さっきまで
モこ助が爺のひざの上で
すやすや
男同士でいやらしい...
モこ助が人間だったら
そう言われるかも知れない
二人の間はまさに蜜月
爺の肩で…
爺のひざの上で…
爺のベッドで…
すやすやと眠ることが多い
先日のおもらし事件
モこ助に
濡れ衣を着せてしまったゆえ
さする爺の手もやさしい
女性のツボ
これはいまだ模索中だが...
モこ助のツボは知り尽くしてる
正対して
両手で首の辺りを揉み解す
すると彼の目は
気持ちよさそうになり目がトロリ
ゴロゴロのどを鳴らす
女性もこのぐらい楽なツボ
それがあれば
そしてそれを知りえたら
爺はまさに夜の帝王
爺似の子供が
この辺りにウジャウジャ
現実は厳しい
せっかくつかんだツボも
マンネリの声でぶっ飛ぶ
思えば7、8年前
ふらっとお店にやってきた彼
出前の食事を与えたら
毎時間その時間にやってきて
爺のおかずがない
そんなときがしばらく続いた
だけどその時は
よく来る野良ちゃん達の
その中の一匹
まさか彼が
我が家の一員になろうとは...
そう思ったわけはただ一つ
わが妻が猫嫌い
いや動物嫌い
それに他ならない
結婚するに当たって
当時かわいがってた猫
彼女の放逐を主張し
叔母宅へ養子に出した経緯から
我が家に猫を飼う
そんな事はありえない
そうあきらめていた
ある日
聞いたことのないうめき声
車の下から聞こえてきた
右足がブラブラ
口からは出血
それを見た妻が豹変した
うなるモこ助を抱きかかえて
爺をせかしての動物病院へ
通うこと2週間
当然飼う事になりました
右足骨折
舌の4分の1がちぎれてる
人なっこいモこ助
心ない人にやられたらしい
それにしても
猫嫌いの妻の意外な変身
爺もいつか大怪我をして
妻の愛を得たい
そう思ってしまえるほど
今ではモこ助は
彼女にとっても欠かせない
仕事から帰って
にゃ~ん
その声で疲れも癒される
妻も爺も同じ
今爺の顔は苦痛でゆがんでる
爺のパジャマの右ひざ辺りに
うっすらと血がにじんでる
たくし上げると
長さ5センチの傷
妻が部屋に入ってきて
寝てたモこ助が突然
起きて走り出したのだ
その際
爺のひざを思い切りキック
そしてにじむ血
しかし爺の愛情は
この位でびくともしない
と言うか顔は笑ってる
いい事を思いついたのだ
今度モこ助を妻が抱いてるとき
わざとつまづいたりして
モこ助を驚かせたら...
果たしてどうなるか?
ちょっと危険な匂いがするものの
やってみたい気がマンマン
何といってもこの寒い時期
爺とモこ助は同志なのです