よしなしそこはか

心に映り行く由なし事をそこはかとなく書き作れば
高血圧、上腸間膜動脈解離との付き合い方を記します。釣り情報もね!

上腸間膜動脈解離 ~ストレスとの向き合い方~

2017-01-05 12:40:15 | 健康
前回ご紹介したこちらの本↓ なかなか読み応えがありました。

スタンフォードのストレスを力に変える教科書
大和書房


私自身がまずそうだったのですが、「ストレス = 体に悪いもの」という固定観念はありませんか?
「ストレスを感じたらその状況から早く逃げる!」「ストレスをまき散らしている人が現れたら素早く立ち去る」

これも決して間違いだとは思いませんが、適度なストレスは集中力を高めてパフォーマンスを向上することができる、という意見も目にされたことがあるかもしれません。このように言うと「本当に強度の高いPTSDに至るようなストレスを勘案していない!考えが甘い!」という反論が飛び込んできそうですが、ストレスが体に悪影響を及ぼすのは「悪いもの = 避けなければならないもの」と強く信じてしまっている状況である、というのがこの本の冒頭の論旨です。

ストレスの善悪を千差万別あるケースすべてに対して言い切れるものではありませんが、「マインドセット介入」という考え方でストレスへの向き合い方にポジティブな要素を織り込むことで、強いストレスとなった辛く悲しい出来事の受け入れ方に変化が起こり、経験値を高めることができるといいます。

古くは自然の中で危険にさらされて生活し始めた人類が、危険回避行動や狩猟などで命を守るため、獲物を得るために集中力を高める回路としてストレス反応が発達した、というお話は聴くことが多くありますが、現代社会ではその反応が過剰に出すぎて身体に負担をかけているというのもまた然りです。

私の経験した動脈解離の原因は長期間の血圧上昇ではないか、と言われており、いわば過剰なストレス反応が癖になってしまった結果、引き起こされたとも考えられます。

しかし強いストレスを感じた時、「うわっヤバい、逃げろ!」ではなく「さてどのように対処するか」と一旦受け入れることによって、身体への負担が異なるというのは非常に興味深い内容です。しかも過去に対処してきたストレス反応は経験値となって蓄積されており、「あの時に比べたら大したことはない」という理解もストレスへの有効な向き合い方であると述べられています。



目の前で起こった事象に対するストレス対処だけでなく「過去に起こった事象をどのように受け入れていくか」について、同じような経験をされた方と「共感をする」という手段も、ストレスへの向き合い方として有効であると述べられています。

ご紹介した本は原著がUSということもあり、9.11同時多発テロによって家族・友人・同僚を失った経験のある方たちが、どのように現実と向き合い時間をかけながら受け入れていったか、というストーリーが紹介されていますが、多くの方々は当初心を閉ざし、高い確率でうつ病を発症し、心の奥底に封印して決して触れたくない「忌まわしい過去」と考えていたようです。
消し去ってしまいたい過去とも言えるでしょうか。

事件から3年、5年経過しようやく心の痛みを互いに吐露し始めてから、慢性疾患が快方に向かったり、心療内科的な症状が軽減もしくは寛解して、絆が形成されていったという事例が紹介されています。

Φ

私の場合、上腸間膜動脈解離を発症してからそろそろ10か月になろうとしていますが、体調が変化してなかなか元のように復調しないことや、明確な原因が明らかになっていないことから、誰かに病状と復調のための活動について話がしたくて、共感が得られれば猶のこと有り難いという気持ちになっています。

ただ家族や親戚は私のこの状況をどのように取り扱ってよいか理解が難しく、私からも「共感してほしい」と過度な期待を持つことも憚られるので、何となく「触れてはいけないこと」という位置づけになっています。

とはいうものの、病気そのものの原因や要素(血圧・年齢・生活習慣 etc)、退院後の復調状況、注意しなければいけない事項、主治医の意見、そして再発するか否か、、、、これらのことは常に情報を得たいと考えています。

先日Twitterで検索したところ、お一方がヒットしほんの少しだけですが情報交換できました。
これがどんなに心強かったことか!

Φ

今年の活動目標として、同じ症状を経験された方とお会いして情報交換と共感ができないか、と考え始めています。

「上腸間膜動脈解離 (SMA解離)」というキーワードで、私のブログにたどり着いてくださる方はまだ僅少ですが、これをきっかけとしてポジティブなストレスや病気との向き合い方ができるコミュニケーションが図れれば、それ以上の幸せはありません。

もし差し支えなければコメントにご意見をいただければ幸いです。



~次回予告:「薬を使わない心療内科」「マインドフルネス瞑想」についてご紹介していきたいと思います。


~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門
WAVE出版




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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
参考になりました (なべやん)
2018-10-28 15:40:52
はじめまして、なべやんと申します。
2018年9月末に上腸間膜動脈解離を発症。10月中旬に退院し、数日前から勤務を開始したところです。
退院前後にこちらのブログに出会い、大変参考になりました。
その後の経過等も是非お聞かせいただければと思い、コメントさせていただきました。
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コメントありがとうございます! (管理人)
2018-10-28 15:56:22
なべやんさん>
こんにちは、コメントありがとうございます。
仕事復帰されたばかりでご不安な状況かと思います。
SMA解離は病後であることが周囲の方に見た目では分からないので、「完全復活ですね!」とか言われがちですが、バランスは崩れているのでどうか御自愛ください。
私は現在、2年半経ちますが男性更年期の症状が現れて、どこまで頑張れるか、やめておくべきか「意欲」と「体力」の調整を考えながら仕事や趣味を楽しんでいます。
また半年から一年間隔で造影CTを受けていますが、解離箇所に変化は起こっていません。

今後も関連した情報をお知らせしていきます。
よろしくお願いします。
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Unknown (なべやん)
2018-11-03 23:15:31
レス、ありがとうございます。
1週間通しで、初めて勤務しましたが、やはり体力の無さを痛感しました。しばらくは静かに毎日を過ごしたいものです。

私も人材紹介関連の仕事を行っており、そちらの話も興味深かったです。そちらの話もまた楽しみにしています。
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Unknown (よっぴ)
2022-05-23 00:50:22
はじめまして!
私も先日、上腸脈間動脈解離と診断され、7日間の入院(救命病棟に三日間、一般病棟に四日間)、現在自宅で療養しています。
症状などは、よしなしそこはかさんとほぼ同じでした。以前経験した尿管結石以上の激痛でした。
自宅で寝ているかテレビ、文庫本を読んでいる生活を2週間ほど過ごし、来月早々に職場復帰を考えています。
少しだけ痛みがあり、在宅ワークを会社に相談するか迷っています。
以前のような普通の(血圧を気にせず、ジム通いやゴルフを楽しむなど)生活に戻れるのかとても不安です。
ぜひ、ご体験からお話をまたお聞かせください。
よろしくお願いします。
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コメントいただきありがとうございます! (管理人)
2022-05-23 08:52:56
よっぴさん>
コメントいただきありがとうございます。激痛に耐え、絶対安静の日々を乗り越えて大変だったと思います。
復帰後元気になりたくて1週間ほどジョギング8kmを続けたら男性更年期の症状が重くなり、主治医に相談したところ「筋トレはいいけど有酸素運動はダメ!」と言われました。ゴルフもOBして走り回らなければ大丈夫だと思います(笑。私は結構険しい磯釣りをやりますが、マイナスイオンは気分転換に良いと信じております。
現在発症から6年経ちましたが再発もなく、うまく付き合えていると思われます。よっぴさんもどうぞお大事に、焦らず復帰されてください。
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Unknown (よっぴ)
2022-05-23 18:21:25
早速のレスを下さりありがとうございます。
発症してから3週間ですので、まだまだ安静にしなければならない事は頭では理解していますが、職場に自分の居場所がなくなるのでは、とか、復帰しても外観は変化なしなので、あまり在宅も使えないかなと、不安を感じています。
血管が老化すると脅かされていますが、暫くは降圧剤に世話になら生活、覚悟して生きて行きたいと思います。保存的治療で大人しくしているだけですので、外出や仕事復帰も不安ですが、気持ちの切り替えですね。
参考にさせていただきながら、物事を前向きに考えて行きたいと思います。
よしなしそこはかさんのブログに出会えてよかったです!
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Unknown (たこす)
2023-07-19 21:50:38
憩室炎で入院し、上腸間膜動脈解離が見つかり今ベッドの上でこのブログを発見しました。先ずは憩室炎を治して退院後にもう一度違う病院でCT検査の予約をするよう医師には言われています。年齢的にも職場のストレス環境や家族がいる事、飲んでいる薬や更年期の話。他にも沢山の共通点があり、まるで私の話をしているかのように思えました。もう一度職場復帰できるかどうか、職を変えるにもそう簡単には変えられないし働き方をどう変えたらいいのか考えています。ただ恵まれているのは、職場の管理職が職員を一番に考えて声を聞き入れてくれるところです。身体と相談しながら自分の考えが見出せたらいいなと思っています。
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Unknown (mnakamu0712)
2023-07-19 22:37:50
たこすさん>
コメントいただきありがとうございます。
まずゆっくりとひとつひとつ寛解出来るようお大事になさってください。私はおかげさまで発症から7年が経過し大好きな釣りも散歩も継続することができております。SMA乖離は珍しい症状と言われておりますが、私の例を参考にしていただければ幸いです。今はご自分の身体最優先にご自愛ください。
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