Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

TOHATSU M60B のオーバーヒート修理

2010-10-08 19:05:45 | 修理

夕方になって雨が降ってきましたね。

本日は朝からマリーナさんの仕事の依頼でトーハツM60Bのオーバーヒートの

修理です。高回転で走行すると、オーバーヒートブザーが鳴って、回転制御が

掛かるとのこと。チェックすると水は問題なく上がっております。

オーナー様と打ち合わせして、関連部品を交換します。

本来は症状が出るまで走って問題を追求したいところですが、時間と費用とリスクを

考え、今まで14年間交換したことが無いサーモスタットをまず交換。

Photo Photo_2

次に温度センサーを交換しました。

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マイナスがボディーアースなので、導通があるか確認します。

そして、インペラーも交換します。

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まだ使える?かも知れませんが、問題の可能性のある部分は100%

取り除く方が、この場合安くて安全で近道になります。

トーハツのこのタイプはシフトシャフトの連結がピン式です。

シャフト連結時の長さの調整がいらないので、私は好きです。

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ポンプケースのボルトには、グリスなど塗布してから組みましょう。

過去にボルトが塩かみして、このタイプ、何台も苦戦しております。

ポンプケース下のベースの厚みが1.5cmほどあり、この部分で塩かみし易いです。

最悪の場合、ボルトの頭を飛ばして、ポンプケースをはずしてからボルトを抜いたこと

何回もあります。

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念のため、圧縮を確認、マニュアルでは暖気後になっていますが、あくまで確認なので

冷間で・・・3気筒とも9kgほどあります。規定値は8.5kg(暖気後)、目安ですが

冷間なので規定値以上出ております。そして陸上試運転。OKです。

お昼から海上試運転。風が強いのでゆっくり走りたいですが、高回転での症状なので

ずっと全開です。マリーナのサービススタッフと全開で30分ほど・・・

症状は現れません。とりあえずOKをもらいました。

今回は、水が絶対に上がっているのを確認後、部品交換からはじめました。

なぜか・・・あと残すは、パワーユニット分解の塩詰まりの確認だけだったから。

これは、修理代が高くなりますし、古いエンジンの場合、分解をきっかけに腐食部が

もろくも崩れ、組み立て不可になることがあるからです。

過去にパワーユニットを降ろしたら、その下面に迷路のような冷却通路があるのですが

その迷路の壁がボロボロと・・・・(泣)

電蝕です。

なぜ、電蝕を恐れたか・・・・ヒントにしたのはこれ!

M60

アノードの管理不足です。

貝もびっしり付いていたとか・・・

そして・・・・・オーナー様はこの部分は修理の保留を希望されたのですが・・・

Ptt

PTT(パワートリム&チルト)の裏に電蝕で穴が開いて、PTTオイルが噴出しております。

この状態です。高い確率でどこかに「もろく、そしてボロリ」が潜んでいそうです。

エンジンは絶好調なのですが・・・

時にはこういう進め方もあります。

できればPTTも修理して、完璧な状態で終わりたかったのですが・・・・・・・・


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