曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

115系満喫の旅(TSUBAMEツアー) その22

2013年11月03日 | 電車のお話
【その22】
 
奥多摩駅には、釣りのほかに鉄道ファンとしても訪れたことがあった。ホームの先も採石場に線路が延び、無蓋の貨物が停まっていたり通り過ぎたり。バックはぐるりと山で、これが東京都かと思うような駅なのだ。
さびれたローカル駅の終点といった趣も、今は駅舎がバンガロー風になって薄れてしまった。
 
30分近い停車時間があると、のんびりとできる。私は駅前を歩いて懐かしんだあと、改札横のトイレで用を足した。隣のスペースに並ぶタクシーに、以前とどう違うかなど聞けばルポルタージュタッチなのだが、そこまではしなかった。
出発まであと5分となったところで2階に上がり、食堂の売店で生ビールを購入。蒸し暑い日だったので、泡立つそれがとても美味そうだ。ついでに、なんとなく気を惹かれてわさびアイスも追加する。勝手にソフトクリームを想像しての購入だったが、白い容器に入ったもので、冷凍庫に入っているダンボールの中からひとつ取り出し、手渡しされた。こちらの思い込みなので仕方がないが、味気なく感じた。
 
冷たいもの2つを慎重に持ちながら、改札を通ってホームへの階段を上がる。そして指定の車両に乗り込む。この奥多摩駅はホームと電車の間が広いので、注意して乗る。
座って、アイスのふたを取って食べていると、列車が動き出した。武蔵五日市や高麗川ではまだ先があるのでさびしさは感じなかったが、奥多摩をあとにするときは、いよいよ帰っていくのかとさびしさを感じる。
 
小さな白丸駅を通過し、緑色の湖面の白丸ダムを見ると鳩ノ巣駅をすぎる。次の古里では15分間の時間調整で停車。ホームの客たちがこちらを見ている。
不思議なことに、青梅線内ではほとんど撮影者がいない。八高線内よりバックが映えると思うのだが、ホームでも駅間でもまったく見かけなかった。
 

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