日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 21:36:18 | 居酒屋
腹がこなれてきたところで酒場の暖簾をくぐりました。本日訪ねるのは教祖おすすめの「どんど」です。おすすめといっても、「居酒屋味酒覧」に掲載された二軒の店ではありません。西日本の名酒場を訪ね歩いた「ひとり旅 ひとり酒」で、これらとともに紹介されたもう一軒の店がここなのです。

小浜の駅から商店街をまっすぐ進み、やがてアーケードが途切れて海へと突き当たる手前に店はあります。雑居ビルの1階にある店構えと、暖簾からのぞき込んだ店内は現代的に見え、どうやら若い店主が造った店のようです。果たせるかな、左手にカウンター一本、右手に一枚板のテーブルが三つ、その奥に半個室の掘りごたつという造りは、見立て通りに現代的でした。
このような店だけに、昨日訪ねた「紋や」のような上等な居酒屋というわけでもなければ、もともと行こうとしていた「富田屋」のような正統派の大衆酒場というわけでもなく、少なくとも店内や品書きを眺めるだけで酒が呑めるほどの店ではありません。しかし、ショーケースか何かのようにガラス板をはめ込み、内側に砂利を散らしてルアーを並べたカウンターが独特で、厨房がきれいに磨かれ、調理器具が整然と下がったところなどは気持ちのよいものがあり、少なくとも悪い店ではないということだけは分かります。
生ビールはヱビスを筆頭に黒ラベルとクリーミートップが選べ、酒は地元の「わかさ」と美浜の早瀬浦、それに黒龍が何品か揃って申し分ありません。A4一枚にまとめられた日替わりの品書きも、地物の魚がいくつか並んでやはり過不足なし。酒はもっきりから升にこぼしてなみなみ一合、お造りは気前よく盛られてきました。心底感服するほどではないにしても、全てにおいて平均以上のよい店という点では、花見の時に訪ねた盛岡の「ハタゴ家」などが思い出されます。

三組の先客は皆若く、奥からは時折歓声が聞こえてきます。ミュージックビデオが流れる店内の雰囲気からしても、中年男が一人で呑むというより、気心知れた者同士で来るのが正しい使い方なのでしょう。やはり、一人酒には演歌の流れる「きらく亭」が合っているのかもしれません。
ところが、軽めで切り上げようかと考え出したところで、店主から山椒の葉を炊いた小皿が差し出されました。こうなると、もう一杯という流れになるのは必然というものでしょう。さりげない客あしらいが心地よく、このあたりはさすが教祖の薦める店といった感があります。次いで選んだ若狭ぐじは、それなりに値は張るものの、この魚の持ち味である鱗の食感を含めて食べ応えがあり、酒の肴としてはまことに上々です。

時間が経つにつれて先客は去り、残ったのは自分一人になりました。冬場に出回る「なれ鯖」が酒に合うとは店主の弁です。食材の充実ぶりに関していうなら、日本海側の旬はなんといっても冬であり、それは若狭においても例外ではないようです。そんな話にひとしきり花を咲かせて席を立ちます。

酒菜屋どんど
0770-53-0140
小浜市白髭37 D-1ビル1F
1700PM-2400PM(日曜定休)

ヱビス・わかさ・早瀬浦・黒龍
突き出し(切り干し)
なめらお造り
若狭ぐじ
葉山椒(おごり)
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 20:43:59 | MOS
小浜の見所として酒場、町並み、湧水などを挙げてきましたが、何よりもまず立ち寄りたかったのはここでした。古きよきMOSを再訪します。
このMOSのよさについては前回訪ねたときに長々と語りました。そして今回も、店はオーナー共々何一つ変わらず健在だったのですから、それ以上のことを語る必要はないでしょう。もちろん明日の朝もこの店の世話になるつもりです。

モスバーガー小浜店
小浜市大手町5-3
0770-52-5891
700AM-2200PM
第1213号
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 19:57:43 | 北陸
本日は昨日に続き車中泊となります。ただし、昨日はコンサートか何かの弊害とおぼしき異常な混雑ぶりを理由としたのに対し、今日はあえてそうしました。というのも、車中泊をしつつ酒場で呑むにあたり、小浜の環境が非常に整っているのです。

酒場で呑むということは、とりもなおさず市街地に宿をとるということでもあります。そして、市街地である以上車中泊に適した場所は基本的にありません。自身過去何度となく車中泊をしてきたのは、コインパーキングに止めた車内で寝るというものであり、正直間に合わせ、あるいは苦肉の策でしかありませんでした。
ところが、小浜の港には日付が変わるまで入れる温泉があり、その前には広大な駐車場、というより空き地が広がって、ここに車を止めれば何の気兼ねもなく車中泊ができます。しかも、港から呑み屋のある場所までは徒歩圏内です。その結果、車中泊をしつつ酒場で呑むという行動が、きわめて合理的な方法によって成立するのです。
実際のところ、酒場で呑むかどうかはともかく、周囲にはキャンピングカーも散見され、似たような目的の利用者がある程度いることが分かります。照明もほとんどなく、なるほど夜を明かすにはもってこいです。何となれば、ここで再びキャンプをしてもよさそうな気さえしてきました。

空には半月と星が出ており、暑からず寒からず心地のよい夜風が吹いています。昨日と同様過ごしやすい夜になりそうです。
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 18:14:00 | 北陸
小浜に着いたところで夕日が沈み昼の部は終了。一昨年高浜の漁港で眺めた若狭富士の夕景が非常に見事だったため、できればそこを再訪したかったのですが、惜しいところで時間切れとなってしまいました。結果としては、四の五の言わず早々に福井を発ち、カツ丼も一軒限りにすれば間に合ったのでしょう。しかし、二兎を追って少なくとも一兎、すなわちカツ丼はものにできたわけですから、痛み分けということはできるかもしれません。

さて、今日はこれ以上先には進まず小浜に泊まります。一昨年訪ねた宮津の「富田屋」が、豊富な品書き、大衆的な雰囲気、古びた造りのどれをとっても満足できる非常によい店だっただけに、今回是非とも再訪したかったという考えはあり、今から走っても時間には十分な余裕があります。しかし、港で夕景を眺めるうちに、先を急ぐ意欲が薄れてきたというのが真相です。
前回小浜に泊まったのも、宮津へ行くつもりが悠長にしすぎて時間切れになったからでした。そのときは、こんな小さな街に泊まることが今後あるのだろうかと思ったものです。それだけに、わずか二年で再びこうなるとは思っていませんでした。しかし、小浜には教祖おすすめの呑み屋が複数あり、これはこれで悪くありません。古びた町並み、漁港のそばに湧き出る清水など、半日滞在しても飽きないほどの見所もあり、そんな小浜に再び滞在できるかと思うと楽しみでもあります。カツ丼を食してから間が開いていないため、一風呂浴びて腹ごなしをしてから呑み屋に繰り出します。
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 15:35:46 | B級グルメ
時間が切迫する中迷いはあったものの、やはり敦賀へ来たからにはここへ寄るしかありません。本日二度目のヨーロッパ軒です。
馬鹿の一つ覚えというなかれ。観光バスの団体客も収容できそうな三階建ての大店と、本家の持ち味を生かしつつも一味違ったソースは、敦賀のヨーロッパ軒でなければお目にはかかれません。昭和四十年代から時が止まったかのような古びた店内も、これまたいい味を出しています。去年は時間が押して素通りせざるを得なかっただけに、二年ぶりの味わいは格別です。

敦賀ヨーロッパ軒 金山店
敦賀市金山79-5-2
0770-23-3468
1100AM-2000PM(月曜及び第二第三火曜定休)
特製カツ丼1050円
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 15:11:05 | 北陸
単調な移動となることに対する抵抗感はありながらも、時間を優先して鯖江から北陸道に乗り敦賀に着きました。馬鹿の一つ覚えで気比の松原を再訪します。
前回ここを訪ねたときは、10月の三連休にもかかわらず蝉が鳴いているのに驚かされたものですが、今回はすっかり途絶えています。終始25度を切る涼しさでは当然かもしれません。しかし、二、三日前の暑さならまだ分かりませんでした。彼等はいつ頃までこの松原で鳴いていたのでしょうか。

三時を過ぎて今日も瞬く間に日が傾いてきました。日没までの間にできることは自ずと限られるため、とりあえず眺めのよいところを探しつつ、海沿いを淡々と走るつもりです。おそらくは、小浜まで着くかどうかといったところで日が暮れるでしょう。二年前にもほぼ同じような状況があっただけに新鮮味には欠けるものの、この好天ならどこへ行っても見事な夕日が拝めるだろうと期待しています。
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 13:12:44 | 北陸
腹を満たしたところで活動を再開します。とことん鉄分を追い求めるなら、午後は北陸本線と京福改めえちぜん鉄道を掛け持ちするのが順当ながら、北近畿を目指すという旅の趣旨からすると逆方向です。未練はありつつも、今回は来た道を引き返し敦賀方面へ向かいます。
南下する場合の問題点は、目玉というべきネタが乏しいことで、自分自身これが最善の策なのかどうかについては確信がもてません。しかし、迷う間もなく秋の短い日は確実に傾いて行くため、ともかく見切り発進するしかないでしょう。
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 11:47:38 | B級グルメ
福井市街に戻り再び電車を撮影したところで、頃よくヨーロッパ軒の開店時間となりました。今回は最も近い花月分店を選択します。
毎度申していることではありますが、薄い肉に細かい衣をまぶしてからっと揚げ、これまた軽さが引き立つウスターソースにくぐらせた味わいは、完成されていて飽きが来ません。肉の厚さとソースの甘さを特徴とする駒ヶ根のカツ丼が、味云々より見た目や迫力を楽しむものなのに対して、福井のカツ丼は純粋に味で勝負できる品ではないでしょうか。
店先にはソースカツ丼誕生100周年の幟が立ちます。百年受け継がれてきた理由も納得できる逸品でした。

ヨーロッパ軒 花月分店
福井市花月2-3-18
0776-21-4684
1100AM-2000PM(火曜定休)
カツ丼850円
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 09:11:20 | 北陸
続いては北陸本線の撮影で九頭竜川のお立ち台にやってきました。長編成の特急が毎時二本やってくるのは特急王国の面目躍如です。国鉄型車両が引退してからというもの、行き交う列車がつまらなくなった感はあるものの、金沢以東が新幹線に取って代わられようとしている今、こんな光景さえもますます貴重になるのかもしれません。
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 08:25:28 | 北陸
まずは福鉄電車を撮影します。去年は郊外区間の撮影に一日注ぎ込んだため、市内の併用区間でカメラを構えました。建物が総じて低く、福井駅からさほど離れていないにもかかわらず、空が随分広く感じられます。いかにも福井らしいおおらかな光景です。
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北陸近畿縦断ツアー 二日目

2013-10-13 06:57:00 | 北陸
おはようございます。福井市内の気温は昨夜から変わらず15度、空は期待通りに雲一つなく晴れわたっています。それも、夏の名残を引きずった昨日の朝のぼやけた青空などではなく、透明感のある秋晴れです。近年福井を訪ねるというと、ことごとくこのような快晴が続いています。
これならとるべき行動は一つしかありません。昨日と同様、日中はもっぱら鉄活動に注ぎ込むことになりそうです。その結果、終日福井に滞在し、そのまま連泊という展開も十分考えられるでしょう。そうなると北近畿を旅するという目的が根底から崩れる可能性も出てきます。しかし、何が何でも北近畿へ行かなければならないという制約もありません。そのときはそのとき、まずは目の前の活動に集中します。
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