水の丘交通公園

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熊本市交通局 8200形電車

2008-11-07 22:16:13 | 電車図鑑・路面電車
熊本市が昭和57年に導入した車両である。
昭和35年製造の350形(現在の1350形)以来、熊本市発注のものとしては
久々の完全な新車で2両が製造された(昭和35年以降は大阪市などから
中古車を払い下げて運用していた)。
形式は製造年の西暦である1982年からとられている。
本形式には車両愛称があり、8201号が「しらかわ」、8202号が「火の国」と命名されており、
正面向かって右側に表示されている。

車体は当時、長崎電気軌道や広島電鉄で運行を開始していた「軽快電車」風の
ものである。
塗装はアイボリーにライトグリーンの帯を配したもので、後に在来車(1080形以降と
8500形)も同様のものに変えられた。
ドアは前と車体中央の2箇所で、前ドアが2枚折り戸、中ドアが4枚折り戸である。
乗降方式は中乗り前降りの運賃後払い制である。
車内はロングシートと転換クロスシート(1人掛け)を組み合わせた
セミクロスシートで、前ドアと中ドアの間がクロスシート、
中ドアから後ろがロングシートとなっている。
中ドア後ろ側には車掌台が設置されている。また、この部分に側面方向幕が
設置されている。

主制御装置はVVVFインバータ制御で営業用の車両としては日本で初めて採用された。
路面電車では、軌道回路(線路を流れる微弱電流。踏み切りや信号の動作に
使われる。半導体等を用いた制御器を用いると電磁波によって
これが狂うことがある)の形成が必要ないため、一般鉄道への導入を前に
採用することが出来た。
モーターは、パワーがあるので1台車1個モーターで、動力台車も2つある
ある台車のうち片方だけである。
台車は緩衝ゴム支持方式のコイルバネ台車で、動力台車は8201号「しらかわ」が
健軍町側、8202号「火の国」が田崎橋/上熊本駅側にある。
これと逆の付随台車側には折りたたみ式の連結器が設置されており、連結運転が
可能である。
しかし、連結運転をすると辛島町電停付近にあるポイントを通過する際に、
支障を来たすことから、導入時に行われた試運転時以外に行われていない。

昭和58年に技術面で評価され、鉄道友の会ローレル賞を受賞している。

登場以来、大きな変化はなかったが、平成18年にVVVFインバータ制御装置の
老朽化に伴い、素子をGTO式からIGBT式に交換している。

運用は熊本市電全線で、特に運用も限定されていない上、他の車両と比べて
少数派なので見つけづらい。
来訪の際は、勘と根性をフルに働かせて、見て撮って乗って頂きたい(いうまでもないが、
現業機関への問い合わせは、業務の大きな妨げになるので禁止である)。


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