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爺の遠吠え

思いつくままに
 遠吠えできたらいいなぁ~

汝の名はベイスケ

2009-01-28 | Weblog

一旦刷り込まれてしまうと
後でそれが無意味なもの
そうわかっても
なかなか元には戻せない

いつだっただろうか?
霊柩車が走るのを見て
誰かが
「親指をにぎって隠しなさい」
「そうでないと霊がとりつく」
そう言った

以来数十年
霊柩車を見ると自然にそうする

とはいっても
誰かがその時
「舌を出しなさい」
そう言っても
それは実行はしないし
今もそんな事はしないだろう

刷り込まれることは
何かしら
納得することがあるのだろう

割烹Kのおやっさん
食の知識が豊富で
よくそのウンチクを聞かされた
その中の一つイケス
当時生簀を売りにした店が
ドンドン出来ていた時
しかしおやっさんは
イケスの
デメリットを熱心に数々語る
しっかりとその知識は
刷り込まれてしまった

やがておやっさん
大きなお店を新築
何と
そこには堂々とした水槽
売りは生簀料理と相成った

皮肉なことに
刷り込まれた知識は
なかなか消去できない
彼の新しい店へ足は遠のいた

昨年の夏
迎えの居酒屋の店長が独立
新規開店した店割烹「花K」
日祝日がお休みなので
行く機会に恵まれなかった

昨年末
「来年から日曜日開けます」
そう言われて
日曜日開店を勧めてた手前
行かざるを得ない

初めて行ったのは1月4日
以来熱を出した18日以外
全日曜日通ってる

その最大の理由は
妻がとても気に入ったこと
新しい店に行きたがる妻ゆえ
同じ店に行くのはめずらしい

彼の店には生簀がある
爺達けっこう刺身は食べてる
それなりの味もわかるつもり

盛りあわされた造り
その中で一つ
わからないものがあった
それがアナゴのお造り
こちらではベイスケという
特大アナゴのお刺身なのだ
もっちりしていて
しいて言えばふぐの食感
美味の一言

そして驚いたのはあじの刺身
水槽から取り上げて
捌いてたのは見えたが
爺がいつも食べるあじとは違う
何度も言うけど
結構爺はいいもの食べてきた
それなのにこのアジのアジは?
...って
駄洒落てる場合ではない

ここでマスターのウンチク
絞めてから
死後硬直が始まるまでを
活かってる
と言い
あじは
活かってる時が一番うまい
その時間は短いので
一般的な刺身は
死後硬直した後
つまり締まってから食べるので
このおいしさは伝わらない

但し
魚も絞めてすぐおいしいもの
絞めてしばらくしておいしいもの
それぞれある
なるほど

爺たちのホームだった割烹S
今はもうない
やっとめぐり合えた
この割烹花K
後継になりそうな予感がする

それよりも何よりも
食に大満足してる妻
今年は一度も
「次行こう」って暴れない
あじの刺身ばんざ~い
あなごのさしみばんざ~い
そして素直な妻にばんざ~い