みやっちBlog

ライター「宮下アツシ」の頭の中をlogする「みやっちBlog」

地球温暖化をめぐるねじれ

2007年10月29日 17時43分48秒 | 政治・社会
国連環境計画が地球環境白書を発表したが、食料、特に穀物価格の急騰を受けて、セルロースからのエタノール精製技術が進むまでは穀物からのエタノール精製を控えるように警告したとか。



穀物は、畜産での飼料として大量に消費されているだけに、食品価格の高騰が穀物だけにとどまらないという事情があるにせよ、穀物からの燃料製造でエネルギー市場を握ろうとしている穀物メジャーにとっては、今回の警告は軍事同盟の理事会である国連の機関が軍需産業とかかわりの深い石油メジャーの利権を守るための牽制と受け取っているのではないだろうか。

スイッチグラスなどの草本系バイオマスからのバイオマス燃料製造となれば、軍需産業が新たな利権としてエネルギーを握ることも可能となり、中東の影響を受けやすい石油メジャーの影響力を相対的に低くすることも可能となりそうだ。

輸送用燃料分野では草本系バイオマスと天然ガスやメタンガス、電力の分野では原子力が地球温暖化防止対策のメインとなってくるのだろうが、こうした流れを作っているのがこうした分野に利権を持っている地球温暖化の危機を喧伝している人たち。

リベラルな人たちの多くが地球温暖化防止を熱心に訴えているが、軍需産業やグローバル企業の新たな利権として温暖化対応、対策を後押ししていることの矛盾を気がついているのかどうか。

さらに、地球温暖化防止を市民活動で訴えるリベラルな人たちが多いことで、地球温暖化防止を訴える人たちは怪しからんと攻撃する保守系の人たちも、軍需産業をはじめ体制に近い企業が推進している地球温暖化防止を批判していることの矛盾が見えているのだろうか。

軍需産業をはじめグローバル企業がによって日本古来の文化や伝統が失われると危惧する中から、反グローバリズムとして地球温暖化防止のための活動などを批判するのであれば、保守系の人たちはアメリカ政府やグローバル企業ベッタリの自民党こそ批判すべきじゃないかと思うのだが。

リベラルな人たちも、各地で起こる紛争や自然破壊に対して異を唱えるのなら、軍需産業やグローバル企業が喧伝する地球温暖化が真実であるのかどうかを疑って掛かってもらいたいもの。

欧米の支配階層は、とにかく自分たちの一族が未来永劫、金銭的物質的に豊かでいられるためには手段は選ばない。

スクラップ・アンド・ビルドを繰り返し、格差を世界規模で固定化し、さらに各国内でも格差を拡大して安い労働者を確保。そして全世界の労働者に製品を売りつけて利益を得るグローバル企業は、物質文明に染まっていない地域を民主化と称して物質文明化させて市場としてきたのだから、保守系の人たちはそうした流れに抵抗する人たちを応援するのなら筋が通っていると思うのだが、自分たちの文化や伝統を守ろうという人たちに冷たい気がしてならない。

自国の文化や伝統を守ると同時に、他国や他民族の文化や伝統を尊重し、共に世界を単一の価値観にしてしまおうとうするグローバリズムに抵抗しようということにならないのはなぜなのだろうか。

アメリカの帝国主義に寄り添ってコバンザメのごとくおこぼれを頂戴して生きて行くために、アメリカに巨額の上納をしなければならない現状では、日本で物質的金銭的に豊かになれるのはごく一部の企業経営者と資本家だけ。

ほとんどの国民が苦しい生活を送るようになれば、文化や伝統などといってはいられないし、エコロジーなどともいっていられない。

国内の低所得者層を生かしておくためには、安い食料や衣料品、医薬品がなければならないのだから、さらに貧しい国々から大量にそうした安い物資を輸入することになる。もし、輸入による安い物資の供給が困難であるならば、自給自足を促進して食料も衣料品も自力で手に入れられる手段を与える必要があるはず。

ところが、小規模農家を冷遇するなど自給自足を困難な状況にしておいて、生きてゆくための物資の価格を抑える努力もせず、給与だけは低く抑えようとするこの国の政策は整合性が取れていないにも程がある。

さらに、もし有事を想定するのであれば、国内での水と食糧、燃料の確保は最低条件のはず。しかし、食料と燃料を輸入に頼らなければならない状況にあるのだから、戦争や紛争に巻き込まれないよう最大限の外交努力をするというのが日本という島国の生きる道だと思うのだが。アメリカ一国に日本の命運を託し続けてきた自民党は、この国の安全保障を真剣に考えてきたのだろうかと疑いたくなってくる。

話は大きく逸れてしまったが、ともかく能天気に地球温暖化防止を唱えるのは軍需産業をはじめグローバル企業を儲けさせるだけ。逆に、アメリカと共に日本も軍隊を持って世界の紛争地で戦うべきだという人は、地球温暖化防止を推進して軍需産業を儲けさせ、さらにアメリカから日本への圧力を強めることこそ近道なのではないだろうか。そんな状況にならないことを願うばかりだが・・・




↓いろんな意見を知るのに役立ってます。

皆様のポチッに元気をいただいております。ありがとうございます。
テクノラティプロフィール

最新の画像もっと見る

コメントを投稿