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闇サイト規制と表現の自由

2010-05-04 02:44:40 | 指定なし

 闇サイト規制は,表現の自由によって制約されるか。


 


 また,この記事は難しい問題を取り上げたものだ。


 


 闇サイトでの犯罪の誘発は否定できない。だから,闇サイトを定義して,闇サイト自体を取り締まることが,適当なのかどうか・・・


 


 記事は,警察官僚OBの弁護士の話として,積極的に取り締まることを肯定的にとらえている。しかし,何をもって闇サイトというのかの定義は極めて難しい。曖昧な定義をすれば,取り締まりの乱用は避けられないだろうし,それが正当な表現の規制にまでつながっていくことになれば,ゆゆしき問題となる。


 


 そもそも,インターネットは,いまや,これまで表現の手段をもたなかった人達の表現の場となっている。中にはおかしな表現もある(むしろ多いか?)けれども,それでもなお,言いたいことが言える社会というのは重要である。平和な時代には,その必要性は余り感じないが,最近の中国を見れば,一目瞭然であろう。


 


 これまで,メディア規制に隠れて,分からなかった,中国の暗部が,インターネットを通じて垣間見えるようになっている。中国政府が,ネット規制に躍起になるのも分からなくもない気がする。しかし,中国の人々が,よりよい生活を獲得するためには,どうやらネットは必要のようだ。


 


 仮に日本が同じような状況になった時に,規制の陰に葬られる暗い部分は,今の中国と同様に報じられていくのではないだろうか。


 


 もう一つ,重要なことがある。警察官僚は,悪いことがあれば取り締まろうという発送が主体になる。しかし,悪を取り締まることで,犯罪はなくなるだろうか。


 


 日本の犯罪率が低いのは,取り締まりが厳しかったからか。それも一つにはあるだろうが,それよりも,世の中が安定し,不安のない社会が,それなりに実現していたことが大きいと思われる。取り締まりの強化を訴えることは,ときに,犯罪率低減の本質を見失わせる。


 


 そのようなバランスを考えた施策が求められている。


 



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