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のれんの過大計上で損益計算書が良くなるとは?

2013-04-24 00:54:03 | 指定なし

 居酒屋「村さ来」や回転ずし「平禄寿司」を全国展開する飲食チェーン「ジー・テイスト」(仙台市)が,平成21年4月に東京都内の飲食チェーンを子会社化した際、のれん代を本来の金額より約10億円高く計上し,連結純資産額を約47億円と記載するなどしたため,証券取引等監視委員会から,課徴金1億145万円の納付を命じられたとのことである。


 


 同社の調査チームは,虚偽記載の動機を「対金融機関の観点から損益計算書の内容をよくしたいと思った」などと認定しているとのことである。


 


 しかし,私の乏しい会計の知識では,この記事は良く理解することができない。


 


 そもそも,のれん代を高く計上したことで,なぜ損益計算書の内容が良くなるのだろうか?。のれんは,貸借対照表の資産の部に計上されるから,その限りでは,貸借対照表に影響するとはいえても,損益計算書に影響するとはいえない。買収対価を支払っていても,その対価も,資産の取引で,買収対価がただちに損益計算書の費用に計上されるわけでもない。


 


 また,貸借対照表で見ても,同社は,平成21年6月期の四半期報告書で,連結純資産額を約47億円と計上したというから,連結純資産額だけで見ていると金額が膨らんでいるので,見掛けはよく見えるだろうけれど,その中にのれん代10億円が過大計上されているとなると,本来は実体のない資産であるのれん代で純資産が膨らんでいるとみられて,張り子の虎であることが,簡単にばれてしまうというのが,通常のことではないのだろうか。


 


 だから,この意味(貸借対照表の粉飾)でも,のれん代の過大計上に,思ったほどのメリットがあるとは思えない。


 


 さらに,また損益計算書に話を戻すと,買収した年の損益計算書はともかくとして,のれんは,今は,ずっと持ち続けられるようになったのだろうか?。以前は,数年以内に償却しなければならないとされていたから,のれんを過大計上することは,翌年以降の損益計算書を傷つける恐れが大きい。のれんの償却費用が費用として計上されるので,それだけで,儲けのかなりが吹き飛ぶように思える。


 


 過去の課徴金事例集には,貸借対照表を粉飾したり,買収対価を還流させて裏金化するという事例があるが,それも貸借対照表の話である。


 


 私の理解力が乏しくて,間違ったことを考えているかもしれないが,どうも,今回の記事はよく分からない。


 



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