曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

だいだい色の車両

2010年11月27日 | 電車のお話
 
月日はどんどん経ってしまうもので、だいだい色の中央線、201系がなくなって一ヶ月が過ぎた。
 
 
親友のこうちゃんが、自身のブログに載せるので「だいだい色の中央線」に熱い思いを語ってくれと言う。すごくうれしい依頼だが、私は少し困った。こうちゃんは山王病院の脳外科医で、脳脊髄液減少症という難病に取り組んでいる。そのブログはその難病に悩む人たちにたいへん役立ち、貴重な情報源にもなり、希望にもなっている。そのようなところに、一人の男の鉄道話など載せてしまっていいのだろうか、と。
 
しかしせっかく与えてくれた機会なので、私は変に気取らず、ありのままを書いて載せてもらった。アクセス数の多いブログなので、読者の中には、中央線に縁がある方、鉄道の好きな方などがいると思ったからだ。そうした人たちのちょっとした息抜きになれば、私としてもうれしい。
 
 
http://www.takahashik.com/blog/2010/11/post-288.html
 
 
こうちゃんのブログは病気のことだけでなく、自身の趣味のことにも多く触れていて、読みやすい。私のブログを読んでくれている方々にも、読んでいただければと思っている。
 
 



〔和光市〕 映画 「Railways」

2010年11月07日 | 電車のお話
 
先日、Wさんからお誘いを受けて、映画「Railways」を観に行った。
 
「Railways」は島根県を走るローカル鉄道の一畑電鉄で、49歳で運転手になった男の話だ。本は読んでいたが、映画は観ていなかった。Wさん、鉄道の映画ということで、誘ってきてくれたのだ。
 
場所は和光市だという。「あれっ、東上線に映画館なんてあったかな?」と思ったが、和光市には『シネサロン・和光』という団体があって、映画館のない和光市で映画文化を根付かせるべく、市民文化センターで年3回上映会を行なっているというのだ。
 
 
私は何度か乗換えをして、日の暮れた和光市に辿り着いた。西口ロータリーは広い。おそらく東上線の駅では最も広いのではないか。
 
Wさんが車で迎えに来てくれて、10分ほど走って会場に到着。会場に入って間もなく映画が始まった。
 
本で内容は知っていたが、映画には映画だけが持つ味がある。私は本が好きで、映画を観るならその原作を読みたいというタイプだが、この「Railways」に関しては映画の方がよかった。おそらく、最初に映画ありきの本だったからだろう。それに電車そのものが主人公と言ってもいい映画なので、大画面の映像や鉄道に関する音響が、実に効果的となっている。2時間ちょっとの映画だが、まったく長さを感じさせなかった。
 
鉄道の魅力の一つは、郷愁だと思う。街並みは一つ一つが小さくて変化が可能なので、時とともにころころ変わってゆく。店舗、住宅、道路、車、歩く人の服装……。たいした時間や費用をかけずに変われる。でも鉄道はそうそう変われない。電車や駅や線路は、周囲が変わっても、ほとんど変化せずに毎日動き続ける。だから人々の心の中に、しっかりと残る。
自分の子供の頃や学生時代の景色のなかに、鉄道はしっかり記憶に残り、ヘタをすると(うまくすると)今もそれが残っていることもある。「Railways」の一畑電鉄は鉄道ファンの間でも有名なローカル線で、全国的な郷愁を生むが、日本中を走るどの電車にも、その土地に関わった人たちに郷愁を与えていることだろう。
 
 
映画に誘っていただいたWさんは主催者の方とお知り合いで、私もほんの少し話すことができた。主催をするにはさまざまな苦労があるはずなので、苦労をしてでも上映したいという映画に対する愛情を、いずれ機会があったら聞いてみたい。
 
終電近く、Wさんに感謝しながら、乗換えを繰り返して家に戻っていった。