必要は発明の母と申します。旅においても然りです。試行錯誤を続けた末に妙案が閃きました。
今年に入って未踏、または実質未踏となっている場所を都道府県単位で挙げると、群馬、鳥取、島根、熊本、宮崎の五県があります。山口も県都については未踏です。残り三度の週末を使い、これらを訪ねるわけですが、最も悩ましかったのは山陰をどうするかでした。というのも、今週末の一泊二日で終わらせるしかないからです。
経験上、一泊二日でどうにかなるのは近畿までです。それより遠い目的地に一泊限りで行くとなると、現地での滞在時間が足りなくなり、行って戻っただけという結果になりがちです。山陰でもその傾向が顕著に認められたことから、三年前は隠岐を含む三泊を割り当てました。翌年も二泊とし、以後恒例化していこうとその時点では思っていました。ところが、去年は年末まで持ち越したことによって日程が詰まり、九州への行きがけに一泊するのが精一杯でした。
残念ながら、今年も二泊以上を捻出する余裕はありません。しかも去年と違うのは、九州への遠征に組み込む余裕もないことです。これは天皇誕生日がなくなったことの影響でもあります。山陰と九州の掛け持ちを、去年なら休みを二日加えれば実現できたのに対して、今年は三日が必要です。しかるに、10月以降休みを連発したことにより、さらに三日も使ってしまうと、来春までの活動を乗り切ることができません。年末にあった祝日の効用が、自分にとっていかに大きかったかを思い知らされました。
一泊で山陰へ行って戻る場合、とりわけ問題なのが二日目でした。松江まで往復する行程を前提にすると、現地に時間の許す限り滞在しても、二時台までがせいぜいです。しかも、その後は来た道を引き返して新幹線に乗り継ぐしかなく、最後に一杯やる時間も残りません。さりとて早々と出発すれば、行って戻っただけという性格が一層強まり、何のために行ったのかという一抹の空しさが残ります。それをどうにかするために考えたのは、「サンライズ」で帰るという試みです。
ただし、「サンライズ」で帰るとはいっても、現地からそのまま乗るわけではありません。松江に一泊した後は、去年と同様山陰本線と山口線を下っていき、新山口からは山陽新幹線を上って、岡山から「サンライズ」に乗り継いで帰ろうという算段です。これにより、在来線では今や貴重な長距離列車の旅を再現できるだけでなく、九州への行きがけに寄るつもりだった山口を先取りでき、さらには一杯やってから夜行列車で帰れるというおまけもつくため、単なる往復よりもはるかに充実します。「サンライズ出雲」に全区間乗ってみるのも一案ではありましたが、変化に富む行程という観点ではこちらが上です。これで俄然面白くなってきました。
今年に入って未踏、または実質未踏となっている場所を都道府県単位で挙げると、群馬、鳥取、島根、熊本、宮崎の五県があります。山口も県都については未踏です。残り三度の週末を使い、これらを訪ねるわけですが、最も悩ましかったのは山陰をどうするかでした。というのも、今週末の一泊二日で終わらせるしかないからです。
経験上、一泊二日でどうにかなるのは近畿までです。それより遠い目的地に一泊限りで行くとなると、現地での滞在時間が足りなくなり、行って戻っただけという結果になりがちです。山陰でもその傾向が顕著に認められたことから、三年前は隠岐を含む三泊を割り当てました。翌年も二泊とし、以後恒例化していこうとその時点では思っていました。ところが、去年は年末まで持ち越したことによって日程が詰まり、九州への行きがけに一泊するのが精一杯でした。
残念ながら、今年も二泊以上を捻出する余裕はありません。しかも去年と違うのは、九州への遠征に組み込む余裕もないことです。これは天皇誕生日がなくなったことの影響でもあります。山陰と九州の掛け持ちを、去年なら休みを二日加えれば実現できたのに対して、今年は三日が必要です。しかるに、10月以降休みを連発したことにより、さらに三日も使ってしまうと、来春までの活動を乗り切ることができません。年末にあった祝日の効用が、自分にとっていかに大きかったかを思い知らされました。
一泊で山陰へ行って戻る場合、とりわけ問題なのが二日目でした。松江まで往復する行程を前提にすると、現地に時間の許す限り滞在しても、二時台までがせいぜいです。しかも、その後は来た道を引き返して新幹線に乗り継ぐしかなく、最後に一杯やる時間も残りません。さりとて早々と出発すれば、行って戻っただけという性格が一層強まり、何のために行ったのかという一抹の空しさが残ります。それをどうにかするために考えたのは、「サンライズ」で帰るという試みです。
ただし、「サンライズ」で帰るとはいっても、現地からそのまま乗るわけではありません。松江に一泊した後は、去年と同様山陰本線と山口線を下っていき、新山口からは山陽新幹線を上って、岡山から「サンライズ」に乗り継いで帰ろうという算段です。これにより、在来線では今や貴重な長距離列車の旅を再現できるだけでなく、九州への行きがけに寄るつもりだった山口を先取りでき、さらには一杯やってから夜行列車で帰れるというおまけもつくため、単なる往復よりもはるかに充実します。「サンライズ出雲」に全区間乗ってみるのも一案ではありましたが、変化に富む行程という観点ではこちらが上です。これで俄然面白くなってきました。