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スポーツとケガの関係は難しい

2011-10-30 17:24:24 | 指定なし

 スポーツにケガはつき物である。どんなに注意をしていても,どこかでケガが生じる。


 


 自分でスポーツをやっていて自分でケガをすることもあれば,自分でスポーツをやっていて,人からケガをさせられることもある。今回のように見ているだけでケガをすることもある。


 


 このようなスポーツのケガについて,一般的にこのように判断するという基準は,渡しの知る限りでは,まだできていないように思われる。


 


 結局,ある程度の危険を受け入れた上で,それを越える危険が生じたときに,責任を負わせるという筋書きになるのだろうけれども,これ自体が,なかなかうまくいかない。


 


 例えば,ゴルフにしても,うまい人間は,そうそうおかしな打球はしないものだが,初心者は,思わぬ方向に打ち込むことがある。日本のような狭いゴルフ場では,グリーンのすぐ脇に,次のティーグラウンドがあって,本の2,3本の木で隔てられながら,前のコースと逆向きに進むというコースもある。


 


 事故を起こさないように,全員を初心者扱いでコースに出し,ヘルメットと防護服を着せるというのであれば,およそゴルフ場は,経営が成り立たないであろう。


 


 しかも,スポーツは関係者が多い。敵味方,監督,コーチ,観客,今回のようにプレイグラウンドの管理者などなど・・・


 


 どういったときに,誰に,どの程度の責任を負わせるかを考えるのは,本当に難しいことである。


 


 今回,球場管理者としての日ハムは,責任を免れた。まあまあ,結論としては,妥当なところだろう。外野席まで,内野と同じようなフェンス越しに観戦させられるのはいまいちというのが正直なところであろう。


 


 しかし,問題はまだまだ残っている。判決では,「場内放送で注意を呼び掛け,ボールが飛んだときに笛を吹いて注意喚起する係も配置するなど『警備上の注意義務を果たしており,過失があるとはいえない』」とされたようだが,場内放送がなければダメなのか,笛を吹く係がいなければダメなのか,そういった問題は全然解決していない。


 


 具体的な事件の判決は,その事件を解決すればいいから,その理由付けが,一般に通じるかどうか,判断の難しいところがある。


 


 考えてみれば,野球だって,カネのない二軍戦もあれば,もっとカネのない高校野球の地方大会もあるし,練習試合もある。そのような試合で,同じような事故が起こったときに,裁判所はどのように判断するのであろうか。


 



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