曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

115系満喫の旅(TSUBAMEツアー) その23

2013年11月16日 | 電車のお話
【その23】
 
青梅線は青梅から奥多摩の間に数ヶ所断崖がある。見下ろすとゾッとするほどの高さのものだ。その一つが川井駅の近くのもので、私はドアのところに行き、じっと下を眺めた。
 
この辺りでトイレが使えなくなる。最初に6号車で、次いで3号車。ときおりトイレットペーパーの補充を行っていたカシオペア運転士のYさんに故障の原因を聞くと、流す水がなくなってしまったということ。115系でもこの編成はトイレに特別な修繕をしていて、そのために一旦トラブルが起きるとすべてのトイレが使えなくなるということ。改善ではなく改悪がされていると、Yさんはいつものにこやかな表情で教えてくれた。ホントにいつも思うが、詳しい人というのはいるものだ。私はツアーに行くたびに主催の渡辺さんや、このYさんから知識をもらっている。
 
宮ノ平では元々1分30秒停車でトイレ休憩となっていたのだが、車内のトイレの故障で全員が降りることなり、大きく遅れる。
 
青梅駅をすぎるとき、同情している青梅駅長さんに感想を伺おうと思ったが、野暮なのでやめた。職場を通り過ぎたからといって、別段なんということもないだろう。
ここからは平凡な住宅地。雲ってもいて、なんということない車窓だが、思い出深い沿線なので、じっと眺めていた。
 
15時56分30秒、立川駅に到着。ここでは26分30秒停車する。せっかくだからホームの「奥多摩そば」で食べようということになり、すいている立ちそば屋に皆で入っていく。客のほとんどがTSUBAMEツアーの客。みんなで、どれにしようなどと言いながら、賑やかに注文していく。お店のおばちゃんは思わぬ盛況に喜んでいた。もうちょっとすれば場外馬券場からの客で多少混みあうだろうが、この時間の一儲けは気分がいいだろう。
この店のウリのおでんそばを食べる。他の人も次々頼み、おでんの具がなくなって一種類だけになってしまった。
醤油の濃いスープで、麺がちょっと固めの感じがした。もしかしたら客が殺到したからだろうか。
一人カレーを食べていたが、少数派というのは妙に美味しそうに感じるものだ。
どんどん客が入って来るので邪魔にならないよう急いで食べ、店を出る。渡辺さんと、ツアー客で一杯になっている店内を見て笑いあった。
 
 

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