曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

NAWOさんの個展 その3

2014年03月10日 | 彷徨う
NAWOさんの個展 その3
 
温かくて美味しいコーヒーを飲みながら、絵に囲まれてのお話は心落ち着くひと時だ。
お店の方も加わっていただいての会話だったので、閉店時間が迫っているのにゆったりと寛げてしまった。
お店の方々もアーティストで、なるほど、どうりでお店の内装がしゃれているわけだと納得がいった。お客さんもまた、とてもそうは見えないようなアクティブな校長先生が来ていたりと、この周辺の文化の中心になっているようなお店だった。
入口に飾られている観葉植物が印象的で、聞くと「コケ玉」だという。苔が玉状に丸くなっているのだ。
 
NAWOさんの個展は当初3月8日までだったのが、好評で29日まで延長されるとのこと。詳細は以下のとおり。
 
日時 2月12日~3月29日 11時~18時(最終日17時・日曜祭日 休)
場所 Bakery Café & あーとの国 art+プラス(埼玉県東松山市和泉町3-15)
 
お見送りを受けながら、NAWOさんとお店をあとにした。
ヤキュウ神社の前までお話しながら歩き、そこで別れ、まつやま書房さんへと向かう。
コンビニでいつものように差し入れのビールを買い、暗い住宅地を進む。やはり想像していたよりも雪が少ない。
 
まつやま書房さんへの訪問は、この年初めて。あいさつをし、カンパイする。
東松山、雪はたいしたことないですねぇと言うと、社長は笑うがトモさんは顔をしかめる。なんでも雪かきに追われてすっかり体調を崩してしまったということだ。八王子の降りが異常だっただけで、ここはここでたいへんだったのだろう。
深々と冷えるので、ビールからお湯割りに切り替える。おでんの温かさが身体に伝わるので箸が止まらない。
ある程度の時間になると、いつもはトモさんと2人で外飲みと相成るのだが、この日は体調が快復していないということでわりと早めに切り上げた。
 
客がいなくてピーンと張り詰めたような東上線の車内。川越まで揺られ、ブック・ファーストに寄ってから西武線に乗り換える。せっかく時間が早いからもう一軒行くかと、新所沢で降りて「喜ごころ」へ。こういったバーにはまだ早い時間だったので、客は私ひとり。ハジメちゃんとあれやこれやと話し込んでしまって、1杯のつもりが5杯となり、終電で帰宅となったのだった。
 
(おわり)
 


NAWOさんの個展 その2

2014年03月09日 | 彷徨う
NAWOさんの個展 その2
 
駅の階段を降りて急ぎ足で向かう。雪で歩きにくいだろうなぁと思っていたが、意外にも八王子と比べてほとんど雪がないと言っていい状態。今年最初の雪では、降った翌日に地元の呑み仲間、佐々野慈音氏の針穴写真の個展で狭山市に行き、たいへんな目にあっていた。そのことがあったので、てっきり埼玉は雪で埋もれていると思っていたのだ。
 
10分ほどで、会場の『Bakery Café & あーとの国 art+プラス』さんに着く。通りに面していたのですぐに分かったが、おしゃれな雰囲気で躊躇してしまう。しかし中からNAWOさんが手招きしてくれたので、安心して入っていった。
 
あらためて、NAWOさんとお店の方にあいさつ。その後NAWOさんに解説していただきながら、展示されている絵を見ていった。
NAWOさんの絵は色彩が華やかで、暖かみがある。神楽坂の小道や日野の菜園、吉見の自宅風パン屋さんなど、実際の景色を見ればなんということのない場所なのだろう。しかし繊細なスケッチと淡く明るめの色付けが、まるで観光地かのように感じさせてしまう。
スケッチをしたときの状況や、その絵への思いなど、贅沢な解説付きで鑑賞させてもらった。
 
そして美味しいコーヒーを飲み、閉店ぎりぎりまでお話させていただいた。
 
(つづく)
 

NAWOさんの個展 その1

2014年03月03日 | 彷徨う
NAWOさんの個展 その1
 
 
少し時間が経ってしまったが、2月21日金曜日は埼玉県の東松山に。
 
『東上線各駅短編集』の表紙と裏表紙を書いていただいたNAWOさんから、個展を開くという連絡をいただいた。これはぜひとも行きたい。NAWOさんの個展は昨年の初夏、とても暑い日に伺わせていただいたのだが、明るい色使いの、青空にぴったりの絵が並んでとても印象に残るものだった。寒い日が続く中ではどう見えるのだろうかと興味があった。
 
予定していた21日は運悪く、八王子で用事が入ってしまった。しかし距離こそ遠いものの、東松山までは川越で一回乗り換えるだけと行程は単純なもの。私は早めに用事を終えると八高線で北上していった。
八高線からの車窓は一言で言うととにかく平坦。街並みや住宅の少ない首都圏のローカル地帯を走るが、しかし山は迫っていない。邪魔となるものがないので、左右どちらの車窓にもだだっ広い眺めとなっている。
横田基地に茶畑。雪が残っていて白一色。車内はすいていて、金子をすぎた辺りで私はうつらうつらしてきた。以前はすきま風だらけで寒かった八高線も、電化された部分に関しては乗り心地がよくなった。
電車に揺られての居眠りは気持ちのいいものだが、しかし的場駅付近で架線のトラブルということで眠りから覚まされる。NAWOさんの個展は会場が喫茶店で、閉店時間が18時。間に合うかどうか心配で、眠気が吹き飛んでしまった。
それでもなんとか電車が動いてくれ、川越に到着。そこで急いで東武東上線に乗り換えた。
今度東上線では席が埋まっていて立っていたが、こちらも平坦な眺めだ。しかしこれは下りに乗っているからで、都心まで通じている重要な通勤電車のこと、和光から池袋までは建物が迫って見渡すような眺めとなっていない。
 
17時ちょっと前、東松山に到着。改札を出てヤキュウ神社側に早足で向かう。しかしそこで雪の重みでひしゃげてしまった自転車置き場の屋根を見つけ、急いてはいたけど私は立ち止まった。
屋根は思わず見事と言ってしまいたくなるくらい、きれいにV字にへこんでいる。あれ、だいぶ長いものだが、しかし撤去するしかないだろう。たいへんな作業になるに違いない。
私は一枚写すと、また早足で歩き出した。
 
(つづく)
 


吉祥寺をふらふらと

2014年01月25日 | 彷徨う
久々に時間が空いたので、のんびりと吉祥寺を彷徨う。
 
今週はずっと、土曜は季節はずれの暖かさですよと伝えていた。ところが家から出るとそれほどでもない。手がかじかむというほどではないが、ぽかぽか陽気というわけでもない。一枚脱いできてしまったことを後悔する。
 
吉祥寺に着いて、まずは『ブック・ファースト』さんをちょっとだけ見る。ここでは購入はなし。
北口に出て三鷹方面に向かって、小道をしばらく歩く。陽気がよくなるという情報もあってか、人通りは多い。昼だったのだが、どの飲食店も順番待ちだった。
古書店の『百年』さんへ。階段を上がると、ブックカバーのサービスがあるという案内が。これはせっかくだから、最低1冊は購入しようと思いながら扉を開ける。
落ち着いた雰囲気の店内に、長居する。計3冊購入し、そのうちの1冊に緑色のきれいなカバーをつけてもらった。いつも『月に吠える』のカバーをしていて、それがえんじ色なのでとても派手に感じる。
 
吉祥寺通りを渡ってアーケード街に戻り、今度は『ブックス・ルーエ』さんへ。2階に上がってフェアの棚から小説を1冊購入。ここのポップはいつも魅力的な文言で、長居すると次々購入してしまうことになる。なのですぐに退散。
 
駅前の大通りを渡って大型家電店の裏にまわりこみ、古書店の『すうさい堂』さんへ。流れるブルースが心地好い。2冊購入。
 
再びアーケード街に戻り、西友の前の中古CDショップ、『Atmosphere』さんへの階段を降りていく。
80年代のところにメン・アット・ワークがあったので、懐かしく思い購入。この前『月に吠える』にオーストラリア人のカップルがいて、英語は話せるかと聞かれたので「アイ・カン・スピーク・イングリッシュ」と返答して片言で話したのだが、メン・アット・ワークもリアルライフもミッドナイト・オイルも、こちらが挙げたミュージシャンがまったく分からないと言われた。歳を取ったもんだなぁと思わされた。
 
古本屋もCDショップもくまモンショップも、まだまだ訪ねたい店があったのだけど、気ままな彷徨いであんまり根をつめてもと思い、そこで吉祥寺をあとにした。
 

古本屋ツアー・イン・ジャパン・イン・横浜 懇親会

2014年01月05日 | 彷徨う
 
古本屋ツアー一行は無事に古本屋めぐりを終えて、これから懇親会。お一方、おしゃれな男性氏がこのあと所用ということでお別れし、9人で呑み屋へと向かう。
 
しかし初めての場所は方向感覚がつかめないものだ。私はずっと関内駅に向かっていると思ったら、桜木町方面だった。通りにワッと人が増えたと思ったら、場外馬券場があった。
 
予定していたお店が入れず中華料理屋へ。2階に通されたのだが、これが個室状態でもうけものだった。たけうま書房さんほどのスペースを、我々だけで占有できた。店員さんも2階に常駐しているので、注文も早い。
大型テレビに映る有馬記念は完敗だったが、それは表に出さず皆さんと乾杯。
 
テレビに目を向けた岡崎さんが、「ほう、1番人気馬が勝ったんやな」と神妙な表情でつぶやき、となりの古ツアさんが「またぁ、競馬やらないのにぃ」と魅惑的なニヤけ笑いで合いの手を入れる。それを、「ま、一応な」と岡崎さんが含み笑いで軽く受け止める。
そんなまったりした会話が続く。集まった方々がアレなので話はどんどんマニアックになっていくが、流れるまったり感は変わらない。贅沢な時間だ。
 
杯が重なり、皆で購入した本の見せっこ。自分の裸を見られるより本棚を見られる方が恥ずかしいと言った著名人は誰だったろうか。私もこのツワモノに交じって文庫中心の購入本を見せることに恥ずかしさがあったが、ルー・リードの本を見せると古ツアさんが、「最近亡くなりましたよね」と反応してくれる。ホッと安堵。先ほどの喫茶店で片目だけで話し合った男性氏は、「アルバムの中で『ベルリン』がいちばん好き」と、これもうれしい反応。
 
会社が近くという男性氏が参加していて、ツアーの道中この辺りのことをいろいろ教えてもらった。その方が「ホッピーはないのかな?」と呟く。実は私もホッピーが呑みたかったのだが、中華屋のことで置いていなかった。正直この懇親会で残念だったと言えるのはこの一件だけで、あとはひたすら楽しい時間だった。
 
〆て店の前で記念写真を撮り、解散。帰りは古ツアさんとお話ができ、中央線が遅れてなかなかにたいへんではあったけど、頭からしっぽまで充実感溢れる一日となったのだった。
 
古ツアさんのずっしりと迫力ある新刊、じっくり読ませていただきます。そして今回参加された皆さんとは、またどこかでお会いしたいものです。
 
(おわり)