雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

明日から日が長くなるのかな?

2023-12-22 18:54:38 | 日々これ好日

     『 明日からは日が長くなるのかな? 』

   今日は冬至 
   寒さは まだ始まったばかりだが
   お日さまは はやくも 陰の到達点に達し
   明日からは 少しずつ昼の時間が 長くなるはず
   「冬至十日はアホでもわかる」そうなので
   お正月頃には 日の出・日の入りの時間の変化が
   私にも わかるだろう
   ナンキン・レンコン うどんも食べました
   あとは カピバラのように ゆず風呂を楽しませていただきまァす

                    ☆☆☆

  

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落盤事故から助かった男 ・ 今昔物語 ( 17 - 13 ) 

2023-12-22 08:00:23 | 今昔物語拾い読み ・ その4

    『 落盤事故から助かった男 ・今昔物語 ( 17 - 13 ) 』


今は昔、
伊勢国の飯高郡(現在の松坂市あたり)に住んでいる下人(身分の賤しい者)がいた。毎月の二十四日(地蔵の縁日に当たる)に、精進して戒を受け、地蔵菩薩を念じ奉っていた。
これが長年の勤めになっていた。

ところで、この飯高郡では、水銀を掘って朝廷に奉ることになっていた。
この男は、郡司に徴集されて、水銀を掘る人夫に命じられて、同じ郷の者三人と連れ立って、水銀を掘る場所に行った。穴を掘って、そこに入って水銀を探しながら、十余丈(30m以上)もある穴に入った。
ところが、突然穴の入り口の土が崩れて、ふさがってしまった。入り口はふさがっても、中は空洞になっていて、三人ともその中にいた。互いに涙を流して泣き悲しんだが、穴から出ることはとても出来ないと思い、もう死を待つばかりだと悲しんだ。

ところが、この男は心の中で、「私は、長年、毎月二十四日に、精進して戒を受け、熱心に念じ奉ること怠ることがなかった。こうして、今この災難に遭って、まさに命を失おうとしている。なにとぞ、地蔵菩薩さま、大悲の誓いを以て、私を助けて命をお救い下さい」と念じていると、暗い穴の中ににわかに火の光が見えた。その光はしだいに強さを増し穴の中は明るくなった。その時、見ると、十余歳ばかりの姿形が麗しい小僧が、紙燭(シソク・室内用の松明。)を持ってやって来て、この男に向かって仰せになった。「そなたは、速やかに私の後ろについて出て行くがよい」と。

この男は、恐れながらも喜んで、小僧の後ろについて、しばらく行くと本の里に出た、と思った時、小僧の姿は見えなくなった。
「これは、ひとえに地蔵菩薩がお助け下さったのだ」と思うと、極めて有り難く、涙を流して礼拝して、よく見ると、我が家の門前に来ていた。
「あとの二人も、同じように後ろについてきているのだろう」と思ってみたが、その姿は無かった。紙燭の火の光りは、穴の中で消えてしまっている。然れば、あとの二人は火の光を見ることもなかったのだ。地蔵の加護を蒙るべき信心がなかったのであろう。
そして、家では、妻子はこの男を見て、涙を流して喜んで、帰って来られたわけを訊ねたので、事の様子を語ったのである。

それから後は、ますます心を込めて、地蔵菩薩を念じ奉った。また、この事を聞いて、その郡の内の人は、多くの地蔵菩薩像を造り奉って、水銀を掘る時には、特に熱心に念じ奉った、
となむ語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆

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