ビバ!サンバ!!2

サンバ撮影日記

第36回浅草サンバカーニバル<5>

2017-09-09 02:03:52 | 浅草サンバカーニバル
気がつけば、歩道は意外に人がいない。今年も昼から雨が降り、見物客も若干ハケたが、そこから人出が回復しなかったということだろうか。
ともあれこれなら、撮影場所を移動しての撮影も可能ではないか?
すなわち、ここで隊列一行をビデオで収め、かわいいダンサーがいたら追っ掛け、そこはデジカメで撮るのだ。
オレはゴール方向へ歩いてみた。
そこは大混雑というほどではないが、見物客は多かった。つまりこの辺からデジカメで撮ろうとしても、やっぱり人の頭が邪魔になる。
結局オレは、元の場所付近に戻ってきてしまった。
ダンサーの追っ掛けはふだんのサンバイベントでやればよい。浅草は不動で録ることにした。

とゴチャゴチャやっている間に、次のチームの演舞が終わってしまった。
残るは3チームである。まずは昨年第3位の「リベルダージ」。同チームの浅草仕様演舞は前週の志村坂上で拝見しており、テーマは「飛行」ぽかった。
先頭のアーラは風だか翼の化身か。あまり軽やかには見えなかったが、まあいい。
続いてオレ一押しのポルタバンデイラ嬢が登場した。さらにハイーニャ格のタンガダンサーが続く。彼女はいつも露出が激しく、素晴らしいの一語に尽きる。
続くアーラはレインボー仕様で、ここでもふだんのタンガダンサーが扮していた。
さらに鯉の滝登り、竜と続く。「飛行」とは関連がないと思われるが、何だろう。
2組目のポルメスの後は、飛行士の恰好のバテリアが続く。その先頭を行くは飛行士ハイーニャダンサーだが、やや露出が少ない。色が茶色なのも地味さに拍車を掛けている。
さらに子供たちのハリーポッターが続く。そうかそうか、今回のテーマは飛行機ではなく飛行するモノらしいから、飛行物なら何でもいいわけだ。
タンガダンサーが登場したが、カベッサにはゴーグルを引っ掛けている。その後方はハングライダーのアーラ。筋肉隆々の男性は整備士だ。
続く機械仕様のダンサー群は、コスチュームに露出が少なく、残念。
締めのアレゴリアは大都会を模していて、でっかい飛行機の脇でセクシースッチーが踊っていた。しかしオレ一推しのスレンダーダンサーは向こう側におり、飛行機の陰に隠れて、まったく見えなかった。
これって皮肉だよねえ。志村坂上ではイヤというほど彼女を撮れたのに、肝心の浅草でそれが叶わないとは!
リベルダージは、テーマはよく表現されていたが、全体的に平板で、盛り上がりに欠けた気もした。

7チーム目は昨年準優勝の「エスコーラ・ヂ・サンバ・サウーヂ」。
先頭のアーラは中世の貴族っぽい。アレゴリアのあとの白のタキシードを着た男性はサウーヂの代表なのか、何度も拝見したことがある。だがこの構成で氏がふつうに登場する意味が分からない。
続く子供たちはニワトリの恰好で、サウーヂのテーマが分かりかねた。
続くアーラはベッドで眠る小熊を模していた。テーマは「朝」か「睡眠」だろうか?
ああ、先頭のアーラはやっぱり皇帝ナポレオンだ。ナポレオンは睡眠を3時間しか摂らなかったという逸話がある。やっぱり眠りに関するテーマなのではあるまいか?
しかしバイアーナは、後ろに「カップヌードル」を背負っている。この意味がまた分からない。
バテリアは頭の羽根がチームカラーのピンクであでやかだ。衣装は重厚で、歯車を模しているっぽい。
続くアーラはノートパソコンを叩き、ビジネスバッグを四方に拡げているビジネスマンだ。相当忙しい人物を表現しているらしい。
続く女性アーラは時限爆弾を身にまとい、タイマーが爆発3秒前?を表示している。前週に三茶で観たやつだ。
あぁ、カップヌードルは3分間待つし、ビジネスマンは時間に追われていた。時間関係がテーマだろうか?
続くアレゴリアは歯車を模している。扉が閉まると大時計になった。やっぱり「時間」なのだろう。
セクシーダンサーが登場する。メイクでよく分からないが、あのいやらしい体の線は、トミコ様じゃあるまいか? 実に罪作りなダイナマイトバディだと思う。
最後は時計を持ったアーラと、巨大アレゴリアが登場して、終了。
サウーヂも期待に違わず、安定した作りだった。
だがここまでS1リーグを見てきて、どうもインパクトに欠ける。各パートの出来は素晴らしいのだが、ひとつ突き抜けたものがない。

オレは撮影場所を微妙に変える。
大トリは、「仲見世バルバロス」。
ここは美季様が登場するかもしれないからデジカメでも撮りたいところだが、美季様は後日のイベントでも撮る機会はあるだろう。そのままビデオで録ることにした。
先頭はきらびやかかつシックな衣装の踊り手で、女性はお尻が全開だった。
ここまで登場したチームで、「先頭ダンサーのお尻全開」はたぶん初めて。それまで他のチームはさわやか系に終始し、今一つインパクトに欠けた。
しかし先頭に女性のお尻がくれば、見物客も目を瞠る。小説やマンガの1頁目が大切なように、隊列も先頭が肝心だと思う。女性陣にはいつものタンガダンサーもおり、生き生きと演じていた。
この時オレは、今年の優勝はバルバロスだと思った。
続くアレゴリアは何かの建物。その次に重厚なドアが続き、どこかのマジックの館かと思った。
続く金タンガダンサー4人は、シャンデリアを背負っている。これがまたスタイル抜群で、この中に美季様もいそうだが、確認できなかった。
ただここまでの演舞で、バルバロスはもう他のチームを圧倒している気がした。
何組か進んで、次はピエロのアーラ。これはやっぱりマジックがテーマなのか?
続いては金の鏡台でメイクをする女性。続くベルばら風味のダンサー群は、踊りがピッタリ決まっている。バルバロスの踊りは毎回キレがある。
ポルメスのポルタバンデイラはSayuri様が務める。タンガダンサーやポルタバンデイラに思い入れがあるのもサンバカメコの特色で、そこが一般客とオレ(たち)との違いだ。
プシャドールのあとのアーラは、バーとカクテルを表していた。このあたりで放送が入り、今年のテーマは「キャバレー」と知った。子供に媚びないこのテーマ、連覇に向けて、攻めてるよねぇ。
ポールダンサーの一群も通る。といってもダンサーは造り物で、支えているのは男性だが、手が込んでいる。本当にキャバレーにいるようではないか。
もうオレは手を叩いて応援したくてしょうがないのだが、ビデオ撮影の手前、そうもいかぬ。
まったく、ふだん無表情でビデオを回しているサンバカメコは、ハシャギたくならないのだろうか。彼らカメコはホントに、マシーンだと思う。
車道の中に、業務用の脚立に跨って見物しているオッサンがいる。上半身がニョッキリと突き出て、邪魔なことこの上ない。警備員とか警察も、こういうのこそ注意してくれないか。
続いて、ピンクの巨大なポンポン?を持ったダンサーらが踊る。これがまた一糸乱れぬ動きで、バルバロスは毎年、この手のダンサーを用意してくる。
バイアーナっぽいフレンチカンカンダンサーが20人近く登場し、妖艶かつコミカルに踊ったあとは、ショーガールタンガダンサーが8人登場し、オレは完全にトドメを刺された。
最終のアレゴリアは、キャバレーの店内そのもの。これで終わりかと思いきや、最後の最後に、掃除婦が掃除をしながらやってきた。これもニクイ演出である。
いや~、楽しかった。本当に素晴らしい出来。演者はほぼ見物客に向かい、ダンサーもナナメ配置で踊ることが多かった。隊列もほぼ途切れることなく、駆け抜けるパートもなく、つねにオレたちが楽しめるよう、細かい配慮があった。
タンガダンサーのお尻全開もよかった。まさに持ち味を生かし切った感じ。ここは浅草、品よくやったってしょうがない。多少猥雑な演出も必要なのだ。
今回のバルバロス、オレにはロボレスへの対抗心が見て取れた。「よそ者」にこれ以上話題をさらわれてたまるか、本物の日本のサンバを見せましょうという、老舗の意地を感じたのである。綿密に計算された構成と演出、それを演じきった演者の皆さまに、オレは心から拍手を送ったのであった。


以上、これで今年の浅草サンバカーニバルは終了。今年は車道の見物組に終始悩まされたが、終わってみれば楽しい5時間だった。
これだけの演舞を見たら、順位づけなんてどうでもいい気がする。でも上位には賞金も入るし、モチベーションを保つ意味でも、やはり採点は必要なのだろう。

結果は次の通り。

S1リーグ優勝:仲見世バルバロス
S2リーグ優勝:ヴェルメーリョ・イ・ブランコ
アレゴリア賞:仲見世バルバロス
アサヒビール特別賞:自由の森サンバ学園音楽隊

皆さまおめでとうございます。来年の演舞も楽しみにしております。

最後に、オレが見たS1リーグの各テーマを記しておこう。

ICUラムズ「畑」
セレージャ「SHOW!伝えたい思い」
自由の森「高校生の頭の中!」
アレグリア「宝探しの旅」
リベルダージ「空へ!」
サウーヂ「時間~今を最高に楽しもう!」
バルバロス「キャバレー」
コメント (4)
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