水の丘交通公園

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土佐電気鉄道 100形電車

2011-11-08 21:15:50 | 電車図鑑・路面電車
老朽化が進んだ500形電車(昭和29年に投入された元・高性能電車の試作車。
後に200形と性能を揃えられる)の置き換えのために導入された車両である。
平成14年に3体連接車1本が導入された。
製造を担当したメーカーはアルナ工機(→アルナ車両)で同社の開発した次世代型
路面電車「リトルダンサー」シリーズのLタイプ(ロングボディ型)である。
編成の組み方は以下の通り。

101A-101C-101B

低床化のため、主要機器は全て屋根上に載せられた他、動力付きの台車を極力編成の
両端に寄せて配置している。
台車は1車体1個で3箇所に設置されている。
購入に際しては国、高知県と沿線自治体からの補助金が投入された。

車体は普通鋼鉄製で正面は大きな1枚窓の流線型となっている。
塗装は台車より上がホワイト、それより下はエメラルドグリーンである。
行き先表示は正面と側面にあり、いずれも字幕式で「ごめん」、「いの」などの
区間制運賃区間直通列車で伝統的に掲示される土電独自のひし形の系統板は
本形式では使用しない。

車内はA号車とB号車が固定式クロスシート(高床部分の一部)とロングシート(低床
部分と運転席直後)、C号車は2人向き合わせの固定式クロスシートである。
ドアはA号車とB号車に1箇所ずつ、片側2箇所で全て片引き戸でC号車に扉は無い。
ドア付近はノンステップであるが、A号車とB号車には台車上にも座席があり、
C号車も座席と床面に段差があるほか、C号車とA・B号車の連接部分にも段差がある。
なお、B号車には車椅子スペースを設置している。
側面窓は引違い式、若しくは上段引違い式である。

主制御装置はVVVFインバータ制御方式(IGBT式)でブレーキは発電・回生ブレーキ併用
電気指令式ブレーキである。
運転台は右手操作式ワンハンドルマスコンとなっている。
台車は動力台車が軸箱支持を積層ゴムとしたインダイレクトマウント式金属バネ
台車で駆動方式はTDカルダン方式、C号車の台車はボルスタレス式台車を
使用している。
集電装置はシングルアーム式でC号車に搭載されている。
これらは土佐電気鉄道のみならず、高知県の鉄道車両として初めてである。

試運転やお披露目運転後、一般の営業運転に投入された。
沿線などから車両愛称を募り、「ハートラム」と命名されている。
登場以来、土佐電気鉄道の看板車両であり、一日乗車券や自社発行のパンフレットの
表紙を飾った他、桟橋車庫構内や改築前の後免駅などに本形式を模した飲み物の
自動販売機を設置したほどの意気込みであった。
ダイヤについては1編成しかないため、決められており、各電停及び土佐電気鉄道
ホームページに掲載されている。
基本的に5日に1回、点検のため運休することになっており、その場合は通常型の
電車が投入される(大規模な点検や修理が入る場合は前もって告知が別途案内される)。
本形式の導入に伴い、一部の安全地帯の嵩上げが行われ、本形式出入口との段差を
少なくしたが、対応工事を行っていない電停では在来車よりは乗りやすいものの
多少の段差は生じており、それに対応するため、可搬式の昇降スロープを
搭載している。
電停の構造上、長く高知駅前電停への乗り入れができなかったが、高知駅の改築に
伴う同電停の改修で乗り入れが可能となった。
但し、平成23年現在も定期列車で高知駅前に乗り入れることは無く、基本的に
市内線の運賃均一区間を往復していることが多い。
平成19年ごろよりある病院の広告電車となっており、平成22年ごろまでは赤色に
ハートをあしらったものであったが、現在は上半分がライトブルー、下がホワイトで
C号車にホワイトのストライブラインが入るものに変化している。


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