花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

フジバカマとサワフジバカマ(藤袴と沢藤袴)は、ちょっと違う

2013年11月15日 | 草花・植物

フジバカマは言うまでもなく、秋の七草のひとつです。
この花がもし「秋の七草」に詠われなかったら、これほど名前が膾炙することもなかったのではと思います。
園芸種としての広がりもなかったかもしれません。

長いこと私は「フジバカマ」は、奈良時代に香草として伝わった種類のもので、種類は一つだと思っていました。
草花の本でも、「ヒヨドリバナ」「サワヒヨドリ」「ヨツバヒヨドリ」との違いには触れていますが、「サワヒヨドリ」については、項目がつけられていないものが多いと思います。

最近「「フジバカマ」のブログの記事に対して、「画像がフジバカまではなく、サワフジバカマです」との指摘を受けました。
茎の色の違いが大きな特徴ですが、指摘くださった方のページには、冠毛の長さがはっきり分かる画像がありました。

教えてくださった方のページは、とてもわかりやすく詳しく記載されています。
フヂバカマ 藤袴 ふちはかま 布知波賀万(和名本草)

http://park15.wakwak.com/~ooyabuen/fjbkm8.html

 ←フジバカマ

 

 この頭花を上下を逆さにしたら、袴と足に見える?

 

 ←サワフジバカマ

 了承をいただいて画像を転載しました。

「フジバカマ」ではなく、「フヂバカマ」と表記されている方もいますが、植物名としては「フジバカマ」でよいと思います。
元々の和名は「布知波加麻」と表記していたものが、漢字の使い方の定着により、「藤袴」を当てたようです。


フジバカマ(藤袴)・サワフジバカマ(沢藤袴)

2013年11月06日 | 草花・植物

☆.:*:・''・:*:.☆.:*:・''・ フジバカマ(藤袴)・サワフジバカマ(沢藤袴) キク科ヒヨドリ属 ☆.:*:・''・:*:.☆.:*:・'

奈良時代、香料として唐から輸入したものが野生化した。
葉は3裂する。全部の葉がそうなるとは限らないが、必ず3列の葉が含まれる。

仲間の「ヒヨドリバナ」は、花の色が淡い紫を帯びることがるが、殆どが白。
「サワヒヨドリ」は、茎が分かれず、直立して、頭頂部に1房の花をつける。

乾燥させると桜餅の葉のような芳香を放つ。
(茎や葉のクマリン配糖体が加水分解され、オルト・クマリン酸が生じるため)

「秋の七草」と、源氏物語の「藤袴」からの印象で、庭にぜひ欲しいと思って1本植えたものが、随分と増えた。
こんなに増えるのに、絶滅危惧種に指定されるのは「乱獲」のせい?

花言葉「ためらい」。咲始めはそんな感じもあるが、満開からあとは……。   2007.10.20仙台市「サワフジバカマ」

◆花を乾燥させて、お茶、匂い袋、入浴剤などに使ってみた。逆さにつるしておくと、ドライフラワーになる。

≪別名≫ 香草(漢名)、蘭草(漢名)、香蘭、王者香
≪名前の由来≫ 花の色が藤色で、花弁の形が 袴(はかま)のよう。花の中の筒状花を引き抜いて、逆さにすると、藤色の袴と二本の足に見えるという記述があります。試してみましたが、この形を作るのは難しい。
 ※渡来時は「蘭(ラン・ラニ)」という名前だったが、程なく「ふじばかま」の名前で呼ばれるようになった。

≪薬草としてのフジバカマ≫
■◆■・蕾をつけたものを採取し、2.3日干し、乾燥させてたものが生薬「蘭草」。煎じたものを、糖尿病の予防と治療に、1日数回お茶代わりに飲む。蓮銭草(カキドウシ)、枇杷葉、タラボク(タラノキ)を混ぜて煎じたものは、より効果がある。
■◆■・利尿■◆■・入浴剤 :補温、肩こり、神経痛、皮膚のかゆみなどには、蘭草適量を、布袋に入れて鍋などで煮出してから、風呂に入れて入浴。かゆい場所があれば、この布袋でこする

薬草の参考サイト  フジバカマ

≪香料としての利用≫ 「香草」の別名もあるくらい、香りが利用されたようです。
・乾燥させた藤袴を香袋に入れ、十二単にしのばせる。
・干したものを、水に入れて洗髪。
・防虫剤芳香剤
・戦場に赴く時、藤袴の香を兜に焚き込める。
・中国では、邪気払いに、花の一枝を女の子の簪(かんざし)にしたり、香袋(かおりぶくろ)として身につける。
 
≪山菜としてのフジバカマ≫
花が菊のようにして食べられそうに見えるが、食べられるとした記述はない。
平安時代はお茶として飲まれていたという記録がある。乾燥させて飲むとかすかな香りがある。

2013.11.05追記
先にUp済みのブログを見た方から画像は「サワフジバカマ」との指摘を受けました。
指摘を受けるまで「サワフジバカマ」の存在を知リませんでした。
「サワフジバカマ」は「サワヒヨドリ」と「フジバカマ」が交雑されたものを園芸種の「フジバカマ」として流通させたもののようです。繁殖力が強く、野に逸出してしまい河原や草地で見るのはこの「サワフジバカマが多く、
本来のフジバカマは、野生で見ることは少ないそうです。
我が家の「サワフジバカマ」は随分前のものなので、入手経路が分からなくなってしまっています。
「サワフジバカマ」の特徴は茎が赤く、葉がすべて3裂しています。
http://park15.wakwak.com/~ooyabuen/fjbkm8.html頭花の違いもあるようです。
詳しくはhttp://park15.wakwak.com/~ooyabuen/fjbkm.html">こちらを参照してください

.。o○○o。.  .。o○○o。  ≪文学にみる藤袴≫ .。o○○o。.  .。o○○o。
最初に思い浮かべるのは、万葉集の
「芽子の花 尾花葛花矍麦の花 女郎花また藤袴 朝貌の花   山上憶良
(萩の花 芒 葛花 撫子花 女郎花 藤袴 桔梗)が、万葉の時代から現代まで、秋の七草としてのゆるぎない位置をしめている。

源氏物語30帖「藤袴」では、御簾の下から1本の藤袴が差し出されていることから、庭か近くの野辺にあったものだと思う。
光源氏の使者として玉鬘を訪れた夕霧が、藤袴の花に託して、贈った歌。持っていた蘭(ふじばかま)の花を、御簾(みす)の下から中へ入れて、
 
「おなじ野の 露にやつるる藤袴 哀れはかけよ かごとばかりも」
 「たづぬるに 遥けき野辺の露ならば うす紫や かごとならまし」    
(かえし)
 
★むらさきの ふぢばかまをば見よといふ 二人泣きたき ここち覚えて 
(与謝野晶子)

 ★古今集の3歌はいずれも香りを詠っている

・なに人か きてぬぎかけし藤袴 くる秋ごとに野べをにほはす     藤原敏行
(着ていた服を脱いで掛けたのは誰? 秋が来るたび野辺に良い香りを漂わせて)

やどりせし 人のかたみか藤袴 わすられがたき 香ににほひつつ      紀貫之
(家に泊って行った人の残した形見か、藤袴。忘れがたいと香を残して)

・ぬししらぬ 香こそにほへれ秋の野に たがぬぎかけし 藤袴ぞも   素性法師
(誰のものかはしらねども、野に香が匂う。藤袴を脱ぎかけていった。)

 

 


 

 

 


焼くたびに違う炭焼き・祭田の炭焼き(No5)

2013年11月05日 | 炭焼きと炭工芸

祭田あったか炭クラブのみなさんと、5回目の炭焼です。

2013年10月22日(晴れ)
何を焼くかだいぶ前から用意を始めれば良かったのですが、今年は忙しくて直前の準備。
絶対焼きたい「塩」、変わった形のカボチャ(コリンスキー)、硬い蕾の松ぼっくりだけです。
塩を入れる竹も前日に慌てて購入。

窯には原木を隙間なく詰めるのがポイントです。
隙間があると空気が回って木が燃えるため、灰になってしまします。
着火からは煙の色を見定めながら、2日間ほど焚き続け、煙が無色になったら、焚口をふさいで蒸し焼きにします。

この窯のどこかに、私たちが趣味で焼くオブジェの材料が入った缶が、たくさんの原木と共に入っています。

 
原木入れの合間に付近を散策。
野原にはいろんな草花があって、この時間もまた楽しみな時間です。
今日採集したのはスズメウリ、クサギ、シランの実(多分)
 アケビの弦をベースに、スズメウリをリースに。

2013.11.3(晴れ)
緊張の窯開け。
炭焼き 入り口の粘土を崩すと、炭が焼きあがっていました。

 入り口をふさいでいた粘土は、繰り返し使うことで、粘度が上がるので、大事に取っておいて次回も使います。
 いつも焼いている祭田あったか炭クラブの方でも、開けるときは「不安と期待」が一緒ということでした。
 やはり焼くたびに違い、すっかり同じに焼きあがるということはないようです。

 灰は「草木灰」と呼ばれるもののようです。
 頂いてきたので、来年の畠と、スイセンに使おうかと思っています。

 一斗缶に敷きこんだもみ殻も炭化していて、これは毎年春に畠に鍬き込んでいます。

 

 

貝殻を焼いていた方もいましたが、私が面白いと思ったのは、
左:細長いのがキュウリ、真ん丸なミカン、手袋、ガーベラの花びら。花弁は多分ちょっと触ったら砕けそうです。
真ん中:藁草履。焼けてなくなるかと思ったのですが、形のまま残りました。100円均一の履き古しとのことでしたが、藁が形をとどめるというのが、意外でした。
右:ココナツの殻。鉢カバーとして使っていたものなそうです。来年入手出来たら焼いてみたい候補です。

  

左:工作で作った「車」。ハンドルはマカロニ。椅子は竹です。
   ハンドルを作るのと、フードを斜めに切るのが、難しく手こずりました。
  これぞ本当の「木炭車」?じゃありませんか!   
右:竹塩など。塩を2本焼きました。手前は、竹に収まったままで、まだしっかり炭になっていませんが、これはこれで、料理に使うのに、着色しないので、便利です。
  真っ黒になったのは竹から外れた状態で焼けていました。
  次回は竹を二重の入れ子状態にして、塩を詰めてみようと思います。
「松ぼっくり」はどんな小さいい硬いものでも、やはり開いてしまいます。今年は蕾の芽のような小さい硬いものを焼いたのですが、やはり結果は同じでした。
  

炭焼きも楽しいのですが、クラブのご婦人方が作ってくださる「芋煮」。これがまた美味しい。
おやつに出るジャガイモもサツマイモも新聞紙とアルミホイルでくるんで、ホックホックに焼けています。
そしていつも「晴れ」。なぜか雨に降られたことは一度もありません。

他の「炭焼きと炭工芸」カテゴリーの炭焼と炭工芸」からご覧になれます。