花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

エゴノキ・チシャノキ・チサノキ

2008年11月17日 | 草花・植物

 

 

 ☆★.:・*.・.:☆.★  エゴノキ   エゴノキ科 落葉高木 ☆★.:・*.・.:☆.★ 

別名:チシャノキ、チサノキ。岡山県の県北では、「ちない」
花期:5、6月

≪名前の由来≫身の皮が有毒。これを食べると、喉や舌を刺激して、えごいことからといわれる。
有毒のものや、食べてえぐいものはたくさんあるのに、この木に「エゴノキ」と命名したのは、食べる方法を模索したからではないかと思う。
実を見た人は「このたわわに実る実を食せるなら、一度になんとたくさんの食料を調達できるだろう!」と思うに違いない。そのくらい実付きがいい。

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大木が満開になった晴天の日、いざなわれるように花を真下から見上げる。枝一面に白く垂れ下がった花と、、空と、自分と一体になる。そんな白さだ。
最近は紅花エゴノキのよく見かけるが、エゴノキは「白」がいい。
「エゴノキ科」では、「ハクウンボク」も同じくらいきれいな花をつけるが、葉は「エゴノキ」のほうが、すずやかな感じで、うるささがない。(ハクウンボクの葉はちょっとならず大きい)
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有毒物質であるサポニンを含んでいる果実や根を、水の中で叩き潰し、魚を麻痺させて採取する、魚毒に利用されたとの事である(この漁法は、現在では禁止されている。毒流し漁という。山椒の皮でも行われる)。
種子は硬い殻に包まれている。これをお手玉の中に入れると良い音がする。
幹はは粘り強いので、火であぶって曲げ、「背負い籠」や「輪かんじき」に。又将棋の駒、玩具などに利用される。

若い果実を石鹸と同じように洗浄剤として洗濯などに用いた。


「シダレエゴノキ」もある。

熟すと果皮は不規則に破れて種子が露出する。このこぼれた種子から、かなり発芽する。家の庭にも何本も出てきている。
「歌舞伎の演題『伽羅先代萩』に登場するちさの木(萵苣の木)はこれである。」とあったが、浅学ゆえ分からない。
                      

                            

 


マルバシャリンバイ・ハナモッコク

2008年11月17日 | 草花・植物

 

 ☆.★.:・*.・.:  マルバシャリンバイ  バラ科 常緑低木  ☆.★.:・*.・  

別名:花木(ハナモッコク)、浜椿
花期:晩春~初夏

≪名前の由来≫  花木斛」という別名は、「モッコク(木斛)に似ているからついたと思うが、花は似ていないが、葉の付き方は似ている気がする。
「浜椿」の別名は、ラジオで福島の海岸地方の群生地での呼び名と聞いたが、別の植物で浜椿と呼ばれているものが幾つかあるので、一般的ではないと思う。
枝が、車軸状に一箇所から広がり、上から見た時、丸くて厚い葉が車輪のように見えることと、花が五弁で、梅に似ているので 「丸葉車輪梅」。
このようにきれいな花には、やはり「梅」という名をつけたくなるだろう。花はピンクもある。実はたくさんつくが、食べられない。

 小笠原諸島に自生する厚葉車輪梅」は、更に葉が厚い。        
 丸葉でない車輪梅は、九州南部に多く、鹿児島県の奄美大島では、この樹皮を 大島紬(おおしまつむぎ)の染料として使う。          
枝や根を煎じ、染色に使用する。タンニンを多く含み、その煮汁はしなやかな絹糸と、鉄分を多く含む奄美の泥田成分と相性が良い。


撮影2007.5.27庭
               

 


ワレモコウ(吾亦紅)・割木瓜・吾亦紅

2008年11月05日 | 草花・植物

 :.☆.:*:・''・:*:.☆.: ワレモコウ(吾亦紅)・割木瓜・吾亦紅 バラ科ワレモコウ属  :.☆.:*:・''・:*:.☆.: 

和名  :割木瓜・吾亦紅
花期  :7月~11月 秋の花に分類。秋の季語
      日当たりのよい 草地  30~100cm
      ひとつの花のように見えるが、小さい花があつまっている。花弁は無い
≪名前の由来≫ 諸説あって、真偽はつまびらかでない。
1.神様が赤い花を呼び集める時、この花を加えるのを忘れたので、花が自ら、「吾もまた紅なり」と申し出た言葉が短縮されたとする説。ところがこの説には異論がある。赤い色に「紅」を当てるようになったのは、大正時代の映画で使われて以来なので、この説は当たらないというもの。
2.家紋のモッコウ紋が、割れた形に似ている。和名の「割木瓜」から推測するとこの説が有力かもしれない。この紋は織田信長の紋でもある。
3.根の香りが「木瓜」に似ていて、吾の(日本の)木瓜(もっこう)、「吾木瓜」であるという説。(木香はインドの植物の根。線香の原料として使われる)
4.葉の香りを「吾も嗅ぐ」という説。

≪木瓜紋につて≫━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★━┛

木瓜紋とは(クヮ)紋のことで「木瓜」は当て字である。クヮ)」は「穴冠に果」です。(外字)
「クヮ」とは、地上の穴の中にある鳥獣の巣の事で、紋の形がその巣の割れている様子に似ていることから「(クヮ)紋」と呼ばれる。
(クヮ)紋が木瓜紋と呼ばれるようになった理由は、平安時代に寺院や役所などの御簾(みす)や御帳の周囲に巡らした絹布の帽額(もこう)にある模様を「御簾の帽帳の文」と呼び、この帽帳の音から転じた。
木瓜紋は日本人に愛された紋で、藤、カタバミ、鷹の羽、桐とともに五大紋の第二位にランクされている。
織田信長の、紋は「織田木瓜(おだもっこう)紋」といわれる。


2007.7.28庭・園芸種の姫ワレモコウ


:☆*:・''・:*:.☆.:*:・''・:*:.☆.:*:・''・薬草としてのワレモコウ:・''・:*:.☆.:*:・''・:*:.☆.:*:・''・
10~11月頃、茎葉が枯れるころに、根茎(こんけい)を掘り採り、ひげ根をとり除いてから、よく水洗いして天日で乾燥させます。
この乾燥した根茎を、生薬で地楡(ちゆ)といいます。
タンニンやサポニンを含み、止血剤、かぶれ、腫れ薬、下痢止め として民間薬としても、用いられたようです。


薬草はこちらを参考にしました。http://www.e-yakusou.com/yakusou/899.htm

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夏ごろから咲き始めるのに、「秋の花」に分類されているのは、なぜだろう。秋の野原にススキと共に風にそよぐ様が、印象的だからだろうか。
私は里山近くの草原に、見事に群落を作って咲いているのを見たことがあある。

中秋の名月には、ススキと共にこの花も供えたくなるのも、「秋の花」を、イメージさせる何かがあるのだと思う。
かっては、女郎花と共に、近くの野原に良く見られたが、最近は目にしなくなった。栽培も病害が出やすく、難しい方だと思う。
栽培種には「白」や「ピンク」もあるが、実が房状になったりして、イメージからかけ離れてしまっている。勝手に作ったイメージかもしれないが、徒然草でも「いえにありたきもの」としてあげているのは、やはり普通の「ワレモコウ」である。


「徒然草」
いえにありたききは139段

くさは、やまぶき・ふじ・かきつばた・なでしこ。……あきのくさは、はぎ・すすき・ききょう・はぎ・おみなえし・ふじばかま・しおに・われもこう・かるかや・りんどう・きく。きぎくも。つた・くず・あさがお。いずれも、いとたかからず、さ さやかなる、かきにしげからぬ、よし。

虚子もまた、ひそやかな花として「ワレモコウ」詠んでいる。

われもまた 紅なりと ひそやかに  虚子