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花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

ナラの木(楢の木)

2011年08月22日 | 草花・植物


コナラ「楢の木」とか「楢」「楢材」と、何となく使っていましたが、「ナラ」という名前の樹木はなく、「コナラ、ミズナラ、ナラカシワ」の類を総称して「ナラノキ」と呼んでいるらしいです。
木材関係で「楢材」と言う時は「ミズナラ」を指します。

「ナラノキ」の名前の由来は、厳しい冬、残った葉が寒風に鳴るので「鳴り葉のき」→「ナラノキ」。
ちょっと無理があるような気もしますが、由来を不明のままとしておくよりは……。

ブナ科コナラ属の仲間
ミズナラ(水楢):別名「オオナラ」。水分が多く燃えにくいので「ミズナラ」。30メートルにもなり、コナラ属の中では一番の有用材。
コナラ(小楢):雑木林の代表。15~20メートル。建築、薪炭、シイタケ原木など。ミズナラ(オオナラ)に比べて小さいことから「小楢」
ウバメガシ(姥目樫):常緑。備長炭の原木。新芽が茶褐色なことから「姥芽」と言われますが、漢字は「姥目」なので、他の理由も?

コナラとミズナラの違いは樹木の高さのほか、ミズナラの葉が大型(8~20センチ)で、鋸歯が粗く葉柄が短い。★葉柄(ようへい):葉身と茎をつなぐ部分コナラやウバメガシは公園でよく見かけます。
ウバメガシの街路樹も又よく見かけます。
どちらのドングリも、良く発芽します。炭に焼いてみました。(拡大して下さい)
2009.11.09仙台市公園

 

 

 コナラとドングリ  ウバメガシとドングリ 
コナラとドングリ                              ウバメガシとドングリ    

「がんばれナラの木」のブログを見、盛岡弁「ナラの木」の詩を聴いたのが、このページの作成のきっかけです。   
   8.23コナラ仙台市公園                原発廃炉に向けて

 


秋の七草・新秋の七草・万葉と昭和

2011年08月21日 | 草花・植物

 

立秋が過ぎ、お盆がも過ぎるころになると、「秋の七草」に、思いをはせるようになります。
山上憶良が読んだ続きの2首が、秋の七草の始まりとのことです。

秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花      万葉集巻8第1537番
あきののに さきたるはなを およびおり かきかずふれば ななくさのはな)

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花    万葉集巻1538番
(はぎのはな おばなくずはな なでしこのはな をみなえし またふじはかま あさがほのはな)

「あさがおのはな」については「桔梗説」「木槿説」「昼顔説」がありますが、「桔梗説」が有力のようです。

春の七草が「食べる」に対して、秋の七草は「見て美しいもの」の7種です。
春の七草は「七種」と表記して「ななくさ」と読むのが正しいようです。
七草の覚え方として「ハスキーなおふく(ろ)」「おすきなふくは」「おきなはすくふ(沖縄救う)」など紹介されていますが、私はやはり憶良さんの歌のリズムで覚えたいと思います。

萩     ・尾花     葛    撫子     女郎花     ・藤袴     ・桔梗

1935(昭和10)年、東京日日新聞が主催して一人一種選んだ、昭和の「新秋の七草  ※の画像はwikipedia

★コスモス(秋桜)菊池管       ★ヒガンバナ(彼岸花)斎藤茂吉     ★ アカマンマ赤まんま)高浜虚子   ★キク(菊)牧野富三郎
※オシロイバナ(白粉花)与謝野晶子    ※シュウカイドウ(秋海棠)長井荷風   ※ハゲイトウ(葉鶏頭)長谷川時雨  

     原発廃炉に向けて

 

 

 


ススキ(薄・芒)尾花(おばな)・茅(かや)

2011年08月20日 | 草花・植物

秋の七草の2つ目の「尾花」こと「ススキ」。イネ科ススキ属・別名茅ススキ

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花  万葉集
万葉集にはススキの歌が18首、尾花の名前が18首、茅は10首あります。
「尾花」の名前の由来は「花穂が馬の尾に似ている」ことから、又「茅」は「刈って茅ぶきにするから」という明快な由来がありますが、ススキには定説が無いようです。
「すすき」は、真っすぐすく育つ「すす」と茎の「き」の組み合わせ?又秋に「すずしき」草からとも。
まさにどんな荒れ地にも、すくすく育ち、大株になります。
ススキの漢字表記は「薄・芒」。

良く似た植物に「オギ」がありますが、「ススキのように株にはならず、一株ずつ離れており、水辺に生え、の芒(ノギ)はありません。
※芒(のぎ、「ぼう」とも)は、イネ科の植物の帆の先端にある棘状の突起のこと。

根が大きく張って、邪魔ものにされますが、都会では秋を告げる草として、風情を感じることもあるのかと思います。
荒れ地に繁茂するススキを見たら、秋の七草にあげられるほどの美しい花とも思えませんが、月とのコントラストはやはり風情があります。
一五夜には何がなくても、供えたい物の一つです。

幽霊の正体見たり枯れ尾花
ススキ 
2011.08.17仙台市 ススキと待宵草
真っ暗やみの夜道、風に揺れたススキを「幽霊と見違えるかもしれませんが、月夜だったら美しいと感じるかもしれません。
「疑心暗鬼」いけませんね。右は「ススキとオオマツヨイグサ」。ススキと良く合います。 

     原発廃炉に向けて

 


クズ(葛)/クズカズラ(葛蔓)・葛の葉狐と安倍晴明

2011年08月19日 | 草花・植物

「クズ」マメ科クズ属葛の花のUP
秋の七草の 3番目の花。
萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花    万葉集巻1538番

「クズ」の名前の由来は、大和国吉野の国栖の人々が、クズ粉を朝廷に献上したり、売り歩いていたことからと言われています。
国栖の蔓→国栖蔓→国栖(くず)となり、「葛」の漢字をあてたようです。

若芽、葉、花を山菜として食べることも出来、地方名として「カンネ(茎を噛むと甘い)、ウマノボタモチ、ウマノオコワ」など、美味しそうな名前で呼べれています。葉は家畜の飼料として利用されます。

葛のつるは蔓細工に用いたり、布(葛布)に織って利用されます。私も蔓を利用して外で使う篭やリースを作ったりしいます。
民芸織物として、掛川葛布(静岡)が有名です。

葛の根から収穫される澱粉は「クズ粉」の原材料として利用されてきましたが、本物の葛粉は手間がかかり高価なので、安価なものは「ジャガイモデンプン」が代用されています。

葛の根も花も葉も薬用になります。葛根湯などに配合されるなど、生薬としての多用されているようです。

このように用途の広い「クズ」ですが、野山に乱暴に繁茂している姿を見ると、「山殺し」にならないかと、心配になる時があります。

実際にアメリカでは日本から帰化した「クズ」が大繁茂して、問題になったニュースもありました。しかしアメリカでは飼料として高く評価され、堤防の土留め植物としても使われています。
この強靭さで中国砂漠や、フィリピンの火山を緑化しようとする動きも、ニュースで見た記憶があります。
人間の勝手な立場から言うと、「害草」でもあり「益草」でもある「クズ」。
童話「葛の葉狐」が、親子の切ない愛情と、美しい葛の花と綺麗な女性の姿が結びついて、「害草」と言い切ることはできません。

 葛の葉狐 kuzunohagitune 

昔、村上天皇の時代、摂津の国(今の大阪府阿倍野区)に安部保名(あべのやすな)という武士が住んでいました。 
ある年の美しい秋、和泉の国の信田の明神へ出かけた時のことです。
悪右衛門と大勢の侍に追われた若い狐が、助けを求めて保名のもとにうずくまりました。
保名は狐をかくまいましたが、侍たちと切りあいになり、命を取られかけた時、お寺の和尚に化けた狐が保名の命を救ってくれました。傷を負った保名が森の中をさ迷っていたら、、きれいな清水のほとりに住む乙女が、助けてくれました。
たった一人で森に住んでいた娘の名前は「葛の葉」。葛の葉の介抱で、傷は癒えましたが、保名はそのままその家に住むようになりました。
やがて一人の男の子が生まれました。名前は童子丸。
保名は畑仕事、葛の葉は機織りをして、楽しく平和に暮らしていました。

子どもが7歳になった秋、機織りの手を休め、庭の菊を眺めていた時のことです。
白い美しい香りの菊を見て、寂しい気持ちになったその日、機織りに疲れて、狐の姿のまま、うとうとした時、童子丸が帰ってきました。
「狐の姿を見られたからには、もうこのままここで一緒に暮らすわけにはいかない。」
死ぬほどつらく悲しく思った葛の葉でしたが

          恋しくば 訪ね来てみよ 和泉なる しのだのもりの  うらみ葛の葉

と書いて家を離れました。
悲しんだ童子丸と保名は、信田の森へ母をたずねました。そこには母は見えず、葉葛の葉が茂るばかり。
子供は泣きました。その泣き声を聞いて現れたのは、狐の姿に戻った葛の葉狐でした。
葛の葉狐は「何時までも一緒居たいけれど、それはできない。形見にこれをあげるので、私を忘れないでいて下さい」と、水晶のような玉を保名に渡しました。
「この玉は天地のことも、人間界のことも、残らず目に見るように知ることができます。玉を耳に当てれば、鳥獣の言葉も、草木や石ころの言葉も分かります。この宝もので、子どもを日本一賢い人にして下さい」と言い、闇の中に姿を消しました。
童子は賢く成長し、やがてその宝ものを使って、誰も治せなかった天使の病気を治しました。
天子は童子丸の手柄をたたえ、「清明」という名を授け、陰陽頭(おんみょうのかみ)に取り立てました。
後に清を晴に変え「安部晴明」となり高名な陰陽師として後世まで名前が残ることになりました。



歩道に繁茂する葛  
歩道に繁茂するくずと、街路樹を絞殺しそうな葛 2011.08.17 仙台市

    葛の実と花           原発廃炉に向けて

 

 

 

 

 

 


カワラナデシコ・ナデシコ(河原撫子・撫子)/「大和なでしこ」と「なでしこJapan」について

2011年08月18日 | 草花・植物

タカネナデシコ秋の七草の3番目ナデシコ。ナデシコ科ナデシコ属

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花    万葉集巻
名前の由来は、手や足を優しく撫でて、大事に育てたい子供のように、愛らしい花なので撫子。日当たりのよい河原にも多く自生していたので「河原」がつきました。

 

在来種のナデシコに「瞿麦(くばく)」の漢字をあてていましたが、中国の「瞿麦」とは別の花であることに気づき、「撫子」の漢字をあてたようです。薬用としても利用されており、種子を乾燥したものを瞿麦子(くばくし)と言い、利尿作用などがあります。
中国から石竹類が入ってきた時に、中国種を「唐撫子(からなでしこ)」といい、在来種を「河原撫子・大和撫子」といいました。
「カワラナデシコ」は、花期が長く、四季咲き性ということで、「常夏」の古名もありますが、この名前は現在は「石竹」の一種に用いられています。

大和撫子(やまとなでしこ)・なでしこJapan

女子サッカーの愛称を公募。決まった名前が「なでしこJapan」。ビジョナデシコ
何時から日本女性を「大和なでしこ」というようになったのかは分かりません。
「大和なでしこ」という言葉が見られるようになったのは、「古今集」。「山がつの垣ほに咲ける大和撫子」「ふるさとの大和撫子」等ですが、在来種に対する区別をするため、国風文化の誇りとともに使われたのではないかと思います。単なる花の名前の区別以上の意味を持つ言葉になったのは、江戸時代から?
繊細でありながら芯が強い日本女性の美称として、男の大和魂に対応して、使われ出したのではないかと思います。

「なでしこJapan」が活躍した時、花の持つ繊細なイメージとはかけ離れていましたが、諦めずに最後まで頑張るその姿は、3.11で打ちのめされていた私たちの心を、久しぶりに元気づけてくれました。
彼女たちの競技環境の悪さも意に介さず、思いを持って頑張る精神力が、私たちに訴えたものは、大きかったと思います。

「撫子」は、古くから歌に詠まれ「秋の七草」として有名ですが、枕草子には
「草の花はなでしこ、唐のは更なり、大和もめでたし」とあり、良く鑑賞され愛されていたものと思われます。
また、「絵に描くと劣るもの、撫子、菖蒲、桜。物語で愛でたしと言っている男女の容姿」とあります。「絵にするのは難しい位美しい」花と感じていたことがうかがわれます。

江戸時代の空前の園芸ブームの中、品種改良、交雑が進み「珍しきなでしこ」として無数の品種ができました。 
・カワラナデシコ(法苞が3対)エゾカワラナデシコ ・タカネナデシコ(苞が2対) ・ヒメハマナデシコ(日本固有種) ・ハマナデシコ(花弁の先の切れ込みは浅い、葉が広く、肉厚で光沢あり) ・シナノナデシコ(別名ミヤマナデシコ、日本固有種、花弁の先の切れ込みが浅い)に分類されています。
「ビジョナデシコは」別名「アメリカナデシコ」「ヒゲナデシコ」ともいわれますが、従来のナデシコにない美しい撫子という意味で「美女」がつきました。 

     原発廃炉に向けて

 


ハギ(萩・芽子)の名前の由来

2011年08月17日 | 草花・植物

秋の七草の筆頭はハギ(マメ科)。ヤマハギ
秋の七草に数えられているのは「ヤマハギ」で、日本の山に自生する萩の代表格です。

萩の名前の由来は、古い株の根元から新芽が良く芽吹くことから「生え芽(はえぎ)」→「はぎ」に転訛しました
「ハギ」と言えばこの「ヤマハギ」を指します。
枝は箒状にのび、垂れることはありませんが、野山や公園の傾斜地に多く、枝が垂れているようにも見えます。

「草冠に秋」とは、まさに秋の草の代表?
風に揺れる萩を見ていると、樹木なのに草の種類に数えられても、違和感がありません。
低木の細い枝はたおやかで草のようにも見えますが、根回りは大きく、狭い庭には向かないと思います。

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花    万葉集巻1538番

漢字表記の「萩」を漢和辞典で引くと、秋の草、ヨモギの一種となり、ビックリしますが、萩の漢名は「胡枝花」と表記し、「ハギ」を「萩」と表記するのは日本だけの表記になります。

マメ科の植物に良くつけられるのが「○○ハギ」
ナンテンハギ、ヌスビトハギ、センダイハギ、ネコハギ、メドハギなどがあります。
美しいので公園や庭でよく見る「ミヤギノハギ」は、中部、福島、山形に自生する「ケハギ」を改良した園芸種です。萩が多く自生していた宮城野の名前をもらって「宮城野萩」となりました。
ヌスビトハギ:盗人と履物に似ていることから。

ヤマハギ     ミヤギノハギ
ヤマハギ2007.0921仙台市                                ミヤギノハギ:フリー素材から         
    原発廃炉に向けて

 


キキョウ(桔梗)

2011年08月09日 | 草花・植物

響きと字面の美しい花だと思います。キキョウ
秋の七草として万葉集に歌われる「あさがお」は、このキキョウというのが、定説になっています。
 

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴朝がほの花    万葉集巻1538番
(はぎのはな おばなくずはな なでしこのはな をみなえし またふじはかま あさがほのはな)

古名とされる「あさかほ」は「阿佐加保」などと表記されていますが、これがキキョウとは断定されていません。
「ありのひふき」は「蟻の火吹き」のことで、花の中心の花柱を、火吹き竹にみたて、このサイズなら蟻用ではないかという推測もあります。

桔梗は漢名ですが、音読みして「きちこう→きっきゃう→ききょう」として広まったという説。
和名がありながら、漢名の方が急速に広がったのは、キキョウの根が漢方薬として多用されたからではないかと思います。

キキョウの根は白っぽいサツマイモの小振りなものに似た根塊です。

英名は"balloon flower" 。蕾が紙風船ならぬ「花風船」に見えますね。

               園芸日記         原発廃炉に向けて


オミナエシ(女郎花)・オトコエシ(男郎花)

2011年08月08日 | 草花・植物

オミナエシとオトコエシは対になっています。 オミナエシ科オミナエシ属/オミナエシ科オトコエシ属
元の表記は「をみなへし」と「おとこへし」

名前の由来についてオミナエシ
★男尊女卑の時代は女が雑穀の粟飯などを食べていたのに対して、男は白米を食べていた。
花色が前者は黄色、後者は白であることから、「オミナメシ→オミナヘシ」「オトコメシ→オトコヘシ」と付いたとも言われています。
地方名も「粟花(あわばな)、粟穂(あわぼ)、粟盛り(あわもり)女飯(おんなめし) にちなみます。
花の終わりには、米粒のように見えなくもないので、この説もあるのではないかと思います。
★「へし」は、「へこます、圧する」の意味。「女に勝る美しさがある花」、「男に勝る美しさがある花」からという説。
 また「オトコエシ」は「女郎花」に似た白花なので「男」を付けたという説。

漢方の生薬ではオミナエシは「敗醤」、オトコエシは「白花敗醤」といいます。
薬草 敗醤についてはhttp://www.e-yakusou.com/yakusou/098.htm

    女       

秋の七草

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花     山上憶良   万葉集巻8
(はぎのはな おばなくずはな なでしこのはな をみなえし またふじはかま あさがほのはな)

「佐紀沢」と「女郎花」
奈良県奈良市南部とされており「女郎花」を枕に使ったりして、多く詠まれています。

女郎花 佐紀沢の辺の  真葛原  いつかも繰りて わが衣に着む       詠み人知らず   万葉集巻き7       園芸日記       原発廃炉に向けて

 


月下美人開花(ナイトクイーン)・名前の由来

2011年07月15日 | 草花・植物

ゲッカビジン メキシコ原産のサボテン科クジャク属  常緑             月下美人

「月下美人」の名前の由来は、読んで字のごとく、月の下の美人。原則夜にしか開花しません。
首をもたげて開花し、翌朝はこと切れるように、しぼんで、首を落とします。

由来には、良く言われる、もう一つがあります。
若かりし頃の昭和天皇が、台湾を訪れた時の話。
時の台湾駐在大使であった田(でん)氏(元、参院議員・田英夫氏の祖父)が、昭和天皇にこの花の名前を尋ねられ、とっさに「月下の美人」と答え、この名前が定着と言われています。
不用意に、適当な名前を言ったとは考えにくく、元からあった名前をお伝えしたと考えた方が自然だと思います。

英語ではDutchman's pipeというそうです。「オランダ人のパイプ」という何やら意味不明ですが、パイプのような長い管を出した先端に美しい花が咲きます。

night queen これは誰でも納得する名前だと思います。 
月下美人(ナイトクイーン)開花


 
開花の間中強い香りを出します。
蝙蝠などの訪花に対応しているという記述があります。
花が上を向くのも、蝙蝠媒化の種類の特徴なそうです。
「ヤコウボク」のように良い香りとは言えません。まともに吸いこんだら「息が詰まる」ように感じてしまいます。

《食べる》
開花中の花は、焼酎に付けて「月下美人酒」。この匂いはどうなるのか?
開花後のしぼんだ花は、無臭です。台湾ではスープの具にするそうですが、私はサラダにします。

《実》
実はドラゴンフルーツに似ており、甘いそうです。画像で見る限りは「食べ見たくなる」ような、美味しそうな果実です。
夜に咲く花ので、受粉の機会がなく、そもそも自家受粉は出来ない種。
驚くことに日本の月下美人は大正か昭和に持ち帰られた1本が、挿し木で日本全国に広まったそうです。そもそもみんな同じ親を持つという、驚きの事実です。
※印我が家のも向かいの家からいただいた葉の挿し木です。これでは虫がいても、人工でも結実しないはずです。
現在は別の種類も持ちこまれており、人工授粉で実を取ることも可能なようです。
一昨年葉をいただき、挿し木をしました。
昨年蕾を数個つけましたが、落蕾。
今年ようやく開花しました。茎を切り落とし花瓶に挿しても、開花します。
次の開花は9月を目指しています。

8月に2個開花しました。
この2個は「月下美人酒」にしました。

24年8月15日月下美人開花

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ニワウメ(庭梅)

2011年07月07日 | 草花・植物

バラ科サクラ属  ユスラウメの近縁種

ニワウメ(庭梅)の名前の由来:庭にあるウメに似た木。

花の時期はユスラウメと変わりませんが、実が色づくのは、「ユスラウメ」の実が、すっかり落ちてからです。

盆栽では「リンショウバイ(林鐘梅)」というそうです。林鐘は6月のこと。
「チャイナチェリー」「チャイナベリー」「一歳庭桜」の別名もあります。

万葉では「はねず」と記述しているものもありますが、ニワウメは江戸時代に中国から渡ってきたことを考えると「はねず」は「ユスラウメ」のことではないかと考えられます。
朱華(はねず)色は、くちなしの黄の下染めをし、紅花で染めた、黄みのある淡紅色とされています。

日本の伝統色の由来朱華(はねず)色 より抜粋
紅花染めの黄みのない、明るい赤。唐棣色(はねず色)という。はねずは「ニワウメ」の古名。
この文字の色が「はねずいろ」です。

      

夏まけて  咲きたるはねず ひさかたの 雨うちふらば大 うつろひなむか  大伴家持

思はじと、言ひてしものを、はねず色の、うつろひやすき、我が心かも     大伴坂上郎女

薬用植物です。http://www.e-yakusou.com/sou02/soumm252.htm

 

ユスラウメとその仲間    

 

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