花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

カワラナデシコ・ナデシコ(河原撫子・撫子)/「大和なでしこ」と「なでしこJapan」について

2011年08月18日 | 草花・植物

タカネナデシコ秋の七草の3番目ナデシコ。ナデシコ科ナデシコ属

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花    万葉集巻
名前の由来は、手や足を優しく撫でて、大事に育てたい子供のように、愛らしい花なので撫子。日当たりのよい河原にも多く自生していたので「河原」がつきました。

 

在来種のナデシコに「瞿麦(くばく)」の漢字をあてていましたが、中国の「瞿麦」とは別の花であることに気づき、「撫子」の漢字をあてたようです。薬用としても利用されており、種子を乾燥したものを瞿麦子(くばくし)と言い、利尿作用などがあります。
中国から石竹類が入ってきた時に、中国種を「唐撫子(からなでしこ)」といい、在来種を「河原撫子・大和撫子」といいました。
「カワラナデシコ」は、花期が長く、四季咲き性ということで、「常夏」の古名もありますが、この名前は現在は「石竹」の一種に用いられています。

大和撫子(やまとなでしこ)・なでしこJapan

女子サッカーの愛称を公募。決まった名前が「なでしこJapan」。ビジョナデシコ
何時から日本女性を「大和なでしこ」というようになったのかは分かりません。
「大和なでしこ」という言葉が見られるようになったのは、「古今集」。「山がつの垣ほに咲ける大和撫子」「ふるさとの大和撫子」等ですが、在来種に対する区別をするため、国風文化の誇りとともに使われたのではないかと思います。単なる花の名前の区別以上の意味を持つ言葉になったのは、江戸時代から?
繊細でありながら芯が強い日本女性の美称として、男の大和魂に対応して、使われ出したのではないかと思います。

「なでしこJapan」が活躍した時、花の持つ繊細なイメージとはかけ離れていましたが、諦めずに最後まで頑張るその姿は、3.11で打ちのめされていた私たちの心を、久しぶりに元気づけてくれました。
彼女たちの競技環境の悪さも意に介さず、思いを持って頑張る精神力が、私たちに訴えたものは、大きかったと思います。

「撫子」は、古くから歌に詠まれ「秋の七草」として有名ですが、枕草子には
「草の花はなでしこ、唐のは更なり、大和もめでたし」とあり、良く鑑賞され愛されていたものと思われます。
また、「絵に描くと劣るもの、撫子、菖蒲、桜。物語で愛でたしと言っている男女の容姿」とあります。「絵にするのは難しい位美しい」花と感じていたことがうかがわれます。

江戸時代の空前の園芸ブームの中、品種改良、交雑が進み「珍しきなでしこ」として無数の品種ができました。 
・カワラナデシコ(法苞が3対)エゾカワラナデシコ ・タカネナデシコ(苞が2対) ・ヒメハマナデシコ(日本固有種) ・ハマナデシコ(花弁の先の切れ込みは浅い、葉が広く、肉厚で光沢あり) ・シナノナデシコ(別名ミヤマナデシコ、日本固有種、花弁の先の切れ込みが浅い)に分類されています。
「ビジョナデシコは」別名「アメリカナデシコ」「ヒゲナデシコ」ともいわれますが、従来のナデシコにない美しい撫子という意味で「美女」がつきました。 

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