報です。しかし、11時過ぎの列車で出るため、それでは六日の菖蒲ということになります。回復が早まってくれると期待したいものです。
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