日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

シ舌重力イ木止

2013-04-20 21:40:15 | 旅日記
この展開を予想できた方はいらっしゃるでしょうか。結局今週末の活動は見送りました。
理由は偏に天候です。旅支度まで万端整えたところが、出発直前になって天気予報がさらに下り坂となってしまい、今日は終日曇で夜半からみぞれ交じりの雨が降り出し、翌日の昼頃まで降り続くという予想に変わりました。ライブカメラで現地の映像を確認しても、やはり朝から雲が多めです。都内に関していえば、今にも降り出しそうな曇り空で、この空が旅先へ移動していくと思えば、今日明日の天候も推して知るべしといった感がありました。このような状況において、来週末ほぼ確実に行くと予想される中通りと会津へわざわざ行くかと考えた場合、「迷ったら出ろ」という以前にそもそも迷いが生じなかったという次第です。

今週末を逃すと非常に痛いのは、中通りの古木が今年は事実上観られなくなるということです。現時点で三春の滝桜が散りかけという情報が入っており、他の古木も総じてソメイヨシノより花期が早いことを考えると、来週末ではまず間違いなく散っていると予想されます。鄙びた農村に一本桜の古木が点在する光景は、毎年訪れるに十分値するものです。足腰が立つ限り花見の旅を続けても、せいぜいあと30年が限界なのですから、そのうちの一回をむざむざ棒に振るのは、たかが一回という言葉では片付けられません。
しかしながら、似たような例として置賜のさくら回廊があります。初めて訪ねた三年前は好天に恵まれたものの、一昨年はどんより曇ってしまい、去年に至っては日がな一日本降りの雨に見舞われました。過去二年については、いわば年に一度の挨拶代わりで立ち寄ったに過ぎず、花見としては事実上成り立っていません。このように、どのみち挨拶程度で終わるなら、来週末に多少なりとも咲き残っている姿を一目見られればよく、もはや今週末に行く動機は失われたわけです。
もちろん、行先が会津なら雨が降っても退屈することはありません。小雨に煙る桜にも、青空の下で眺めるのとは違った風情があるものです。しかし、それはあくまで傘も要らないような霧雨のときだけで、本降りの雨に打たれても、今にも降り出しそうな鉛色の空に覆われても、桜というのは全くといっていいほど絵にならないものです。出現するかどうかも分からない一瞬に賭け、一過性のブームに湧き上がり宿もとれない会津へ、雪の降る寒い夜に車中泊を強行してまで行く必然性はないでしょう。どうせ行くならもっとよい季節がいくらでもあります。

花見の時期の貴重な週末を、我が家で無為に過ごすとはなんとももったいない話ながら、仮に活動を強行したところで、この天候ではどこへ行っても花見は申し訳程度に終わるでしょう。近所の八重桜がまだ辛うじて咲き残っているため、今週末はこれをもって花見に代えることにします。
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