前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会。西川知事提案予算案、議案。陳情処理の委員長報告----にたいする反対討論

2014年03月20日 | Weblog
昨日は、定例県議会の閉会日でした。午前の議会運営委員会の後、午後に本会議が開かれました。
私は消費税増税や、人件費削減の予算、教員削減や、造林事業の債権放棄の議案などに反対討論をおこないました。知事提案の予算、議案に反対したのは私一人で、賛成討論は今回もありませんでした。

 あたらしい委員会の構成が決まりました。
 私は、産業常任委員会と予算特別委員会の所属となりました。ひきつづきがんばります。


 以下、私の反対討論です。

■西川知事提案予算案、議案。陳情処理の委員長報告----にたいする反対討論

 日本共産党の佐藤正雄です。

 第1号議案 平成26年度一般会計予算はじめ、12号、13号、16号、17号、18号、19号、20号、21号、26号、28号、32号、35号、36号、38号、39号、40号、43号、48号の各予算案ならびに議案は消費税5%から8%への増税を県民に転嫁するものであり反対です。
県内各市町では坂井市、越前市、敦賀市などなど、使用料・手数料などで住民負担転嫁の抑制をはかるところも少なくない中で、財政力の大きい県庁が県民負担増大を考慮することなくまるごと転嫁することは許されません。

県議会審議の中でも、増税分は社会保障に使われます云々の答弁がありました。これは詭弁であります。政府は消費税率が8%になる2014年度の税収増の合計を約5兆円と見込んでいます。また、昨年10月の経済財政諮問会議では、14年度に消費増税分から社会保障制度の充実にあてる予算額は5千億円になるとの試算を示しています。
つまり、社会保障充実のために使われるのはごく一部で、年金や生活保護費は逆に削減され、医療費の負担は増やされます。介護保険も従来の利用者の保険外しが計画されています。
消費税、物価上昇、年金の特例水準解消とマクロスライド、介護保険料値上げで5重苦で内需冷え込みは必至という状況であり、地に足をつけた県民生活と中小企業を防衛する積極的な施策こそ求められています。
 また、私も質疑で指摘しましたように、福井県は一般会計分の消費税約5000万円を県民から徴収しつづけながら、1円たりとも国に納税してきていません。8%なら約8000万になるのでしょう。
 消費税法上そういう仕組みであるのであれば、なぜ県内のほかの市町のようにせめて使用料などを据え置く対応がとれないのでしょうか。冷たい福井県政であります。

 さらに、一般会計予算案は、不要不急の新幹線建設や足羽川ダム、高規格道路などの大型公共事業推進、原発推進の国際原子力人材育成センター予算、福井県農業の破壊につながりかねない農地中間管理事業、受験競争を過熱させかねない中高一貫校設置事業、福井駅前の再開発支援、国民総背番号のためのシステム整備費などの予算がふくまれており賛成できません。

つぎに、38号議案は野外恐竜博物館の観覧料を新設し、一般1200円、高校生1000円などとするものでありますが、少なくない観光客・入場者が本館とセットで見学することなどを考慮すれば、割引料金設定などをおこなうべきであります。こどもたちの夢を育む施設として、また観光誘客のためにも引き下げを求めておきます。
 40号議案は、若狭歴史民俗資料館のリニューアルに乗じて、観覧料を3倍に引き上げるものであり反対です。

 42号議案は、土地改良事業分担金徴収条例の改定で、これまでは、国、県、市町の負担でおこなってきたスキームに100ヘクタール未満の整備には土地改良区に分担金を求める仕組みをつくるものであり、反対です。今後、いっそう農業収入が厳しくなる見通しのなか、結果的に農家負担を増やすことは許されません。

 44号議案は、福井県立高志中学を設置し、中高一貫教育をスタートするものです。これまでも議会審議のなかで批判してきましたように、小学生からお受験競争を過熱させることにつながりかねず、とくに福井市内の中学各校にも大きな影響がでかねません。

 45号議案は高校授業料無償化を廃止し、ふたたび有償化になることにともなうものであり反対です。OECD加盟国のなかで、授業料が無料でないのは3か国だけです。将来をになう子供たちに冷たい国に逆戻りする施策は許されません。かかる教育費負担の増大は少子化対策にも逆行であります。

 46号議案ならびに47号議案は教職員定数の削減を高校、義務制あわせて35人削減するものであり、反対です。いま求められているのは、未来の主権者への思い切った投資です。その一つが教育です。正規の教員を削減し、非正規の教員を増やしているようではいけません。
 いま、教員の残業は持ち帰りもふくめると月に91時間を超え、3割以上が過労死ラインを超えています。これは全国的な数字ですが、福井県はさらに苛酷だ、との指摘もあります。
 労働基準法違反を教員職場に蔓延させ、病気の教員をうみだしているような状況の打開こそ急務です。正規教員の削減ではなく、大幅増こそ求めます。


 つぎに、第93号 平成25年度一般会計補正予算はじめ、103号、105号、106号、108号、109号、110号、111号、112号の各補正予算案は、巨額の職員人件費削減で県庁職員、教職員、警察職員の生活を脅かした内容であり反対です。

121号議案は、農地中間管理機構業務のために6億7000万余りの基金をつくるものであり反対です。一般質問の際も強調しましたように、農地中間管理機構はそもそもTPP対応の「日本再興戦略」として位置付けられ、「今後10年間で、全農地面積の8割が担い手によって利用され、…担い手のコメの生産コストを、現状全国平均1万6000円から4割削減し、法人経営体数を2010年比約4倍の5万法人とすること」を目標とし、農業構造の改革と生産コストの削減を強力に推進する手段としていることが大問題です。
 そのために、効率的な農地利用について、農業者を代表して公正に審査する行政委員会である農業委員会の役割を制限し、委員資格の変更まで検討されています。
そして、優良農地において大企業が主体の大規模農業生産法人への農地集中を進め、農村の解体や中山間地の荒廃を進展させかねない危険な内容です。
さらに、「農地の出し手に対する協力金の交付」についても貸し手がなければ交付されないものであり、農家からすれば、田んぼは機構にあずけたが金が入ってこない、という事態も想定されます。

 127号議案は、農林水産支援センターが実施する分収造林事業の県への移管にともなう債権放棄の議案です。事業にかかる貸付金342億円余り、金融機関の債務の引き受けに伴い県が負担する額にかかる求償権153億円余りの債権放棄であり、県民に巨額の損害をあたえるものです。
 これだけの重大事案でありながら、造林事業をすすめてきた国はなんらまもとに責任を負わない、国とともにすすめてきた知事や県庁幹部も責任をとらない、県内金融機関は利息分放棄だけで実質的な責任は負わない、まさに平成の無責任劇場ではありませんか。
 
 最後に、陳情についての委員長報告に反対の討論をおこないます。

 陳情41号は、過労死等防止基本法の制定を求めるものであり、継続審査ではなく採択すべきであります。委員会審査の中では「国の動きをみよう」となったそうでありますが、全国的に多発する過労死問題について国の法整備を求めるものであるからこそ、国に先駆けて提出する地方議会の意見書の意味が存在するのであり、採択すべきであります。


陳情42号は労働者保護ルール改悪反対を求める内容であり、不採択ではなく、採択すべきです。委員会審議のなかでは、「労使双方にメリットがある」という議論があったそうですが、それは誤解です。
 たとえば、現在国会で審議中の派遣労働を無期限・無制限に使えるようにする労働者派遣法の改定案では、派遣を固定化し拡大する制度で、歯止めもありません。
 政府の法案では3年で人を入れ替えるなどすれば、無期限に派遣できるようになります。専門業務の区分も廃止し、どんな仕事でもずっと派遣に任せられるようになります。
派遣労働者をいつまでも使える制度に変えるなら、企業側は現在の正社員の業務をコストの安い派遣に切り替えていくことは目に見えているではありませんか。企業と労働者の双方にメリットではなく。企業のみにメリットがあり、働く人は正社員願望が実現できない不安定就労で低賃金になってしまいます。
 私は、日本列島各地で、また福井県内でも少なくない企業で多くの派遣労働者が、派遣切りされ、会社の寮からも追い出され、ホームレスに陥るなど、まさに若い労働者をモノあつかいした大事件を忘れることはできません。若いみなさんに絶望する働き方を押し付けていくのではなく、将来に希望がもてる労働法制を整備していくことこそ政治家の責務であり、採択を求めます。

陳情45号は首長や国の権限を強化する教育委員会制度の改正中止を求めるものであり、不採択ではなく、採択すべきであります。教育委員会の見直しをめぐっては、中教審が、教育委員会を首長の「付属機関」とする案を示し、下村文科相もこれを支持していました。しかし、公明党や自民党内からも教委の「政治的中立性が保てない」との意見が相次ぎました。
しかし、与党が合意した教育委員会制度「改革」案では、教育政策を盛り込む「大綱的方針」を首長が「総合教育会議」を主宰して策定するなど首長と国による支配・介入を強める内容です。憲法に基づいて権力から教育の独立性を守るためにつくられた制度の根幹を変える内容であり、かつての軍国主義の反省をいっそう忘れ去る内容と言わざるをません。
 安倍政権のもとで国防軍創設、憲法改憲の動きと軌を一にした教育委員会制度への重大な介入は許されません。

以上、申し上げて討論といたします。議場の皆様のご賛同をよろしくお願いいたします。




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