花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

ユキノシタ・コジソウ・キンセンソウ

2007年06月29日 | 草花・植物

 

ユキノシタ(雪ノ下・虎耳草)) ユキノシタ科ユキノシタ属  

 

≪名前の由来≫いろいろある。・雪のような白い花をかぶって、その下に緑の葉を広げるから。・葉にある白い斑 を雪に見立てた。・垂れた花びらが雪の舌に見えるので「雪の舌→ユキノシタ」。・冬になって雪ノ下に あっても枯れないから。
花の時期に名付けたのなら、一面に咲いた花が雪のように見える。
中国名の、虎耳草(こじそう)は葉の形状が虎の耳のようであることからつけられた。また、金線草(きんせんそう)という名前もあり、紅色の糸のような細い匍匐(ほふく)枝を出すところからそう呼ばれた。
・学名  Saxifraga stolonifera                
          Saxifraga   : ユキノシタ属         
          stolonifera : 走出枝をもつ         
  Saxifraga(サクシフラガ)は、ラテン語の   「saxum(石)+ frangere(砕く)」が語源。 
  尿の結石を溶かす作用がある、とか岩石の割れ目に生える、とかの諸説ある。
利尿作用の硝酸カリウム、塩化カリウム、解毒作用のあるべりゲニンなどを含む。   
≪私が名前をつけるなら≫     「雪化粧」
薬草としてのユキノシタ
古くから民間薬として多用な使われ方をしていたようです。
生薬として使う時はその都度、煎服用には開花時期に採集し陰干し。
耳  :別名「ミミダレグサ」という。耳の痛みや膿みに、生薬を水洗いし、小量の塩でもみ、耳孔に数滴たらす。
虫刺され、漆かぶれ腫れ物、しもやけ、ひび  :葉を火にかざし、軟らかくなったら揉んで幹部にあてて、汁を塗る。
小児のひきつけ :塩で揉んで青汁を飲ませる。
心臓病、肝臓病などの軽いむくみ :乾燥したものを煎じて服用
その他:歯痛、痔痛、授乳時の乳腺痛など、いろいろ効くようです。
ジュースにして飲用することもあるようです。これでアトピーを治した人の話もwebでみました。
一部http://www.e-yakusou.com/yakusou/880.htmから

山菜としてのユキノシタ
採集時期 :一年中(一年中食べられる山菜は、少ない)
部位   :葉
食べ方  
・天ぷら(葉裏に薄く衣をつけて、低温でじっくり揚げる)
・和え物(ゆでて水にさらしてから、酢味噌和え、辛し和え、ゴマ和え)
・汁の実

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近縁種
山間の渓流には近縁種のダイモンジソウあリます。
「ハルユキノシタ」は花期が早く、「ユキノシタ」と同じ。

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小さい頃はどこの家にも「ユキノシタ」があった気がする。特に、石垣の間にきれいな花を咲かせている様は、情緒があった。今の家には石垣がない!
とにかく丈夫な花で、匍匐枝からドンドン栄養繁殖していく。

2007.6.19庭

2007.6.25庭         
                  

 

 


 


シモツケソウ・京鹿の子

2007年06月26日 | 草花・植物

 

シモツケソウ バラ科シモツケソウ属 多年草  

別名 :草シモツケ
同種  :エゾノシモツケソウ、コシジシモツケソウ、オニシモツケ、チシオシモツケソウ、シコクシモツケ

花期 :7月~8月。花木の「シモツケ」と同じ時期に咲いている。

≪名前の由来≫ 花が花木の「シモツケ」に似ているという説と、「シモツケ」(今の栃木)に多く自生するという説がある。

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園芸種の「京鹿の子」は「コシジシモツケソウ」と「シモツケソウ」との雑交配種。「側小葉が付かないが、花は同じだと思う。「京鹿の子」の名前は、京都の絞り模様からきている。鹿の斑点のような模様を ぎっしり並べたピンク色の絞り模様が、花に似ている。
花の終期にこぼれるピンクの粉は、染め物にしたらさぞかしきれいだろうと思う。


京鹿の子2007.6.21撮影庭

web検索の「京鹿の子絞り」

花木の「シモツケ」
http://blog.goo.ne.jp/momono11/e/5c61c0cd46270a709e960e0340aa8afd
                  


シモツケ

2007年06月26日 | 草花・植物

シモツケ(下野) バラ科 落葉低木  

花期 :5月~8月
花色 :白からう薄い紫まであるようだが、普通にみるのは紫がかったピンク

≪名前の由来≫ 地名がつくものは、その地に固有か、そこで発見されたか、そこに多く自生するか、のいずれかとおもうが、これは、下野(今の栃木県)で発見された説と、下野に多く自生するという説とある。

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花びらより長いおしべを持つ、5ミリくらいの小さな花が、密集。そぼろで作った綿飴のように見える。

わが家のはごく小鉢で購入したものを地植えにしたら、自然に円くこんもりとした形ができた。

2007.6.21撮影庭

「シモツケソウ」は、バラ科の花。花がシモツケに似ている。やはり下野に多く自生。
http://blog.goo.ne.jp/momono11/e/5400397cb13a5863373e7c585dd6c30c


こんな話もあるようです
中国名「繍線(しゅくせん)菊」。中国の繍線という娘は、戦国時代、敵に捕らわれ牢獄につながれた父を救い出そうとした。が、生きてあうことがかなわず、墓前に咲くこの木を持ち帰り、花を咲かせた。孝心厚いこの娘の名に因んだもの。
                          


ホタルブクロ・ヤマホタルブクロ・ツリガネソウ・トウロウバナ・チョウチンバナ・アメフリ

2007年06月22日 | 草花・植物

 

ホタルブクロ、ヤマホタルブクロ (蛍袋)  キキョウ科ホタルブクロ属  

別名  :つりがねそう・とうろうばな・ちょうちんばな・あめふり・漢名は山小菜
花期  :6月 蛍の出る頃、梅雨の時期
花の色 :白から濃い赤紫まで多様山蛍袋は関東から北。蕚片のひだがめくれていなければ「山蛍袋」

≪名前の由来≫  一般的には、捕まえた蛍を花の袋に入れたことから、といわれている。また、蛍がこの花の中に入って、光っていることからの説。また、提灯のことを「火垂(ほたる)」といい、その形に花が似ているという説もある。

英語では「bellflower(鐘の花)」という。
学名 Campanula punctata Campanula : カムパヌラはラテン語で「小さな鐘」
・''・:*:.☆.:*:・''・:*「あめふり」について・''・:*:.☆.:*:・''・

「蛍袋」を、「あめふり」というのは、私の地方(宮城)だけなのか、もっと広範囲なのか分からないが、子供のころはこの名前しか知らなかった。 蛍は夏場には沢山出たが、花に入れたのは蛍より「梅干し」の時が多かった。家の近くにあったのは「白花」だけだったが、この中に梅干しを入れると、花が赤く染まる。口の中に入れて、袋の中身を少しずつ吸いながら、すっぱい味を楽しむ。
私にとっては「梅雨のお知らせ花」が、「あめふりばな」。本当にピッタシ梅雨入りに合わせて咲きます。

  
ひだがめくれてないので「山蛍袋」と思われる。梅雨入りの6.21に撮影。庭

 

           「西洋蛍袋」と、家人が言う。「カンパヌラ」にふさわしい花だとは思うが、この名前の園芸種はもっと小さい花をつけて、今満開。写真のものは6.11に庭で撮影。「ホタルブクロ」より随分前に咲く。
                         

 


ユスラウメ・ウメモモ・ユスラ・ニワウメ

2007年06月17日 | 草花・植物

 

  ユスラウメ バラ科サクラ属  落葉低木  


別名:梅桃、山桜、ゆすら、コリアンチェリー、チャイニーズブッシュチェリー
    園芸店では「ユスラウメ」を求めたら、「ニワウメ」を販売されました。
    同属ですが、花色、実の付き方、薬効も違いました。

2007.4.17庭

2007.6.16庭

 

 


花期4月 
果実6~8月
≪名前の由来≫ 幹を揺すると、簡単に実が落ちることからという説が一般的。朝鮮語の「移徒楽(いさら)」がなまって、「ゆすら」になったともいわれている。   
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枝いっぱいについた宝石のように赤い実。「さくらんぼ」のようには大きくはないが、形も味も「さくらんぼ」に似ている。
目をつぶって、「この実はなーに?」といって試食したら、「さくらんぼ?」の答えが返ると思うくらい、似ている。完熟した実はもちろんだが、ちょっと手前でも渋みがないので、食べられる。この渋みがないというのは、結構この実の長所だと思う。グミのように本当に完熟しても渋みが残るものは、ちょっと敬遠してしまう。
私は大好きなのだが、家人はあまり食べない。どうしてこんな美味しい実を食べないのかと不思議に思う。飽食に馴れ、口が贅沢になりすぎているからだと思う。
手入れをしなくても、沢山実をつけるので、ジャムにして冷凍保存をしたりする。
果物として店頭で売られることはないので、ある意味、贅沢な食べ物ともいえる。ヒヨドリと競争で食べることになる。


オオヤマレンゲ

2007年06月15日 | 草花・植物

 

オオヤマレンゲ(大山蓮華) モクレン科 落葉大低木  

≪名前の由来≫ 「大山」は、大群落のある大山連邦から。「蓮華」は花の形が「ハス」に似ていることから。「オオヤマレンゲ」の葉の形とつき方、花の格調の高さも、この名前の由来の一端ではないだろうか。深山に静謐に佇むこの花を見た時、仏教に関わりのある「蓮華」を連想したのかもしれない。
「ウケザキオオヤマレンゲ」(受咲大山蓮華)は、花が上を向いて咲くの意。

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山口県では絶滅危惧1A類に分類されてる。日本人好みの花らしく、盗掘が多く、自生は減少しているようだ。
園芸種は「ホウノキ」に接ぎ木してあり、継ぎ目から元の「ホウノキ」の芽が、出やすい。もともと萌芽力の強い木なので、早く取り除かないと、ホウノキの方が大きくなってしまぅ。
「ウケザキオオヤマレンゲ」は、「オオヤマレンゲ」と「ホウノキ」の雑種といわれている。
園芸種では、八重咲きの「ミチコレンゲ」というのもあるらしい。


2007.6.2庭

茶花の本でこの花を見つけた時、その気品に惹かれ、庭に植えた。花の命は短くて……「一日花」に近いが、蕾から開くまでの間が、わくわくする花である。

                                 


ニシキウツギ・ハコネウツギ・タニウツギ・ヤブウツギ

2007年06月14日 | 草花・植物

 

ヤブウツギ(藪空木) ニシキウツギ(ニ色空木)・ハコネウツギ(箱根空木)・タニウツギ(谷空木)  
スイカズラ科 落葉低木   花期 5~6月

≪名前の由来≫
「二色空木」 
漢字表記が示すとおりなら、白と赤の二色ということになるが、本当にそうだろうか。オフホワイトから、薄桃、赤紫と変化する様は「錦空木」のほうが、似合っていると思う。私は「錦」と思い込んでいたし、勝手に「五色空木」などとも、いっていた。
「箱根空木」 箱根に自生するのかと思いきや、箱根にはない。海岸近くに自生する。なぜ「箱根」の名前がついたかは不明。
「谷空木」 山地の谷といわず登山口に程近いところにいくらでも咲いているが、里から見たら、谷地に多かったのかもしれない。あるいは、桃色に垂れ下がる枝の様が、「谷」を連想させたのかもしれない。
「藪空木」 藪に自生するからと思われる。

ニシキウツギ・ハコネウツギ・タニウツギ・ヤブウツギ

ニシキウツギとハコネウツギは、どちらも花の色が同じに変化するので、見分け方は難しい。自生地と、葉の状態、花の形で見極めるらしい。
タニウツギとヤブウツギは花が咲けば間違わない。

ハコネウツギ: 花の筒の部分が中央付近から急に太くなる。葉の色が濃く厚い。
ニシキウツギ: 花の筒は根本から次第に太くなる。葉裏中央脈に毛。
タニウツギ  : 花の色がピンク。日本海側とあるが、宮城にも沢山自生している。
ヤブウツギ  : 花の色が赤


2007.6.14撮影「庭」

写真のものは「ハコネウツギ」と思われる。

。o○○o。.  .。o○○o。.

満開時は、かなりカラフルなのに、楚楚とした感じがするのは不思議。
家のは「箱根」か、「二色」ははっきりしないが、どちらでもかまわない。花を楽しむのに、そんなこまいことは関係ない。
里山で見る「タニウツギ」も、きれい。梅雨の前に、登山口付近でピンクの木を見つけたら、大抵「タニウツギ」である。

挿し木で簡単につくし、成長もかなり早い。

 


バイカウツギ

2007年06月10日 | 草花・植物

 

☆.:*:・''・:*:.☆ バイカウツギ(梅花空木) ユキノシタ科 ☆.:*:・''・     

空木と名のつくもののうち、クウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギ、ガクウツギ等があるが、これらは「ユキノシタ科」のようだ。
他に、空木と名のつくものには、「スイカズラ科」「バラ科」「ドクウツギ科」のもがあるがあるが、茎が空洞になって空いているものには、「空木」の名がついているものが多い。
前に「木釘」として使われるくらい、硬い枝だというのも読んだ記憶がある。
確かに枝は硬く、乾燥させると、「いぼ竹」の代わりに、草花の支えにも使える。
新芽が1メートル以上も伸びるので、切って乾燥させている。

とにかく花が美しい。
撮影2007.6.5 庭
雨上がりの夕暮れ時の満開の花は幽玄の世界に誘ってくれる。
香りも淡く優雅である。

名前に梅花とつくのは、花が梅の形をしていることだが、この名前をつけられた植物は実に多い。
奈良時代は「うめ」、平安は「むめ」と表記し、古来から日本人は桜と梅をこよなく愛し、詩歌にも多く歌われてきた。

                       


 


クマガイソウ(熊谷草)、ホロカケソウ(母衣掛草)、アツモリソウ(敦盛草)・名前の由来

2007年06月08日 | 草花・植物

 ★.:・*.・.:☆.クマガイソウ(熊谷草)・アツモリソウ(敦盛草)  ラン科アツモリソウ属 ★:・*.・.:☆.

 花の名前に興味を持った最初の花が「クマガイソウ」。ブログやHPで公開しようと思ったのも、この花がきっかけというわけである。
大きく広げた二枚の葉が特徴的。葉の中心にふくっらしたピンクの唇弁を一つ咲かせる。「アツモリソウ」は花の形はよく似ているが、葉が「エビネ」や「シラン」に似た細長い楕円形をしている。福島県に群生地があり公開している。知人が写真をとってきたが、それは見事な群生地である。環境が良ければよく増えるようで、我が家も2本いただいたものが、毎年よく増え花も付いている。

≪名前の由来≫

クマガイソウ ふっくらとした唇弁を源平の合戦のさい、平敦盛を討った、熊谷直実が背負った弓矢を、防ぐ母衣(ほろ)に見立てた。母衣は、後方からの流れ矢を防ぐ武具。敵同士で、方や打ち滅ぼされたアツモリソウの属というのが、哀しい敦盛を慰めているようで、名付けた人の心根がしのばれる。

タイワンクマガイソウ 自生地が台湾であることと、葉の先端が尖っていることと、花弁の色が白いこと。他の特徴は同じ。

アツモリソウ クマガイソウとの比較でやさしい姿を敦盛に譬えている。

 福島県にクマガイソウの群生地があり公開しているようです。知人が写真を撮ってきましたが、それは見事な群生地でした 。 群生地はここだと思う

 

2007/5/5撮影

  
2008/05/08撮影                 「アツモリソウ」

 

 

ずいぶん増えてきた 2010/5/8

2012.05.06

今まで「クマガイソウ」だと思って育てていましたが、葉の形、側花弁、唇弁の色をよく見ると「タイワンクマガイソウ」でした。
タイワンクマガイソウの葉は先端が少しとがっています。クマガイソウは丸くなっています。
花弁はタイワンクマガイソウは白、クマガイソウは黄緑色です。
タイワンクマガイソウの方が小ぶりとありますが、我が家のものは、店で売られている「クマガイソウ」よりかなり大きな花です。

2012.05.09追記