日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

最後の冬

2019-12-11 23:08:36 | MOS
先日千葉のMOSに寄ったとき、ふと思い出したことがあります。一昨年帰りがけに寄った鎌ヶ谷の店舗のことです。千葉大学前店に寄って締めくくるのが常のところ、そのときはかなり時間が余ったため、新規にできた八千代の店舗をついでに訪ね、その足で鎌ヶ谷にも寄ってから帰ったのでした。
当時の記録にも綴った通り、聖夜にまつわるささやかな思い出が残る場所でもありました。そのとき以来十五年ぶりの再訪を果たし、実に感慨深かったのが思い出されます。しかし、その後の動静を調べようとして、残念な現実を知ることとなりました。去年の四月に閉店したと分かったのです。
結果的には、あれが最後の冬だったことになります。ついでにいえば、初めて訪ねたあのときが、店にとっても最初の冬だったようです。そのことが分かったのは、地元の情報サイトのおかげでもあります。店頭に掲げられた閉店の告知を収めた画像から、15年半営業していたことが分かり、それによりあれが最初の冬だったことも推し量れるという仕掛けです。
数えたことはないものの、長年訪ね歩いてきたMOSのうち、今日まで残っているのは半分あるかどうかといったところでしょう。少なくとも数百軒単位の店舗が失われたことになります。しかし、閉店の挨拶文をこの目で見た経験は一度しかありません。それだけに、自分にとって一方ならぬ思い入れのある店舗の最期を、このような形とはいえ知ることができたのは、ある意味幸運だったということもできます。最初と最後の冬に訪ねたことを含め、偶然の一言では片付けられない巡り合わせを感じずにはいられません。記事の寸評にもある通り、店主の想いが伝わってくる名文です。一年遅れで受け取れたことに感謝します。
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