A black cat and I・・・☆

人生、前向きに…!乳房再建等5回目の手術を経験して、今は既往症や趣味や猫の事など、日々の出来事を適当に綴っていきま~す。

入院一日目

2004-10-07 | 乳がん日記
入院のためにでっかいバッグを持ってバスに乗り込む。
丁度シルバーシートが空いていたのでそこに座る。
普段なら健康なので絶対に座らないのにドカッと重い荷物を置き、自分も座る。
誰かに席を譲るようにと言われたら、私は癌患者なのでここへ座る義務がある!
文句ある?と大声で言いそうである。
10時前に病院の入退院受付カウンターへ向い、いよいよ始めての入院生活が始まる。

7階のナースステーションへ行き、言われた部屋番号へ行き荷物の整理が終わった後楽な格好に着替える。反対側にも今日入院した初老のご婦人がいた。
私と同じ乳癌患者である。
私も高齢だったら胸を切るのに全く抵抗がないよねぇ~!
この美乳がなくなるなんて…。
許せない!いつまでの美乳にこだわっている私がいる。

さあ、昼からは明日の手術に向けてMRI検査が待っている。けれどなかなか看護士から呼び出しがかかってこない。先にシャワーを浴びることになった。
手術したらシャワーを浴びることが出来ないので念入りに…、とのこと。了
解です。隅々まで綺麗に洗っておくよ。

部屋に帰ったら、看護師からナースステーションに来るように言われ、そこで色々と質問を受ける。
性格や食生活、生活習慣の質問だった。かなり事細かい内容を聞かれる。
手術を受けるのだから当たり前ですよね。

しばらくしてMRI検査を受けるよう看護士に告げられ、自分のカルテを持って地下2Fに向かう。
カルテは取っ手がついたナイロン袋に入っている。ファスナーを開けられないように鍵がかかっている。う~ん、残念!中が見たい。
検査室に入り、ガウンに着替える。
いよいよ装置の所に行きうつ伏せになる。おっぱいの場所に二ヶ所穴が開いていて、自分の乳房を入れるようになっている。

「ちゃんと乳房が入っていますか?」

検査技師に胸を触られる。

今は切り取るので好きなように触っていいよ。と言いそうである。
自分のおっぱいのようであっておっぱいでない。
穴あき装置が面白いと笑っている場合ではないね。
豊満なおっぱいはみごとに穴にすっぽりと収まった。
こんなときだけ、貧乳でなくてよかった!と、妙に納得!

病室に帰ってしばらくすると、手術室看護師2名が病室に訪問し、明日の手術の説明をして下さる。私の緊張を和らげるために声を掛けながら優しく説明して下さる。

夕方になり、看護師に「家族の方は見えますか?主治医の先生からお話があるようです。」

母も姉もこちらに向かっているので連絡を取り病院への到着時間を伝える。
5時15分、母と姉が到着。夕ごはんが終わっていよいよ最終打ち合わせが始まる。

6時半頃、私達は主治医の先生とミーティングルームへ行き、詳しい説明を受ける。
CT、MRI、レントゲンの画像がホワイトボードに貼り出される。
画像を見て右乳首まで白くなっているのが素人の私でもわかる。
先生は乳首の上の部分を切除すると最初に言われたけど、この画像を見る限り乳首まで切除されそうだ。
案の定、

「残念ながら乳首まで切除しないと癌は取り除けないです。仮に乳首を半分温存しても断端に癌細胞が確認された場合、再手術をしなければなりません。リンパ腺の方も二ヶ所しこりがありますので、リンパ節郭清をした方がいいでしょうね。これは手術の最中にリンパ節をとって診断させて頂きますので問題なければそのままにしておきます。《センチネル・リンパ節術中診断法(凍結病理検査)》」

承諾書に母か姉かが署名して押印を求められ、母が今印鑑がないわ。とポロッと言った。
私はたまらなくなって母を睨んでしまった。
今は私の乳房をどこまで温存するかが問題である。
それによって私の乳房はかなり変形することになるし、乳首があるのとないのとでは大きな差があるのだ。
乳首があることによって少しは他人に見られても平気であるが、ないとなるとそれはペロンとしたわずかな膨らみがあるだけ。
想像ができない。
申し訳ないけど印鑑の事なんか今は問題にしないでー!

7時半過ぎ、先生とのミーティングも終わり私達は病室に戻った。
会話が全くなかった。私は乳首を失うかもしれないという恐怖で一言も喋れなかった。
もちろん顔も強張っていた。母も姉もそれを察しているようだった。

「お母さん、お姉ちゃん、もう帰っていいよ!」

私の言葉に救われたように母も姉も別れの挨拶だけをして帰って行った。
手術前日は説明がいっぱい。
麻酔の説明がまだ済んでいなかった。
今回の手術は全身麻酔である。
麻酔科の先生は忙しいらしく説明に来られたのは消灯時間もまじかに迫った頃だった。
とにかく、全身麻酔と聞いただけでも怖い。
もし、麻酔から目覚めなかったらと思うだけでも気が気ではない。
先生から全身麻酔の方法や合併症の説明を聞き、取り合えず色々な不安から解き放たれることができた。



コメント
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