さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・
てて親や はは親について畑へよく行ったが、たいして手伝うことなどなかったなあ。
まだ小さかったから、クワなど使えないし、水くみなどとても無理だった。
まあ、よくした畑の手伝いといえば 野菜の虫とりだった。
青虫や毛虫を取るんだから、そりゃあ気持ち悪いよ。瓶に泥を入れて、竹箸で虫を掴んではその中に入れるんだ。
両親が近くの持ち山に薪を取りに行ったりすると、わたしは 一人で広い畑の虫とりを任されるんだが、それ、こんな仕事はすぐ嫌になってしまう。それで、飽きてくると、畑の隅で 持ってきていた人形を使って一人でままごと遊びのようなものをしたもんだよ。
うちの山からは畑全体がよく見えるんで、わたしが人形で遊び始めると、畑の一角で動かなくなるのが両親に丸分かりなんだよね。
はは親は、「畑のあの辺りには虫がたくさんいたらしく、咲は全然動いていなかったなあ」 と、笑うんよ。
「ああ、あの辺りは虫が固まって ぎょうさんいたわ」と、わたしがこたえると、「そうか、そうか、そんなにたくさんいたのか」 と、てて親も はは親も大笑いしていた。
わたしは、うまくだませたと思っていたんだけれど、そんなことはないわなあ。
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