日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 23:07:32 | 居酒屋
消灯までわずかな時間を残して夜桜見物を切り上げ、呑み屋街に繰り出しました。二軒ある教祖の推奨店を差し置いて訪ねたのは「河岸や」です。教祖の推奨店をも素通りしたからには、よほど嗅覚に訴える店だったのかとお思いかもしれません。しかし、この店を選んだ理由は違うところにありました。

順を追って申しますと、米沢で呑むという自身にとって初の、なおかつ貴重な機会であることに鑑み、まずは夜桜見物に先立って教祖の推奨店を下見し、さらには呑み屋街を一通り歩いて、他にめぼしい店がないかどうかを探りました。その結果最も直感に響いたのが、上杉神社にほど近い路地裏にある一軒の小料理屋でした。夜桜の見物客が行き交う上杉神社の濠端から細い路地へ入ると、およそ飲食店などなさそうな生活道路に面して、小料理屋と割烹が向かい合っていたのです。こんな場所に行きつけの店ができれば最高だろうと思うような、実に情緒のある佇まいでした。そこでしばし思案を巡らせた結果、比較的敷居の低そうな小料理屋を一軒目に選び、期待通りの店ならばそのまま腰を据えて、万一外した場合は手堅く教祖の推奨店に移るという戦術を立てたわけです。しかし、このような行動は「策士策に溺れる」の典型に終わりましたorz
というのも、その小料理屋というのが、風情のある店構えとは裏腹に、実態としてはスナック同然の店だったのです。要は、常連客がママを相手にくだを巻いたりカラオケで唄ったりする場所であり、酒と肴を楽しむ居酒屋とはまるで異質な場所だったということです。これでは自分が楽しめるはずもなく、レンジで燗した酒一本と、最小限の肴だけをいただいて退散しました。飛び込んだ酒場が期待外れだったという経験が数ある中でも、これほど見事に外したのは初めてのような気がします。しかも誤算はこれだけでは終わりません。次いで向かった「加津」の明かりは無情にも消えており、もう一軒の「のり蔵」も同じく看板という始末。やはり教祖の導きに従うべきだったか、それとも向かいの割烹にすべきだったかと後悔しても後の祭り、店選びは振り出しに戻りました。このような状況に至って浮上してきたのが、呑み屋街を歩いたときに目星を付けておいた「河岸や」だったという次第です。

あらかじめ目星を付けておいたからには、直感に訴えるものがいくつかあったのは事実です。しかしながら、いくつか外した末に流れ着いたという経緯からもお分かりの通り、この店に対して過剰な期待をしていたわけではありません。まず違和感を覚えたのは、トロ箱と一升瓶で飾り付けた、いかにも若い店主が造ったと思しき店構えです。全国津々浦々の地酒と、魚介を中心にした豊富な品書きからして、ある程度の期待はできるでしょう。しかし、酒も肴もよりどりみどりで万人受けしそうなところが、都会にあってもおかしくない店に映ったとでも申しましょうか。「米沢で呑む」という目的に照らした場合、この店が唯一無二の存在とは思えず、余力があれば最後に寄るといった程度に考えていたわけです。それがやんごとなき事情により、事実上唯一の選択肢となったわけなのですが、結果としてはこれが今までの敗北感を吹き飛ばすほどのよい店でした。
玄関をくぐると左手に折れ曲がったカウンターが六席分、奥にテーブルがいくつか置かれ、ざっと20人少々も入れば満席という店内を、丸刈りの若い店主と助手が差配します。目の前に貼り出された日替わりの品書きは、屋号の通り魚介中心。酒田のガサエビなど県産、東北産を主役に据え、他にも「くきたち」なる聞き慣れない山菜など、季節に応じた地場の食材を織り交ぜるところは心憎いものがあります。そのガサエビの頭は揚げた状態で供され、刺身と頭で二度おいしく、なおかつ酒の肴としても好適です。
酒の品書きもあるにはあるものの、冷蔵庫には品書きにない一升瓶がいくつも並んでいます。ここは店主に任せるのが吉とみて、県外から来たことを有り体に伝え、地酒をいくつか見繕ってもらうことにしました。冷酒は錫を叩いた器に注がれ、燗酒はカウンターに埋め込んだ湯煎の燗付け器で温められるなど、酒の注ぎ方一つとっても只者ではありません。これはとりもなおさず、店主が酒好きかつ居酒屋好きということでもあり、一家言を聞くうちにすっかり意気投合。酒、肴、器、居心地のどれをとっても申し分ない名店の出現により、一軒目の敗北は完全に取り返しました。しかもそれが自ら探り当てた店というところに一層の価値があります。この店に出会えただけでも、今回米沢に泊まった甲斐はあったといえそうです。

★河岸や
米沢市中央1-4-15
0238-40-0252
1800PM-100AM(日曜定休)

上喜元・飛露喜・磐城壽・錦爛・麓井
お通し二品(いかげそ・菜の花)
ガサエビ
カサゴ
くきたち
カニクリームコロッケ
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 20:51:43 | 東北
投宿して荷物を置き、上杉神社にやってきました。去年初めて体験して以来となる上杉神社の夜桜ですが、今回改めて眺めると、正方形の平城というありそうでなかなかない条件が、夜桜にはことのほか合っていることに気付きます。ライトアップされた桜が、まっすぐ延びた濠の水面に映る光景は、絵葉書的な完成された美しさです。小一時間で一周できるという適度な広さも、しみじみ鑑賞するには好ましいものがあります。
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 18:30:22 | 東北
夕日が山陰に隠れるのを見届けて昼の部は終了です。日中は全く使い物にならないという事態も覚悟していただけに、夕方の短い時間とはいえ見事な桜が見られたのは幸運でした。
この後は暗くなるのを待って夜桜見物へ移行します。若干の迷いはありながらも、本日は上杉神社を選ぶことにしました。近隣で夜桜が観られる場所といえば、他に赤湯の烏帽子山公園もあり、規模だけならこちらが確実に上です。加えて、上杉神社の夜桜は去年も満開のときに訪ねたため、去年見逃してしまった烏帽子山公園を再訪したいのはやまやまなのです。しかし、経路からすると今日を米沢、明日を赤湯にするのが当然ながら順当です。加えて、赤湯で夜桜を見てから米沢に戻ると、酒場めぐりに十分な時間をとれない可能性が高くなります。昨日会津滞在を一日延ばしたのは、元はといえば米沢泊が祝日に重なるのを避けるためであり、言い換えれば米沢で心置きなく呑むためです。花見の旅で飲み食いは二の次とはいっても、今日に関する限りは相応の比重を置くことにしました。
悩ましいのは明日の夜に雨が降ると予想されていることで、もし的中すれば烏帽子山の夜桜は二年続けて見逃すことになるかもしれません。しかし、明日雨が降るからといって今日烏帽子山を選ぶのは、いわば負けに賭けるようなものです。夜桜向けの名所という点では上杉神社の方が勝っているのは事実なので、烏帽子山と比べるのはこれまでにして、今夜は濠の水面に映る夜桜を楽しむことにします。
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 17:23:53 | 東北
日没までの時間も残り少なくなり、回れる場所は事実上一ヶ所限りとなりました。その一ヶ所に選んだのは最上川の桜並木です。広々した河原には開放感があり、それでいながら大仰な護岸などではなく、土盛りの小高い堤の上を生活道路が走り、そこに見事な桜並木が続くという光景は、昨日の観音寺川とは一味違った情緒に満ちています。彼方に吾妻山を望みつつ、奥から手前へ緩やかに左カーブを描きながら迫ってくる桜並木の絵柄がよく、立派な枝振りの桜は今まさに満開。空が曇りがちなのが唯一惜しまれるとはいえ、淡い夕日を浴びた桜がぼんやり光る様子は、初日に眺めた小沢の桜を彷彿とさせるものがあります。お約束の絵柄もさることながら、土手の下から影絵になった桜を眺めるのもまたよいのです。今日もいい夕景が見られそうです。
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 16:53:42 | 東北
この後は日没まで定点観測が続きます。訪ねるのは西米沢駅の近くのグラウンドと小公園です。気温は13度で朝方から全く変わらないというのに、若干蒸していた午前中とは違って少し肌寒くなってきました。今日は薄手の長袖一枚で始まり、その後汗ばんで半袖に着替え、喜多方を出るところで薄手の長袖に着替えて、さらに米沢で長袖二枚になりました。一日に何通りもの服装が必要になるのも、やはり花見の旅ならではといった感があります。
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 16:14:05 | 東北
米沢に着きました。まずは定点観測で西米沢の駅を訪ねます。駅舎を背にまっすぐ延びる通りの両側に、いかにも現代風のガードレールが取り付けられて、雰囲気がわずかに損われてしまったものの、背の高い木造駅舎と両脇に並んだソメイヨシノの大木は健在でした。右の木が五分を過ぎて満開間近、左の木がざっと三分咲きなのも去年と同じです。今年も変わらぬ姿で再会できたことをまずは喜びたいと思います。
山形は晴れると聞いて先を急いだところ、どんより曇った空は変わらず、雲間から時折日差しがのぞいているといった状況です。まあ、冬場はともかく、今の時期に一つ山を越えただけで天候が一変するわけでもないでしょう。少なくとも会津よりはるかにましではあります。初日の午後と同様、束の間の晴れ間を狙い撃ちしながら、日没までの時間も花見に費やすことになりそうです。
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 14:49:44 | 東北
お約束の喜多方ラーメンを本日のお昼とします。訪ねるのはこれも毎度おなじみ「ひさじ屋」です。
はしごが基本の喜多方ラーメンを一軒で切り上げるからには、極上の名店かなじみの店を選ぶかのが順当というもので、今回新規開拓という選択肢はありません。なおかつ今回は平日ということで、いの一番に思いつくのが孤高の名店「はせ川」です。ところがその「はせ川」に品切れ閉店で振られた結果、市街まで引き返すとき最も近いこの店に落ち着いたというのが真相です。平日なら行列も気にせず人気店を選べたところが、結局いつもと同じ選択肢に落ち着いたとはいえ、去年の夏から九ヶ月もの間隔が開いただけに、久方ぶりのチャーシューメンの味わいには格別のものがあります。

ひさじ屋
喜多方市水上6816-6
0241-22-7639
1000AM-1900PM
チャーシューメン750円
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 14:15:36 | 東北
雄国パノラマラインを通って喜多方へ向かいます。雄国沼へとせり上がるなだらかな斜面の中腹を行けば、北に連なる飯豊山を始点として喜多方から会津若松、会津坂下にかけて盆地が広がる光景を一望でき、その眺めは今日の空の下でさえそれなりに楽しめます。やはり、若松から喜多方へ行くならこの道を選ばない手はありません。
空は一様に厚い雲で覆われているものの、雪をかぶった飯豊山の山頂だけが日差しを浴びて輝いています。改めて天気予報を確認すると、会津と違って山形では三時頃から晴れ出すようです。それなら、大峠を越えれば夕方も花見ができるかもしれません。喜多方のラーメンは今回一軒限りとして先を急ぎます。
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 13:51:55 | 酒屋
続いては駅前の渡辺宗太商店に立ち寄ります。信州の名もなき地酒を発掘して紹介するのが松本の「中島酒店」なら、会津で同じ役割を果たしているのがこの店です。今回は天栄村の聞き慣れない地酒を選択。先ほどの会津中将ともども、どんな酒なのか楽しみです。

渡辺宗太商店
会津若松市白虎町1番地
0242-22-1076
900AM-1900PM(火曜定休)
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 13:10:52 | 酒屋
会津か米沢かで葛藤する中、とりあえずは先へ進むという前提で、市街を出る前に酒を買います。帰着まで一週間あるだけに生酒が選べず、選択肢も自ずと限られる中、目にとまったのは白地に赤い筆で"Aizu Chujo 2006"とち小さく書かれたラベルです。右下に同じ筆致で描かれているのは「会津中将」こと松平容頌公でしょう。去年の秋にラベル買いした「東洋美人」を彷彿させるような小洒落たラベルで、今回は即決と相成りました。

植木屋商店
会津若松市馬場町1番35号
0242-22-0215
930AM-2130PM(日曜定休)
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 12:16:43 | 東北
なんだかんだで午前一杯を消費し、ようやく先へと進むわけなのですが、問題なのは天候です。朝方は明るかった曇り空が、鶴ヶ城に着いた頃からどんよりと曇ってしまい、これでは花見が事実上成り立ちません。長旅ならばこんな日が一度や二度あるのは仕方なく、そのこと自体はよいのですが、今日一日をどうやり過ごすかが思案のしどころになります。
少なくとも日中は使い物にならないため、この後は必然的に市内で酒を買ってから喜多方でラーメンをいただくというおきまりの展開になります。大峠を越えて米沢にたどり着いたら、早めに投宿して夜桜の時間を待つことになるでしょう。上杉神社の近くに宿がとれれば、早い時間に酒場で一献傾け、店を出た頃に夜桜が始まるという理想的な時間配分も可能です。天候がこのまま回復しないという前提なら、これが最も妥当な選択ではないでしょうか。

しかしその一方で、会津にもう一泊するという悪魔のささやきが聞こえ始めています。というのは、どのみち夜桜と酒場探訪だけで終わるなら、後者に比重を置くのも悪くないからです。三連泊したとはいえ、立ち寄る呑み屋が枯渇したわけでも何でもなく、その点ではもう一泊するにも一向にやぶさかではありません。一方、米沢にも気のきいた酒場がいくつかあると聞いてはいるものの、何分会津に比べて土地勘がないだけに、未知数の部分が少なからずあり、安定感、安心感では会津が断然勝っています。要は昨秋の長旅で、鹿児島から宮崎へ移動しようとしながら足踏みしたときと同様、呑み屋の選択を考えると先へ進もうにも進めないというわけです。
ここまでの展開を考えると、喜多方を出るのが三時過ぎになるのは経験上分かっています。しかし、足踏みして出発が四時五時まで延びれば、若松まで引き返すという展開も考えられないことはないでしょう。鹿児島のときは、もともと二泊のつもりが結局五泊にまで延びました。果たして今日は大峠を越えられるのでしょうか(ニヤリ)
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 11:58:20 | 東北
城内を一周して只今戻りました。一時間少々の滞在で切り上げたのは、当然ながらここが潮時と潔く割り切ったからではありません。空がどんより曇って花見にならず、申し訳程度に一周するしかなかったという次第です。
初日に乗り込んだときには既に散りかかっていながら、その後足かけ三日にわたり驚異的な粘り腰を見せてきた今年の桜ですが、いよいよ本当の散り際が訪れたようで、今日は文字通りの花吹雪が舞っていました。これに比べれば、昨日や一昨日の散り方など花吹雪のうちには入りません。おそらく一両日中には、遠目にも散ったと分かるようになるのでしょう。
しかし、ぱっと咲いてぱっと散った去年の桜とは正反対の、しぶとく粘り強い今年の桜は、往生際の悪い自分にとってとりわけ印象的に映りました。もしこれで晴れていたら、おそらくこの花吹雪を眺めて半日以上注ぎ込んでいたと思います。ともすれば蛇足になりかねなかった最後の一周でしたが、結果としてはこれでよかったのではないでしょうか。最後まで楽しませてくれたことに感謝します。また来年…
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 10:16:38 | 東北
昨日の夜桜で締めくくったはずが、往生際の悪さを遺憾なく発揮し、またしても鶴ヶ城に繰り出しました。いい加減きりがないとはいえ、平凡な曇り空では先を急ぐ気にもならないため、しぶとく咲き残っている今年の桜を最後に眺めていくのも一興かと思い立った次第です。もちろん軽く一周して切り上げるつもりではありますが、平日の閑散とした光景の中、ついのんびりして時間を消費する可能性は少なからずあると思われます…
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 09:50:58 | 東北
出発します。昨晩世話になったのはもちろん定宿のフジグランドホテルでした。連休最終日だけに、昨夜は飛び込みでも十分な余裕があったとはいえ、土曜は今のところ三週先まで満室という盛況ぶりです。次回は趣向を変えて、灼熱の夏場にでも足を運んでみようかと思っています。異常としかいいようのない今の過熱ぶりが、その頃までに落ち着いてくれればよいのですが。とはいえ、一時の風評被害からここまで見事に立ち直ったのは喜ばしいことです。
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東北一周花見の旅 2013四日目

2013-04-30 08:05:02 | 東北
おはようございます。会津若松市街に降っていた小雨は止み、空が次第に明るくなっていました。昨日の時点では昼前まで降るといわれていたのですから、この時間に止んでくれれば申し分ありません。去年の大型連休後半とは対照的に、天気予報がことごとく上ぶれするのはよいことです。
もっとも、曇り空なら特段先を急ぐこともないため、今日は10時のチェックアウト時刻とともに宿を出て、喜多方から米沢へ向かって峠を越えます。「麦とろ」の天守から熱塩の桜が見事だと聞いているので、行きがけにこれを眺めていくのもよさそうです。夜はおそらく米沢に泊まり、翌日一日かけて仙台まで進むことになるでしょう。

ところで、連休序盤の寒さが影響したか、北東北の開花予想が総じて遅れつつあり、弘前の満開は5月5日、花吹雪は8日ということになっています。つまり、去年と同じく最初の三連休で一時帰京し、谷間の平日をはさんで5月3日から旅を再開すれば、仙台、盛岡と渡って5日に弘前へ乗り込めるという理想的なペース配分になったわけです。その代わりに7日からの平日四日を休めば、現在進行中の行程と全く同じ四日間の休みで12日まで旅ができます。今日からの平日三日を通じて天候が冴えないことを考えると、結果としてはその方がよかったということになるのかもしれません。
しかし、これは全くの結果論であって、今更死んだ子の年を数えるようなことをするつもりはありません。それよりも重要なのは、北東北の開花が遅れたことにより、連休直後の週末でも東北で花見ができそうだということです。たとえば、小岩井の桜並木の満開が5月12日、桜吹雪が15日ということになっており、これが的中すれば11日からの週末でも十分花見ができます。
そうすると、この週末は北東北で遅咲きの桜を観るという前提で、5日、6日あたりの最盛期を弘前に注ぎ込み、7日に青森または盛岡から帰京して、四日間の在京を経て11日に舞い戻るという行程が順当になります。そこからは函館に渡るもよし、さらにはその週末も北東北だけで完結させ、翌週末に八戸から苫小牧までフェリーで渡るという選択が視野に入ってくるでしょう。いずれにしても、7日に自走で帰るという選択は眼中からほぼ消えつつあり、一時帰京をはさみつつ道東まで行くという拡大策が次第に現実味を帯びてきました。

もちろん、これは現在の開花予想を前提にした上でのことで、この先一気に気温が上がれば絵に描いた餅で終わる可能性も少なからずあります。しかし、日毎に変わる開花予想と天気予報をにらみつつ、この先どう動くかを考えるのが、東北一周の花見の真骨頂ともいうべき楽しみなのです。下り坂の天候とは裏腹に、旅はますます面白くなってきました。
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