蜂の世界は
女王蜂と働き蜂
いづれもメス
そして残るはオス蜂
爺の来世は
オス蜂でもいい
そう考えるようになった
色は真っ黒
することは何もなし
女王蜂同様
全て働き蜂がしてくれる
毎日が
食っちゃ寝、食っちゃ寝
余り生存競争もない
爺的な憧れは
そのずぼらさではない
彼らの役目は当然
他の動物と同じく
子孫を残すこと
彼らの存在理由は
女王蜂とのセックス
一世一代のセックスは
命を賭ける
交尾が成就すると
男根を女王蜂の体内に残し
下半身が爆発する
壮絶な最後
爺はこれにあこがれる
下半身か爆発する程の
セックス
したことある?
それにたとえ死すとも
はっきりとメスの体に
くさびを打ち込む
男冥利に尽きるではないか?
あなた
ちゃんと打ち込んだの?
そういうブーイングから
永久におさらばだ
たった一つ難点と言えば
武器を持たないこと
オス蜂には刺すハリを持たない
だから外敵には無力
さぁ~
一世一代のセックス
そう意気込んで
飛び立ったものの
外敵に遭遇
哀れ一巻の終わり
そうなっちまったら
今の爺と余り変わらない
