花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

青と緑について・緑の黒髪とは

2007年12月01日 | 和風

「髪は烏の濡れ羽色」と「緑の黒髪」表現は違っても同じ色
どちらが日本人の髪の色かと悩む必要はないらしいです。
「緑」の語源がが「水」からきていることから、「みずみずしい艶やかな黒髪」ということになり、不合理な表現ではなくなります。
「髪は烏の濡れ羽色」と言う言葉もありますが、、実際の古代色に「濡れ羽色」と「烏羽色」というのがあります。

濡れ羽色   #000b00 こちらが美しいとされる髪の色で、「黒」よりもさらに暗い色
烏羽色   #180614こちらは少し紫系が入っているようにも見える


◇◆日本の古代4色◆◇
古代の色は「赤青白黒の4色」だったという話を、聞いたことがあります。
この色には「い」をつけた形容詞を作れます。「赤い、青い、白い、黒い」です。
※黄や茶は「い」を付けられるように見えますが、「黄色い、茶色い」というように「色」を付加しなければなりません。
また、この色は音を重ねて、副詞も作れます。「赤々と、青々と、白々と、黒々と」と表せます。
古代日本語では、明るい色は「アカ」、暗い色は「クロ」、はっきりせず曖昧な色は「アオ」、はっきりした色は「シロ」と呼ばれていたようです。
古代の「アオ」は、現在の「青」はもとより「緑、紫、灰色」などの広い範囲の色を指しており、現在の「青」とは合致しません。
それが、中国から「五行説」が入り「「赤青白黒黄」の五色が色の基本となり、次第に色の名前は増え、日本の伝統色として456もの言葉が出来ました。
緑の信号を「青信号」ということからすれば、近代まで緑は青に包括されるか、明確な区別がなかったと思われます。
◇◆「緑色」なのに「青」が付く言葉◆◇
青信号、青い山脈・青山、青物・青果物、青葉、青紫蘇(アオジソ)、青汁、青大将(蛇)、青紅葉、青田、青梅…………
青嵐(あおあらし・せいらん):青葉を吹き渡るさわやかな風
青毛(あおげ)の馬:黒色の馬
青春、青二才、青臭い、青びょうたん
  

  

          みがさやけき
            めのいろも
          きみがくれないの
            くちびるも
          きみがみどりの
            くろかみも
          またいつかみん 
            このわかれ
  島崎藤村「若菜集」高楼(たかどの)より