このあたりからチーム力も向上して、グッと見応えがでてきます。
4チーム目は「アレグリア」。1995年結成、活動拠点は埼玉県戸田市。浅草サンバカーニバルは22回目の出場です。テーマは公表されていて、「海~いのち」。
先頭のアーラは、女性は水、男性は岩を模しているのでしょうか。こう感じるのも事前にテーマを承知しているからで、やはりテーマの告知は大事です。
続くアレゴリアには、見覚えのあるダンサーが上っています。水の女神でしょうか。小林幸子と見紛うようなロングロングドレスを着用して、清らかな流れを表現しています。
続くアーラはアンブレラを差した子供たち。カニやお星さまが後に続きます。メルヘンの世界ですね。
続くアーラの中には、ふだんタンガダンサーの踊り手がいます。場合によっては彼女らもアーラで踊る。ここが浅草サンバの佳いところでもあり、残念なところでもあります。
ポルタバンデイラは、カクレクマノミとイソギンチャクを模しています。アレグリアは毎回、衣装に工夫を凝らしていて、感嘆します。
バテリアは金魚で、顔は白塗り。この色は評価が分かれるところでしょう。
プシャドール、バイアーナ、「ジョーズ」などと続き、泡の化身が通ります。その中に「半玉の彩芽」さんがいました。ダンサー歴は長いのに、タンガを着用しない美人です。
今年もにこやかな笑顔で、しなやかに踊っていました。
最終アレゴリアは、巨大な円球の水槽に、ロボットの赤ちゃんが眠っている、意味深長なツクリ。
最後まで、お見事でした。
5チーム目は「リベルダージ」。1991年結成で、活動拠点は東京です。浅草サンバは27回目の出場です。
今年のテーマは「博物館」。前週の志村で拝見した時は、仏像関連がテーマかと思いましたが、なるほど、というところです。
先頭のアーラは、博物館に飾られている貴重品です。しかしただ行進するのではなく、きっちり踊ります。こういう何気ないところに、私は感動を覚えます。
博物館の建物が登場して、私たちはこれから、展示物を楽しむのです。
ナイトのタンガダンサーは、ヒッププリプリでいい動きです。
長身のポルタバンデイラは、今日もクルクル回っています。そして続くはV字ハイーニャダンサーです。その蠱惑的ヒップとV字で、多くのバテリアを従えます。そのバテリアは金の衣装、続くプシャドールも金で、豪華です。いかにもリベルダージ調の歌が流れ、私たちの興奮も最高潮です。
「LIBESOK」の女性警備員は、ガラスケースの中の女神を守っています。だけどそのムチムチプリプリの女神も抜けだして、夜な夜な踊ります。
最終のアレゴリアは、恐竜の頭蓋骨の上に王冠が載り、その上で女王が踊ります。
これで終了と思いきや、その後ろで、入場料を徴収する子供たちの姿がありました。細かい演出に、私は涙があふれてきそうです。いやいや、すごい!!
ここ数年見たリベルダージの中で、最もよい出来でした。
私は汗をびっしょりかいて、脱水状態です。もう、写真を撮りに進む気力もありません。このままでは身が持たないので、またコンビニへ行くことにしました。アイスを買うのもそうですが、冷房の中で休みたかったのです。
コンビニでぐずぐずし、しばらく経って出てみたら、次のチームが通り過ぎてしまいました。
気を取り直して、観戦に戻ります。
7チーム目は「サウーヂ」。1996年結成、活動拠点は神奈川県横浜市。浅草サンバでは何度も優勝しています。テーマは分かりませんでした。
サウーヂの演舞は今年ほとんど見ておらず、やはり三茶で拝見したのみでした。
先頭のアーラは、白系の衣服です。両手を高く上げると、巨大な丸ができました。
その後も個性的なアーラが続きますが、テーマがよく分かりません。
トラックの巨大旗には「サウーヂはぜんぶ○。」とあります。まさかテーマは「○」なんでしょうか。
後に続くバイアーナは、スカートにいくつもの輪っかを付けています。
オレンジの輪っか軍団がやってきました。これは三茶でも見ました。……そうか、やっぱり「○」がテーマなんですね!?
そう思って見ると、後続のアーラは車輪を模しているし、バテリアにも円のデザインが目立ちます。
その後もぞくぞくと〇のデザインのパートが通り過ぎました。
最後まで見終わり、やや消化不良の感もありましたが、まあでも、「○」という茫洋かつ普遍的なテーマで、ここまで表現したのはお見事でした。
最終8チーム目は、「仲見世バルバロス」。浅草サンバカーニバルに合わせて結成された老舗で、活動拠点はもちろん、東京・浅草。まさに浅草サンバの代名詞でもあり、優勝回数もダントツ。現在2連覇中です。
テーマは公表されていて、「サンバの国ブラジル~パウリーニョ・ダ・ヴィオラの軌跡~」。彼はブラジルの国民的歌手で、「サンバの貴公子」と呼ばれているそうです。ということは、サンビスタなら皆さんご存知なんですね。
先頭のアーラは緑組の衣装と黄色組の衣装がいます。皆さんキレのある動きで、見せ方も工夫されています。この踊りだけでも、他チームを圧倒しています。
続くアーラは、どこかの飲食店で働いているウェイトレスとそのお客でしょうか。立っているのに椅子に座っているツクリ物が凝っています。
タンガダンサーに続き、アーラダンサーが10人ほど踊ります。皆さんお尻プリプリで、私はここにバルバロスの気概を見ます。浅草サンバは、このくらいセクシーでなければいけません。
2組目のポルメスのポルタバンデイラは、Sayuri様です。Sayuri様は美乳ですが、それを隠しつつの衣装も、よく似合います。
バテリアが続きます。これがまた素晴らしい演奏で、こんな間近で聴けることに、大きなよろこびを感じます。
さらに五線譜とCD、レコードジャケットを模したアーラが登場します。
黄色のジャケットのお姉さん方は一糸乱れぬ動きで、私たちの近くまで来て踊ってくれます。この構成、配慮が素晴らしい。
続くアーラはギターやタンバリンを模していて、この辺のツクリもおカネがかかっています。
最後はタンガダンサーの登場です。でも羽根の形が統一されていて、並んで踊る姿が蝶のようです。
最後は巨大なアレゴリアが通って、大団円となりました。
ふぅ~。5時間近くぶっ続けで見て、こちらも心地いい疲れとなりました。
S1リーグは力が拮抗していて素晴らしく、甲乙つけがたいものがありました。ただ優勝を予想するなら、(全チーム見たわけではないのでアレですが)バルバロスとしました。
帰宅後審査結果を確認すると、バルバロスが優勝し、3連覇を飾りました。皆様、おめでとうございます。
バルバロスは人数も多いしおカネも掛けていますが、構成というか、見せ方が素晴らしい。隊列を途切らせることなくスムーズに進行し、客側のどの角度からでも演舞が見えるよう、しっかり計算されています。踊りも一見自由に踊っているようで、キッチリ統率が取れています。スタッフが演者の前にいて視界を遮る、ということもほとんどなく、私たちはストレスなしで観られるのです。
これらは各チームが予算に関係なくできることで、この点だけを取っても、バルバロスはほかのチームより秀でている気がしました。
……なんて、サンバカメコごときがエラソーにほざいたって、何の説得力もありませんネ。
今年出場の皆様、ありがとうございました。お疲れ様でした。また来年も浅草での演舞を楽しみにしています。