曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

115系満喫の旅(TSUBAMEツアー) その18

2013年10月13日 | 電車のお話
【その18】
 
高麗川を出たところで、「次は奥多摩~」と車内放送。車内で笑いが起こる。
 
当然のことに、撮影者が折り返しも狙って残っている。入間川に架かる橋の上の絶好のポイントには、ずらりと人が並ぶ。手を振りたいところだが写真がイロモノ的なことになったら申し訳ないので自重する。
 
こういう、もう今後はないだろうという珍しい列車を撮るのは撮影者として頭を悩ませるところだろう。先ほど停まった高麗川駅では乗務している方が気を利かせて「快速」の表示にしてくれ、高麗川駅をバックにたくさんの人が撮影していた。こういうものをいろいろと撮りたければ乗車するのがイチバンだが、やはり撮影を主流にしている鉄道ファンとしては景色をバックに走っているところを撮りたいだろう。そうなると一点で待つしかない。あれもこれもとは撮れないのだ。
 
拝島駅に着く。青梅線と八高線のホームの間には何本か線路があるが、先ほど停まっていたのより一本青梅線のホーム寄りだ。先ほどが「上2」で、今停まっているのが「上1」というらしい。ここもまた、客を乗せた列車が入ったことはないだろう。
まだたくさんの貨物が走っていた頃、ここにはいつも汚れた無蓋車が待機していた。そしてそれを引く機関車も行き交い、線路上には作業員や職員が動き回っていた。私鉄とも直接乗り換えできる跨線橋は長く、その田舎のターミナル駅然とした雰囲気が好きだった。今は駅ナカも整備されてきれいになり、当時の面影はほぼ消えてしまった。それを残しているのは、ホームの間の、無駄と思えるような線路くらいだ。
 

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