みやっちBlog

ライター「宮下アツシ」の頭の中をlogする「みやっちBlog」

需給ギャップが読めなかった飯田市の結いターン

2006年08月28日 15時54分31秒 | 政治・社会
テレビや雑誌の影響なのか田舎暮らしをしたい人が増えている。
不便さをどれほど覚悟しているのかは定かではないが、田舎の中でも比較的便利な街中ではなく、より不便な郊外での生活を望んでいるのだとか。

田舎の空き家 物件不足 飯田のIターン 需給ギャップ(信濃毎日新聞)
==== 引用 ====
 Iターンを支援している飯田市で、入居希望の多い「田舎の空き家」の供給が不足気味だ。若いIターン希望者は「山の中での畑仕事」「南アルプスが見える」とイメージが先行しがちなのに対し、地元の人は、普段空き家にしていても「(同居のため転出した)親が元気なうちは貸せない」などと考える人が多いためのようだ。長野や松本、東信地方に比べ物件が少ないこともあり、市などに「Iターン受け入れが実を結ばないのでは困る」と戸惑いの声もある。

 Iターンの移住希望が多い天竜川東岸山間部の上久堅、千代地区は過疎化対策で積極的に受け入れようと、昨年から自治会が「空き家調査」を実施。上久堅地区は20軒余の空き家があるが、「盆と正月は帰るから」と断る家主が多く、貸家としての可能性があるのは半分ほどにとどまる。

 千代地区では住民が、「できるだけ便利な場所を」と家や店が比較的密集している場所の空き家を紹介したところ、Iターン希望者から「イメージと違う」と断られた例があったという。

 飯田市がU・Iターン支援のため4月に新設した「結い(UI)ターンキャリアデザイン室」は25日まで1カ月、夏の観光・帰省客を対象にIターン実現に向けたキャンペーンを実施。計42世帯から相談があり、約4割が空き家への移住希望だったという。

 空き家希望は若い世代が多く「不便でも景色が良くて安い」といった条件を挙げる傾向が強いと同室。一方、同室が把握している希望に合いそうな空き家は10軒に満たず「なかなか希望に合う物件がない」という。職員の小林美智子さんは「Iターン希望者にすれば飯田は選択肢の一つ。住む家がなければよそに移られるかも」と心配する。

 県は5月から、「田舎暮らし案内人」事業を始めIターン者に住宅をあっせんしてるが、案内人の飯島和久さん(43)は「田舎の古い民家を住めるようにするには修繕に1000万円以上かかる。安く貸す人は非常に少なく、購入も財力がなければ厳しい」と指摘。「飯田はワーキングホリデーも盛んで夢を描いて来る若い移住希望者が多い分、ミスマッチが際立っているのでは」と話している。
============

田舎で田畑を耕し、山に入る暮らしをしたいと思っても、生業としての農林業を行うには土地が必要になるし、技術も必要になる。退職金などを食いつぶしながら余生を過ごすぐらいなら田畑を貸してくれる人もいるが、農地を借りて農業をするには様々なハードルが待ち受けている。
そのハードルを取り除くか下げる努力が、地方再生、農林業再生のカギとなるのではないだろうか。


↓いろんな意見を知るのに役立ってます


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
I ターンのことはI ターンの人に聞けば (信濃のアブマガ)
2006-08-28 19:10:45
I ターン 希望地を南信州に決める人ってけっこう濃いんですよね。このへんの気持ちを生え抜きの地元人がわかるかっていったら殆ど不可能ですよね。いくらでもI ターン者がいるんだから本気だったらまず彼らに相談すればいいのに相談しないってのは本気じゃないんだろうな、いかにも行政のやることって感じ^^;
返信する
便利さを求めるのは地方の特徴かも (みやっち)
2006-08-29 16:55:17
Ⅰターンで心配なのが、近所付き合い。自治会やお組合など濃厚なご近所付き合いに、果たして都会の希薄な人間関係の中で育ってきた人たちが馴染めるのかが心配なんですが、まあそんなこともあって周りに家が少ない偏狭の地へのⅠターンを望むんでしょうかね?



そのあたりが良くわかりませんが、最近じゃ隣のことを良く知らないって人も珍しくなくなってきてるし、地方の人間関係もずいぶん変わってきました。

そういう意味じゃ、さまざまなIターン実践者に話を聞いて政策を練ることが大事なんでしょう。地元で生活してきた人にその地元以外から転入しようという人の気持ちはわかりませんから。



それにしても、なぜ南信州にはIターンが多いんでしょうね。
返信する
計画ばかりが先走っている (飯田人)
2011-11-01 13:17:50
偶然このブログにたどり着きました。


結いターンってこんなに需要と供給が噛み合ってなかったんですね(2006年の話ですが)。

飯田の高校生が卒業後県外に出て、帰ってくるのはその半数以下です。私も一度外に出て帰ってきたクチですが、地元民の中には一回出てしまった人間を快く思ってない人が結構居るんですね。

地元で就職しようにも、「女が大学を出ている」などが気になるようで、そのことについて面接でグチグチ言われたことがありました。


行政は住人確保に必死なのでしょうが、飯田市民の意識と大きく差が開きすぎています。
よそ者意識が酷いです。

こんな状態で飯田に人が住みつくはずがありません。


突然長々と失礼致しました。
返信する
定年する頃にはもどりたいよね (GHANA)
2015-01-21 21:48:22
I/Uいろいろだけど、人の力ばかりで作り出した町は心が落ち着かない感じ。
便利さは少ないけれど伊那の谷に戻りたいです。

(長野市はまとまりがないし・・・善光寺だけはがんばっている) 松本も、ばらばらだし...お城とナワテはがんばっていると思います: もっとギター工房が目に触れるところにあっていいと思います。高くて買えないけど)
(川上に行ったけど、おっっレタスが迫ってくる感じ、いいと思います。)

うまくいえないけど、その地域の特色が知らず知らずおうちに目に飛び込んでくる(私はできれば人工的な自然がいいと思う)

どんなもんでしょうか、この考えかた?
返信する

コメントを投稿