夕方になって雨が降ってきましたね。
本日は朝からマリーナさんの仕事の依頼でトーハツM60Bのオーバーヒートの
修理です。高回転で走行すると、オーバーヒートブザーが鳴って、回転制御が
掛かるとのこと。チェックすると水は問題なく上がっております。
オーナー様と打ち合わせして、関連部品を交換します。
本来は症状が出るまで走って問題を追求したいところですが、時間と費用とリスクを
考え、今まで14年間交換したことが無いサーモスタットをまず交換。
次に温度センサーを交換しました。
マイナスがボディーアースなので、導通があるか確認します。
そして、インペラーも交換します。
まだ使える?かも知れませんが、問題の可能性のある部分は100%
取り除く方が、この場合安くて安全で近道になります。
トーハツのこのタイプはシフトシャフトの連結がピン式です。
シャフト連結時の長さの調整がいらないので、私は好きです。
ポンプケースのボルトには、グリスなど塗布してから組みましょう。
過去にボルトが塩かみして、このタイプ、何台も苦戦しております。
ポンプケース下のベースの厚みが1.5cmほどあり、この部分で塩かみし易いです。
最悪の場合、ボルトの頭を飛ばして、ポンプケースをはずしてからボルトを抜いたこと
何回もあります。
念のため、圧縮を確認、マニュアルでは暖気後になっていますが、あくまで確認なので
冷間で・・・3気筒とも9kgほどあります。規定値は8.5kg(暖気後)、目安ですが
冷間なので規定値以上出ております。そして陸上試運転。OKです。
お昼から海上試運転。風が強いのでゆっくり走りたいですが、高回転での症状なので
ずっと全開です。マリーナのサービススタッフと全開で30分ほど・・・
症状は現れません。とりあえずOKをもらいました。
今回は、水が絶対に上がっているのを確認後、部品交換からはじめました。
なぜか・・・あと残すは、パワーユニット分解の塩詰まりの確認だけだったから。
これは、修理代が高くなりますし、古いエンジンの場合、分解をきっかけに腐食部が
もろくも崩れ、組み立て不可になることがあるからです。
過去にパワーユニットを降ろしたら、その下面に迷路のような冷却通路があるのですが
その迷路の壁がボロボロと・・・・(泣)
電蝕です。
なぜ、電蝕を恐れたか・・・・ヒントにしたのはこれ!
アノードの管理不足です。
貝もびっしり付いていたとか・・・
そして・・・・・オーナー様はこの部分は修理の保留を希望されたのですが・・・
PTT(パワートリム&チルト)の裏に電蝕で穴が開いて、PTTオイルが噴出しております。
この状態です。高い確率でどこかに「もろく、そしてボロリ」が潜んでいそうです。
エンジンは絶好調なのですが・・・
時にはこういう進め方もあります。
できればPTTも修理して、完璧な状態で終わりたかったのですが・・・・・・・・