日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 19:09:51 | 東海
二軒目までの道すがら大須観音を通りがかったところが、境内に何事かと思うほどの人が出ており、そのうち太鼓と三味線が鳴り出しました。おそらくは「名古屋まつり」の催し物の一つなのでしょう。本来人混みは好きではありませんが、露店の明かりが灯る華やいだ空気はあながち悪くありません。しかもその露店が串カツと土手焼きなのが旅情を誘います。
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 17:48:00 | 居酒屋
再び伏見にやってきました。店先では三名ほどの先客が待ってはいるものの、この程度の人数ならなんだかんだで入れるのは経験上分かっています。さほどの待ち時間もなく一階中程に案内されて、無事入店となったところで一気に安堵感が押し寄せ、おまけに喉も渇いてきました。一杯目は思わず生ビールを注文します。

出遅れた以上仕方ないこととはいえ、肴の売れ行きは想像を超えるものがあり、前回食して秀逸だった焼穴子も、八丁味噌をかける葱ぬたも残念ながら品切れに。数少ない品の中から、やはり前回食したもろこの佃煮と昆布の煮付け、それに冷蔵ケースから鰺の姿造りを選びます。ほどなくするとお客が引け出し、やがては暖簾がしまわれました。六時を少し回ったところで売切御免とは驚くほかありません。少なくとも土曜に関する限り、この店には開店前から並んで入るのが絶対条件なのでしょう。
もっとも、暖簾を下ろした店に常連客が三々五々現れて空いたテーブルに陣取り、慣れた手つきで酒を汲んでいます。その所作からして、開店直後の混雑を避け、品が少ないのを承知で遅めの時間を狙ったかのようです。なるほどこんな使い方もあるのかと納得させられました。

それとともに今回気付いたことが二つあります。一つは、テーブルに並んだ肴の一つ一つが濃いめに味付けされ、冷めてもおいしく、なおかつ酒が進むように工夫されていることです。たとえば筍を味噌と青唐辛子で和えたものなど、一見するとごく普通の家庭料理のようにも見えながら、立ち上る味噌の香りとさわやかな辛みが酒に合い、素人には真似のできない老舗の味といった感があります。
もう一つ気付いたのは、酒が冷めにくいということです。二合近く入る大徳利とはいえ、最後の一滴までほどよい温度が保たれています。一口に湯煎をするといっても、ぬるい湯で時間をかけて燗した方が冷めにくいとは教祖の弁です。その教祖が絶賛する羽釜を使った燗付け場が、適温を保ち続ける燗酒の秘訣なのかもしれません。

やはり、名店には何度も通って分かるよさがあるものです。願わくは多少なりとも時間と席に余裕のある平日に訪れ、よりどりみどりの肴を選んでみたいものです。

大甚本店
名古屋市中区栄1-5-6
052-231-1909
1600PM-2100PM(売切御免)日祝日定休

一番搾り・賀茂鶴三合
鰺刺身
惣菜四品
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 16:45:21 | 東海
名古屋に戻り、宿に入って一息つきました。
大甚はどうしたとお思いかもしれません。実は、開店後10分少々経ってから乗り込んだところが、店の外に待ち客があふれて取り付く島もなかったたため、一旦引き上げてきた次第です。
前回訪ねたときは、あわや満席の大盛況だったとはいえ、先客の席を詰めるなどして何とか入れてもらえただけに、これほど混むとは予想していませんでした。なんでも今日は「名古屋まつり」なるものが開かれているそうで、広小路が通行止になるなどただならぬ状況だったため、その弊害という可能性はあります。おそらく今日は、開店前から並ばない限り入店できなかったのでしょう。しかも、わずか10分にしてあの大店から人があふれるということは、どれだけ長い列ができていたのでしょうか。
ラーメン屋ならともかく、呑み屋の開店直後ではさすがに手のつけようがありません。最初に入ったお客が引ける頃を見計らって再挑戦します。もっとも、前回は五時台で早くも肴の品切れが出始め、六時半には暖簾がしまわれていたため、あまり悠長にしてはいられません。聖地を巡礼するのも大変ですorz
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 14:49:39 | 東海
ほどよい時間になったところで散策は終了。この後は犬山経由で名古屋へ向かいます。上小田井から鶴舞線に乗り継げば、大甚のある伏見まで直行できるという寸法です。

それにしても、岐阜とはつまらない街だと改めて思います。そして、今回多少なりとも時間をかけて歩いたことにより、何がつまらないかがようやく分かりかけてきました。一言でいうなら個性がないということであり、これは三重県の津市についても同じことがいえます。
たとえば近畿の県庁所在地についていえば、京阪神の三大都市はもちろんのこと、東海道の宿場と琵琶湖のある大津、古都である奈良、城と中華そばがある和歌山など、それぞれに明確な個性があるものです。これに対して関東では、さいたま、千葉、前橋など無個性な県庁所在地がいくつかあります。岐阜と津は紛れもなく後者の部類に属するということが、今回訪ねたことによって明確になりました。これではつまらないもの当然だと納得している次第です。
もっとも、往年の名曲にも歌われた柳ヶ瀬の商店街が、やはり津と同様いい具合に古びており、これだけは一見の価値ありというのが実感です。酒屋に丸窓電車に中華そばなど、少ないながらネタがあることも分かりました。どんな街にも一つや二つ見所があると分かったのが、二時間半にわたる岐阜滞在の収穫といえそうです。
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 13:49:18 | B級グルメ
大甚を二時間後に控える中、若干の迷いはありながらもここでお昼をとります。選んだのは岐阜では知らぬ者がいないという中華そばの老舗、「丸デブ総本店」です。
この店は少々変わっています。まず、店構えと店内はまさに蕎麦屋のそれです。その中華そばというのがこれまた変わっており、そばつゆのような濃い色のスープをあふれんばかりに注ぎ、蒲鉾を載せた見た目は、丼を含めラーメンというより日本そばのようです。実際のところ、縮れのない麺は駅そばのふやけた麺のような見た目をしており、実際の味と食感も見た目通りでした。チャーシューが乗っていることを除けば、何から何まで日本そばであり、これのどこが中華そばなのかというのが自身の印象です。
もっとも、この風変わりな食感を楽しむものだと思えば、これはこれで悪くありません。加えて、歯切れのよいおばちゃんが接客をこなし、奥の厨房で職人二人がきびきび働く様子は、中華そばとワンタンの二品のみという潔い品書きを含め、松山の鍋焼きうどんの名店「アサヒ」「ことり」を彷彿とさせます。昼時を過ぎたというのに地元客が三々五々暖簾をくぐるところからして、根強い人気のほどが一目瞭然です。岐阜へ来たことを強く実感させてくれるという点では、ある意味これ以上の品はないでしょう。

丸テブ総本店
岐阜市日ノ出町3-1
058-262-9573
1100AM-1800PM(売切御免)6・16・26日定休
中華そば400円
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 13:19:40 | 東海
予想通りに何もない岐阜市街ですが、公園の一角に丸窓電車が鎮座しています。しかも車内が開放中というおまけ付きです。一時から五時まで開放との掲示があり、まさに絶妙の頃合いで通りがかったことになります。この電車が見られただけでも、わざわざ岐阜へ来た甲斐はありました。
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 12:43:01 | 酒屋
自分が旅先で立ち寄る酒屋のほぼ全ては、事前情報に頼らずたまたま発見したものです。これは、事前調査をして訪ね歩けばそれこそきりがないという理由によります。加えて、居酒屋と同様、酒屋の善し悪しは実際に訪ねてみなければ分からないという面が大きく、なおかつ自力で見つけた店の方がより愛着が湧くということもあります。
しかし、本日立ち寄る酒屋は、例外的に下調べをしてから訪ねました。というのも、岐阜でのネタがあまりに乏しく、何か立ち寄り場所はないだろうかと思ったとき、大津鳥取佐賀などの例からして、駅の近くに酒屋の一軒でもあればよさそうだと考えた次第です。このような経緯から当たりをつけたのが「酒の中島屋」でした。

情報を手がかりに所在地へ向かって歩くと、そこにあったのはいかにも昔からある町中の酒屋然とした一軒の店です。白岳仙獺祭の垂れ幕が下がっていることからして、期待できそうだという気配はあるものの、躊躇なく飛び込むほどのただならぬ気配はありません。店内をのぞき込んでも、まあこんなものかといった雰囲気で、やはりただならぬ名店という印象はなく、素通りという選択肢も浮上してきます。しかし、岐阜における希少なネタの一つということもあり、意を決して暖簾をくぐった次第です。そして結果的には、見た目以上によい店でした。
右側の壁一面に酒が、左側にその他の酒が陳列され、冷蔵された酒と常温の酒が半々、地酒と県外酒が一対二といったところでしょうか。県外酒は最近頭角を現わしてきた小さな蔵というより、ある程度の有名どころが中心です。一方、地酒は都会で聞き慣れないものが揃い、ここはさすが地元の酒屋といった感があります。おばちゃんのすすめに従い、自身初見となる西濃の酒を選ぶと、左手にあるウォークインの保冷室から酒が運ばれてきました。冷蔵庫はともかく、この手の保冷室まで造る店はなかなかありません。
よくよく見れば店内も昼間から薄暗く、これも酒の品質を第一にした店作りの結果でしょう。一言でいうなら、店構え以上のよい酒屋という印象を受けました。日曜定休という難点はあるものの、土曜に来たならここが岐阜市内の立ち寄り場所の定番となりそうです。

酒の中島屋
岐阜市吉野町1-1
058-262-2515
900AM-2000PM(日曜定休)
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 12:24:45 | 東海
名鉄電車に乗って岐阜に着きました。訪ねたはよいものの、ネタ探しに苦労するのは岐阜での常です。しかしそれは曜日と時間帯によるところも大きく、土曜の白昼である今回はいくつかの心当たりがあります。それらを回れば時間稼ぎにちょうどよいでしょう。
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 11:23:52 | 東海
名古屋に着きました。駅前の宿に荷物を預けて、実質的な活動を開始します。天候には何の期待もしていなかったはずが、時間が経つにつれて薄日が差してきたのはよいことです。
やや出遅れたこともあり、「リニア・鉄道館」には行かず、年に一度のやっつけ仕事で岐阜へ行くことにしました。経験上、岐阜という街にそれほどの見所があるとは思いません。しかし、近年は実質一時間前後の滞在でお茶を濁すのが常態化していたため、せめてもの罪滅ぼしに、「大甚本店」が開くまでの時間を岐阜市に注ぎ込むことにした次第です。昼から呑める酒場もあると聞いており、肩慣らしに軽く一杯引っかけるのも一案かと考えています。
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 10:13:33 | 東海
国境を越えて遠江に入りました。小田原からは熱海を除き各駅ごとに通過待ちを繰り返してきた列車が、久方ぶりに退避なしで掛川を発車しています。
通路まで立ち客であふれる「のぞみ」とは別次元ながら、品川を出る時点で窓際の席が埋まり、乗車率はどこまで行ってもほとんど変わりません。乗り通す客こそいないものの、新富士、掛川などの小駅を含め、各駅で降車客とほぼ同数が乗り込むため、なんだかんだで常時賑わっています。さすがは天下の東海道です。「こだま」で悠長に行く物好きなど自分だけかと思いきや、これはとんだ見立て違いでした。
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 09:30:49 | 東海
列車は三島を発車し新富士へ向かって走行中です。車窓越しに眺める富士山が早くも冠雪しています。10月に冠雪しているのを見たのは初めてです。天候からして何の期待もしていなかっただけに、一点の曇りもない山頂を拝めたのは幸運でした。年が明け、安定した冬晴れが続くようになったら、この富士を眺めに駿河路を旅することになるでしょう。
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居酒屋聖地巡礼 2013

2013-10-19 09:02:11 | 東海
予告通りこだま号で旅立ちます。名古屋までの所要時間は2時間48分、「のぞみ」より一時間以上も余計にかけての悠長な移動です。
今回旅支度をしていて思ったのは、一泊旅行の持ち物が実にあっさりしたものだということです。だからといって荷物が軽くなったわけではありません。着替えや手拭いなどかさばるものが少ないだけで、重い機材はそのままだからです。撮影機材が一昔前に比べて肥大化したばかりか、フィルム写真とデジタル写真を併用し、さらにはノートPCまで携行するようになったため、フル積載では長時間歩き回ることもできません。何でもかんでも積み込めるマイカーでの活動が続いただけに、今回は不自由さを感じる場面が多くなるでしょう。しかしこの不自由さが汽車旅らしくてよいのです。

★東京826/こだま639(639A)/1114名古屋
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